Active Assist のサービス上限(割り当て)推奨機能のご紹介
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 5 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
このたび、Active Assist に新機能、サービス上限(割り当て)Recommender が登場しました。これにより割り当て上限の追跡や対処が可能になります。この Recommender は、割り当ての使用率を分析したうえで、使用率が高く、不足に陥る可能性が高い割り当てを確認するよう、推奨事項と対処方法を自動的に提示します。この機能はすべてのお客様にご利用いただけます。
大規模な組織は割り当て管理が難しく、ダウンタイムのリスクを抱える
Google Cloud は、すべてのユーザーに可用性の高いサービスを提供し、使用量や費用が予期せず急増することを防ぐために、割り当て上限を実装しています。割り当てや上限の管理ではバランスが重要です。組織の健全な成長や業務は抑制したくありません。その一方で、不正な行為者、ワークロードの暴走、想定外の費用急増への対策として、適切な上限を設定しておく必要もあります。適切なバランスを見極めるには、割り当ての使用率のモニタリングと分析が必要です。分析ができれば、上限に達し、ワークロードのダウンタイムが発生する前に、上限の増加をリクエストしたり、作業を再分配したり、リソースをシャットダウンしたりする時間を十分に確保できます。
1 つのクラウド プロジェクトで、数百個の異なる API レートとリソースの数量に基づく割り当てを使用する場合があります。使用パターンは時間とともに変化し、お客様が所有するクラウド アプリケーションの組み合わせの影響を受ける場合もあります。こうしたアプリケーションを、それぞれ組織内の異なるメンバーが所有、管理しています。こうした複雑な状況では、組織全体で注視し、上限に達しないよう適切なタイミングで対処する必要があるのはどの割り当てかを見つけるのが難しい場合があります。
割り当ての推奨事項を確認し、対処する
サービス上限 Recommender は、過去 30 日間のレート、数量に基づく割り当ての使用状況をすべて分析します。30 日間の特定の時点で使用率が現在の上限の 80% に達した場合、推奨事項が生成されます。
推奨事項内では、サービスと割り当ての名前、過去の観察期間における使用のピーク、現在の割り当ての最大値を確認できます。そこから、推奨事項を解決する方法として次のいずれかを検討できます。
割り当て使用量を減らすかモニタリングする。API 呼び出しを減らす、リソースをシャットダウンする、作業スケジュールを変更する、あるいは作業を別のリージョンに再分配することができます。Active Assist にはさまざまな放置 / アイドル状態に関する推奨事項もあり、不必要にリソースを使用しているソースの特定に役立ちます。推奨事項は、過去 30 日間にしきい値に達したことが検出されるまで維持されます。推奨事項のモニタリングを継続するか、Cloud Monitoring のアラート ポリシーを通じてリアルタイム アラートを設定できます。
割り当てのオーバーライドが有効になっている場合は、それを削除するか上限を増やす。オーバーライドを削除する権限がない場合は、組織の管理者に問い合わせる必要があります。
割り当ての増加をリクエストする。割り当ての増加は、保証されるものではなく、利用可能なリソースや、Google Cloud を使用している期間などの条件に応じて判断されます。
推奨事項を却下する。割り当ての使用率が高いことが問題ではない場合は、推奨事項を却下し、より重要な上限を優先できます。
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Google Cloud のソリューション エンジニアリングは、過去に割り当てモニタリング ソリューションについてお知らせしています。これは、お客様が Google Cloud にデプロイして、複数のプロジェクト、フォルダ、組織にわたり、割り当ての使用状況を一元的にモニタリング、追跡できるオープンソースのソリューションです。新しいサービス上限 Recommender はこのソリューションを補完し、インテリジェンス レイヤとプロアクティブな GCP 管理の推奨事項により、上限に近づいている割り当ての確認と対処を行うよう促します。現在の割り当て情報は、Google Cloud コンソールを使用して割り当てのページで、または gcloud コマンドライン ツールを使用して、いつでも確認できます。
推奨事項を活用してみる
サービス上限の分析情報や推奨事項は gcloud、Recommender API、Google Cloud コンソールのおすすめハブからアクセスし、プロジェクトで利用可能な推奨事項をすべて確認できます。推奨事項を確認するには、適切な IAM 権限が必要です。
推奨事項を BigQuery に自動でエクスポートしたうえで、データポータルや Looker で推奨事項を調査することもできます。これにより、潜在的な割り当てのボトルネックを組織レベルで把握し、会社の既存のモニタリング ソリューションやワークフローに統合することが簡単になります。
サービス上限 Recommender が割り当て管理のお役に立てば幸いです。Google Cloud は、今後もお客様のエクスペリエンス改善に取り組んでいきます。フィードバックなどは、active-assist-feedback@google.com までお気軽にご連絡ください。また、開発された新機能をいち早くご利用いただくには、Active Assist Trusted Tester Group にご登録ください。
- プロダクト マネージャー Sharon Fang