FreshDirect: ニューヨーク大都市圏の配達ルートを最適化して新鮮な食品を配達

Rajesh Venkatesan
Chief Technology Officer, FreshDirect
Ketki Gaur
Director of Application Engineering, FreshDirect
※この投稿は米国時間 2025 年 11 月 20 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 今回の記事は、FreshDirect の最高技術責任者である Rajesh Venkatesan 氏によるものです。Venkatesan 氏は、FreshDirect が Google Maps Platform Route Optimization API を使用して、ニューヨーク大都市圏の顧客向けに生鮮食品のラスト ワンマイル配達をどのように変革しているかについて語ります。
FreshDirect は、2002 年からニューヨーク大都市圏のお客様に、農場から直接仕入れた新鮮な地元産の食品をお届けしています。ニューヨーク市のマンハッタンのような密集した都市部や、ニュージャージー州カムデンなどの郊外で、企業や住民にサービスを提供しています。当社の大きな差別化要因は、お客様が 2 時間単位の配達時間帯を選択できることです。また、エクスプレス配達のお客様には、注文から 2 時間以内に食料品をお届けすることを保証しています。
当社では、お客様が希望する時間内に食料品を受け取れるよう、トラック、乗用車、徒歩(または「ランナー」)で配達しています。ルートの最適化は、当社のビジネスにとって非常に重要なことです。ドライバーは、トラックの通行が禁止されている道路などの障害を避けながら、ラッシュアワーの渋滞や工事現場を迂回する必要があります。
10 年前に作られたレガシー な経路探索システムは、もはや変化するビジネスニーズや進化し続けるお客様の期待に対応することができなくなってしまったため、システムをアップグレードするにあたり、PaaS(Platform as a Service)を利用する、ソリューションをゼロから構築する、地図プラットフォームを活用して独自のステートフル ロジックを構築するハイブリッド アプローチを採用する、という 3 つのオプションを評価しました。


FreshDirect は、ニューヨーク大都市圏の顧客に新鮮な地元産の食品を配達しています。
PaaS は、当社の配達量からすると費用が高すぎ、ゼロから構築するには開発に時間がかかりすぎます。そこで、Google Cloud プレミア パートナーの Master Concept がサポートする Google Maps Platform Route Optimization API と当社のカスタム ロジックを使用してシステムをモダナイズするハイブリッド アプローチを採用しました。プラットフォームのルーティング インテリジェンスにアクセスできることと、チームが意思決定ルールをカスタマイズできるという、両方のメリットが得られます。
リアルタイムの需要と容量に基づいてルートを動的に最適化
Google Maps Platform を利用することで、Google マップの膨大な実世界の移動データにアクセスできます。AI/ML(機械学習)を使用して最適な経路を見つけることで、予想される交通状況、迂回路、通行止めに合わせてルートを動的に再計画できます。これは他のベンダーには提供できない機能です。たとえば、マンハッタンの交通渋滞を考慮してルートを調整し、障害物やドライバーの能力も考慮します。
また、API のカスタマイズ可能なパラメータを使用して、車両の速度、容量、配達時間帯を動的に調整することもできます。これにより、ルーティング エンジンがより正確に、信頼できるようになり、効率も上がります。Route Optimization API を使用すると、翌日配達と当日配達の両方で自動ルーティングが可能になるため、ドライバーやトラックが事前に定義されたエリアに制限されるゾーンベースのルーティングから脱却できます。ゾーンレス アプローチでは、近くにいる車両や移動中の車両に注文を割り当てることができます。
社内システムで計画変数を管理する一方で、Route Optimization API を使用して最適なルートを計算します。これらの変数には、リージョンまたはゾーンで利用可能なトラック、各トラックの容量、自動車、トラック、徒歩などの配達モード、配達時間枠の空き状況の管理、進行中の配達のモニタリング、現地のビジネスルールおよび交通ルールを遵守することなどが含まれます。
効率的なルート設定により、より多くの顧客の注文に対応できる
日々の配達業務を中断しないよう、段階的な導入方法を選択しました。新しいシステムを段階的に展開することで、学習と改良が可能になり、コミットしたサービスレベルを確保できます。カスタム ロジックは、完全な導入へのスムーズな移行を確保しながら、必要に応じて調整できます。
まず、エクスプレス配達から始め、次に時間枠の空き状況チェックを組み込んで、注文をリアルタイムで実際の車両容量に合わせられるようにしました。現在、新しいシステムへの移行は 70% 完了しており、3 か月以内に 100% 展開が完了する予定です。


FreshDirect は、エクスプレス配達のお客様には、注文から 2 時間以内に食料品をお届けすることを保証しています。
導入以来、ルートの密度を高め、時間枠内の停車順を最適化し、注文を受ける際に予定配達時間をより正確に推定することで、配達ルートの効率化を進めてきました。これにより、時間どおりの配達が大幅に改善されました。また、約 1,000 件の注文をルーティングするのにかかる時間も 40 分から 1 分未満に短縮され、ルーティング オペレーションがほぼリアルタイムになりました。
Google Maps Platform プロダクト チームによるシームレスなコラボレーション
Google Maps Platform チームと Master Concept チームの両チームとの連携作業は、素晴らしい経験でした。質問や懸念事項には迅速に対応していただき、Master Concept の技術チームはプロセス全体を通して非常に協力的で責任感がありました。
また、Google Maps Platform のプロダクト チームに直接アクセスできたため、解決策に焦点を当てた回答を迅速に得ることができました。Google の担当者は、当社が構築しようとしているものを正確に理解しており、ルーティングのモダナイズ、配達精度の向上、業務の効率的なスケーリングという目標を達成する方法を教えてくれました。
AI/ML を活用して小売エクスペリエンスをモダナイズ
次のステップは、収集したデータを使用して、よりスマートに計画することです。過去の配達実績を分析することで、エリアや時間帯ごとに必要なトラック、ドライバー、徒歩配達員の数を予測できます。また、高層マンションと一戸建てでは食料品の配達にかかる時間が大きく異なるため、配達にかかる時間を経時的に学習させることも必要です。時間とともに、これらの分析情報は、リソースをより効率的に計画し、配達の精度を向上させるのに役立ちます。
また、主要なアプリケーションとワークロードを Google Cloud に移行することで、Google とのパートナーシップを拡大しています。オンプレミス アプリケーションの移行により、小売バリュー チェーン全体に最新のテクノロジーを適用する市場リーダーである Google AI および ML テクノロジーを活用できるようになります。Google のテクノロジーを活用することで、最先端の技術に携わる機会が得られるため、技術リソースにとってもプラスの価値が生まれます。
この移行以来、当社はコストを削減し、チームの効率を向上させ、新たな成長の余地を生み出してきました。そして最も重要なのは、新鮮な食品を時間どおりにお客様に届けていることです。FreshDirect は進化を続けていますが、お客様がプレミアムな食品を必要なときにいつでもお届けできるよう、最高水準のテクノロジーを使用するというコミットメントは変わりません。
- FreshDirect、最高技術責任者、Rajesh Venkatesan 氏
- FreshDirect、アプリケーション エンジニアリング担当ディレクター、Ketki Gaur 氏



