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Google Maps Platform

Spare は Google Maps Platform を使用して、頼れるパラトランジット サービスをユーザーに提供

2026年1月9日
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Joel DeYoung

VP of Software Development, Spare

※この投稿は米国時間 2025 年 12 月 16 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: この記事は Spare のソフトウェア開発担当バイス プレジデントである Joel DeYoung 氏によるものです。パラトランジットを必要とする数百万人の利用者に対し、交通機関が予測可能で信頼性の高いサービスを提供するうえで、Spare が Google Maps Platform を使用して、どのようにサポートしているかについて紹介しています。


北米では、パラトランジット サービスは毎日何百万人もの人々の生活を支えています。自力では通勤や通院が困難な人にとって、パラトランジットは命綱です。A 地点から B 地点までの移動手段と、ソーシャル ネットワークとのつながりを提供し、豊かに暮らす自由を可能にするものです。

Spare は、この責任の重さを真摯に受け止めています。人工透析の予約に遅れたり、運転手がどこにいるかわからず移動できなくなったりすると、大変な事態につながる可能性があります。そこで、2025 年 6 月に Google Maps Platform を活用した Spare Live Traffic をリリースしました。この統合により、交通状況を考慮したリアルタイムの経路設定が可能になり、提携している北米の数百の交通機関によるパラトランジット サービスの提供を変革できます。

旧態依然とした業界をモダナイズ

パラトランジットの運営は複雑です。同時に数百台の車両を運行し、さらに各車両には乗車場所と降車場所が異なる複数の乗客が乗車し、時間的な制約も異なれば、アクセシビリティのニーズも異なります。

しかしながら、この業界の多くの事業者は、リアルタイムの交通状況ではなく、過去の交通パターンを未だ利用しています。このため、遅延が発生した場合は、配車担当者が手作業で対応する必要があり、これにより配車ごとに最大 20% もの余計や時間がかかっていました。しかし、公的資金で運営されている交通機関は、より少ないリソースでより多くの業務をこなすことが常に求められています。私たちは、リアルタイムでの自動化された経路設定が、規制要件を満たし、乗客が求める質の高いサービスを提供するという両方を予算内で実現するうえで役に立つと確信していました。

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Navigation SDK を使用することにより、アプリ内でわかりやすいターンバイターン方式の経路案内を確認できるほか、道路の制限速度とリアルタイムでの交通情報も確認できます。

Spare Live Traffic のマッピングとナビゲーションのパートナーを選ぶにあたっては、Woolpert Digital Innovations と協力して、プロバイダを徹底的に評価しました。テスト フレームワークをセットアップして、開発者を車に乗せ、ラッシュアワーにバンクーバーを走行しました。現場でのドライバーの実際のエクスペリエンスを前もってテストすることにより、さまざまなプラットフォームが現実のシナリオにどのように対応できるかを客観的に測定できました。

Google Maps Platform はほぼすべてのカテゴリで競合他社を圧倒しました。リアルタイム交通情報の質は傑出しており、現場で実際に何が起こっているのかをリアルに示す能力は、他とは比べものにならないほど高いレベルでした。ユーザビリティも格段に優れていました。

実世界で機能するソリューションの構築

Spare Live Traffic は次のような仕組みで機能します。Google Maps Platform のモビリティ サービスを活用して、Spare Live Traffic は人々の生活に大きな影響を及ぼす問題を解決します。Spare のドライバー アプリは Navigation SDK を使用して、誰もが慣れ親しんでいる Google マップのわかりやすいターンバイターン方式の経路案内をアプリ内で確認できます。また、これを使用することにより、以前のソリューションにはなかった、道路の制限速度やリアルタイムの交通状況などの機能も装備できるようになりました。

前方で交通事故、突然の渋滞、通行止めが発生している場合、ドライバーには自動で迂回ルートが案内されるため、配車担当者が手作業で対応する必要はなくなりました。Google Maps Platform と提携して、このような形でリアルタイムでの交通情報を利用しているのは、Spare だけです。他のプラットフォームでも一部の交通情報は表示されますが、Spare の場合はリアルタイムでの移動の最適化にそれを使用しています。これが大きな違いです。

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交通事故、突然の渋滞、通行止めが発生している場合、ドライバーには自動で迂回ルートが案内され、配車担当者が手作業で対応する必要はありません。

システム内では、AI 搭載の Spare Engine が常にルート機能と連携して、同時に数十もの乗車地点と降車地点における移動時間と最適なルートを把握しています。一度に 10~50 か所もの多くの場所を同時に管理しなければならない複雑な状況下では、正確で最新の経路データに即座にアクセスできることが重要となります。AI はこの情報をもとにどの車両がどの乗客をいつ迎えに行く必要があるかをリアルタイムで賢く判断します。

経路設定以外にも、Places APIGeocoding を、ささいなことのようでも乗客にとっては非常に重要なシナリオで使用しています。たとえば、運転手が大きな病院の敷地内で乗客を降ろす場合、車両をどこに停車すればよいでしょうか?どの出入口がアクセスしやすいでしょうか?また、大型のパラトランジット車両がその道路端に安全に一時停車できるでしょうか?Google Maps Platform はこのような細かな点を把握しているため、乗客は安全に尊厳を持って降車できます。

ドライバー、配車担当者、乗客への実際のインパクト

このツールはすでに大きな変革をもたらしています。乗客数が増加傾向にあるお客様の場合、定時運行率(OTP)が 2% 向上し、車両 1 時間あたりの乗車数が 18% 増加しました。これにより、車両の運行時間を増やすことなく増加する乗客数に対応できています。また、生産性を維持したまま、OTP を 3~10% 向上させているケースもあります。この最適化により、リアルタイムの交通データをもとに運行マニフェストを変更し、運用効率を改善できます。

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システム内では、AI 搭載の Spare Engine が常にルートと連携して、同時に数十もの乗車地点と降車地点における移動時間と最適なルートを把握しています。

交通機関の配車担当者の反応は非常に好意的です。すべての車両をリアルタイムで表示した画面を見ながら、事故でドライバーが自動的に迂回した場合、その理由を把握できます。手作業で対応する必要はありません。これはワークフローに大きな影響を与えました。今では、運営全体を見るというような重要な業務に時間を確保できるようになっています。

ドライバーにとっては、Spare Live Traffic によって、アプリから目的地までの合理的なルートが常に提示されるようになり、ストレスが軽減しています。ドライバーは移動中にアプリを切り替える必要がなくなりました。競合製品のユーザーからは、同社のドライバー アプリでは必要な情報を確認できないため、ドライバーが個人のスマートフォンを取り出して経路を確認しなければならないという報告を受けています。それではまったく役に立ちません。

最も重要な点として、乗客の方にとってはよりスムーズで予測可能な移動が可能になっています。乗客を時間どおりにかつ快適に目的地までお送り届けられるようになっています。

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Google Maps Platform はドライバーに特定の降車場所と乗車場所への経路を提示し、乗客にとってより快適なエクスペリエンスを実現しています。

交通機関の運行における新たな基準に

今後は、遅延を未然に防ぐための AI を使用した交通状況の予測モデリングの導入を検討しています。また、交通機関がマイクロトランジットとパラトランジットの運行をより緊密に統合できるよう取り組んでいます。乗客向けアプリを含むプロダクト スイート全体に Google Maps Platform を導入する計画もあります。

Spare は業界全体での新たな基準を確立すべく取り組んでいます。ナビゲーション、リアルタイム データ、地理空間データの分野で最高水準の Google Maps Platform との統合は、配車担当者の手作業での対応が不要な、完全に自動化された信頼性の高い交通エコシステムの構築に向けた大きな後押しとなっています。

最終的には、より住みやすい都市の創造、パラトランジットを必要とする人々の生活の質の向上と自立と尊厳の維持を目指しています。Google Maps Platform のおかげで、Spare は交通機関にこのサービスを提供するうえで必要な精度と信頼性を確保できています。

-Spare、ソフトウェア開発担当バイス プレジデント Joel DeYoung 氏

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