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Google Maps Platform

Dunzo: Google Maps Platform で配達体験を一新しサポートへの問い合わせを 90% 削減

2021年4月23日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 4 月 9 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 本日の投稿では、Dunzo の Growth and User-facing プロダクトをリードする Brijesh Bharadwaj 氏に、Google Maps Platform でのオンデマンド配車および配達ソリューションの使用方法に関するさまざまな質問に答えていただきました。Dunzo はインドの地域密着型 e コマース プラットフォームで、日々の暮らしを便利にし、選択肢を増やし、やりくりしやすくすることを使命としています。Dunzo はオンデマンド配車および配達ソリューションを利用して、配達パートナーと消費者に革新的な注文処理を提供できるようになりました。 

Dunzo で担当されていることを教えてください。

現在、事業の成長とユーザー向け全プロダクトのリードを担当しています。また、3 者向けプラットフォームである Dunzo を利用する配達パートナー側の問題の理解、そしてエクスペリエンスを最適化および向上させるソリューションの設計にも、かなりの時間を費やしてきました。毎日、お客様への Dunzo の価値提案に磨きをかけ、顧客の活性化と維持に導く方策を推進することに力を注いでいます。 

Dunzo の歴史についてお聞かせください。どのように成長を遂げてきたのか、現在特に力をいれているサービスについてもお話しいただけますか?

Dunzo は地域に根差した e コマース プラットフォームで、日々の生活を便利にし、選択肢を増やし、やりくりしやすくすることを使命としています。ユーザー、地域の販売者、配達パートナーと緊密に連携して、消耗品からペット用品まで、市内のあらゆる商品をユーザーが 1 か所で選べるようにしています。

インドには地域密着型のデリバリー サービスがいくつもあります。その大半が食品などのカテゴリに特化していますが、Dunzo は幅広いサービスや商品に対応しています。こうした注文をユーザーにお届けする方法について、優れたエクスペリエンスを構築することに私たちは非常に情熱を注いでいます。その中には、優れたユーザー エクスペリエンスを実現するための、注文追跡、配達までの所要時間、商品の選択をはじめとする複数の要素が含まれます。

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Dunzo の配達パートナーが時間どおりに配達できるように支援するアプリ内ナビゲーション

Dunzo が Google Maps Platform を使用するにあたって直面していた課題と、オンデマンド配車および配達ソリューションで解決しようとした課題は何ですか?

位置情報の信頼性とカスタム開発ソリューションのスケーリング

私たちの最初の課題は、注文をリアルタイムで追跡するための独自のカスタム開発ソリューションを用意することでした。特に、インドではネットワークが頻繁に切断され、接続できない場所も少なくないため、バイク便の適切な位置同期は難しい問題であることがわかりました。これでは、配達パートナーが最適な状態で稼働できない可能性があります。配達パートナーが配達中ではないという内容のサポート チケットを受け取っても、実際にはそのパートナーは配達中だったという状況もあり得ます。現場の状況の同期にテクノロジーが対応できませんでした。このような課題に対してすぐに使えるソリューションが必要であることがわかっていたため、Google Maps Platform チームに相談することにしたのです。

移動および注文追跡のプラグアンドプレイ ソリューション

オンデマンド配車および配達ソリューションがベータ版だったときから、配達側では Google Maps Platform を使用してきました。早い段階で、配達パートナーのインターフェースとユーザーのインターフェースをつなげる必要があることに気づきました。双方がつながったときがソリューションの実際の完成になります。「移動および注文状況」機能は、正に私たちが求めていたものでした。注文追跡機能全体を導入したらすぐに稼働できるようになります。統合の結果、配達パートナーの追跡に関するサポート チケットが 90% も減りました。

状況に応じた配達場所の検索

ユーザーアプリでの場所の検索でも、ソリューションが必要でした。それまでは、配達パートナーがユーザーの配達場所を見つけられなかったことが何度かありました。この主な原因はインドの地図システムによるものです。すべての住所が記録されているわけではなく、標準的な命名法に従っているわけでもありません。場所によっては問題が解決されずに残っています。しかし、Place Details API を使用することで、以前は取得していなかった建物名など、より状況に合ったデータを抽出できるようになりました。データによると、配達パートナーは、オフラインの世界では明確に示されていない通りの名前や PIN コードよりも、建物の名前を認識しやすいということがわかっています。この API のおかげで、場所に関連するサポート チケットが 9.3% 減りました。

信頼性の高いリアルタイムの到着予測

また、到着予定時刻(ETA)にも取り組みました。以前は、ユーザーが注文する前に、当社独自のカスタム ロジックを使用して配達予定時間を確定していました。ところが、インドの道路事情では移動時間の予測に影響する要因が複数あったため、入手可能な限られたデータで予測するのは非常に困難でした。Directions API を使用することで、リアルタイムの交通状況と道路状況に基づいて移動時間を取得して、より正確な ETA をユーザーに提供できました。API 変更後に ETA を守れなかった事例は 14% 減りました。

オンデマンド配車および配達ソリューションでは、どのような機能を使用していますか?

現在、ソリューションの複数のプロダクトと機能に加え、他の Google Maps Platform プロダクトを活用しています。アプリ内ナビゲーションを使用して、アプリ内でドライバー パートナー向けのターンバイターン ガイダンスを提供し、バイク便のルート用に最適化しています。移動および注文状況機能により、注文の状況と正確な ETA をユーザーにリアルタイムで表示できています。また、リバース ジオコーディングRoute API を使用して、配達時の ETA を予測し、ユーザーが支払う料金を通知できます。特に、マッピング プロバイダにとって課題となっていた複雑な組み合わせのマッピングで、改善された最新データを活用しています。
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特に素晴らしい点の一つが料金体系です。個々の API 呼び出しとそれに関連する費用について心配する必要がなくなり、ユーザーと配達パートナーにとって最高のエクスペリエンスを構築することに集中できるようになりました。

Google Maps Platform、ひいては Google との今後のパートナーシップについて、これからの展望をお聞かせください。

地域密着型の配達は流行していますが、多くの点で発展途上とも言えます。Dunzo は、優れたカスタマー エクスペリエンスを構築するテクノロジーの導入によって差別化を図ることができます。Google とのパートナーシップのおかげで、顧客優先のプロダクトを構築する方法について、深い見識を得られます。配達所要時間の全体的な短縮や、シームレスな割り当てを提供するエンジンの作成など、やらなければならないことはたくさんあります。

Google Maps Platform チームのおかげで本当に素晴らしい体験ができました。実際に活用してみて、お客様に良い影響があることを確認できただけでなく、お客様のために業務を改善する余力も多く生まれたことを非常に嬉しく思っています。

Dunzo の次の目標は何ですか?また、その達成に Google Maps Platform はどのように役立ちますか?

日々、マッピングを理解する方法がますます増えているため、ロジスティクスの未来は明るいと考えています。3D マッピングを使用して集荷と配達の場所を最適化できれば、Dunzo のようなサービスにとって大きな変革になるでしょう。この分野での Google の研究を活用してインドの都市をより適切にマッピングし、ユーザーが求めるものなら何でも可能な限り最も迅速かつ効率的に提供できるようにしたいと考えています。また、Google Maps Platform が、複数の入口、通行止め、迂回路、駐車制限といった、配達の状況や速度に影響を与える可能性のあるオフラインの世界でのさまざまな要素について、地域ごとの細かい違いをどのように取り入れていくのかに非常に期待しています。 

Google Maps Platform の詳細については、ウェブサイトをご覧ください。ウェブサイトでは  Google Maps Platform の詳細やニュースレターの購読などをご案内しています。

 -Dunzo 社プロダクト管理、ユーザー プロダクト、成長担当ディレクター Brijesh Bharadwaj 

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