コンテンツに移動
インフラ モダナイゼーション

移行をご検討中のお客様必見!Next ‘23 から移行に関する主要なニュースのご紹介

2023年9月15日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/GCN23_GE_BlogHeader_2436x1200_8.max-2500x2500.png
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 9 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

今となっては当然のことかもしれませんが、企業のクラウドへの移行は増加しています。一部のアプリケーションであろうとデータセンター全体であろうと、移行は進んでいます。企業が移行する理由はあまり明らかではありませんが、どの事例にも似たテーマがあります。移行の理由は多くの場合、あらゆるビジネスの目標と制約に基づいて、費用削減、アジリティの向上、セキュリティの改善、コンプライアンスの強化、イノベーションの加速、新しい AI テクノロジーの採用などを組み合わせたものです。Google Cloud の目標は、それがどのような難題であっても、お客様の問題解決を支援することです。

Google Cloud のお客様で、Keurig Dr Pepper 社シニア バイス プレジデント(SVP)/ CIO の John Gigerich 氏は、共同アプローチを次のように端的に説明されています。「Google Cloud は、柔軟性と安定性によって、イノベーションの促進とビジネス継続性の確保に必要となる重要なビジネス アプリケーションをサポートしてくれる真のパートナーです。Google Cloud への移行はシームレスで、Keurig Dr Pepper としての合併後の統合とモダナイゼーションの取り組みにおける重要なプロジェクトでした。」

お客様の移行を引き続き支援するために、今週の Google Cloud Next ‘23 で行われた、これまで以上に迅速、簡単、シームレスな移行に役立つエキサイティングな発表をいくつかご紹介します。

最適化された高速移行プログラム(RaMP)

Google Cloud は長年にわたって高速移行プログラム(RaMP)を提供してきましたが、この 12 か月間で、以前よりもさらに包括的でシームレスなものに改良(あるいは再 RaMP)しました。まず、以下で説明する 5 つの重要なベスト プラクティスをもとに、プログラムを更新しました。

  1. 説得力のあるビジネスケースの定義

  2. 学習計画の策定

  3. Cloud Center of Excellence」(CCoE)チームの結成

  4. 適切なプログラム ガバナンスの実践

  5. 明確に定義された一連の目標の追跡

これらの 5 つのベスト プラクティスに基づくことで、企業は成功の可能性を最大限に高めることができます。Google Cloud は経験上いかに初期段階が困難であるかを知っているため、多くの機能を追加することで、より迅速、スマート、簡単な初期計画を可能にしています。このたび、成果主導型の移行戦略を構築する第一歩として、RaMP 向けの Cloud の機能評価(CCA)を発表する運びとなりました。簡単なオンライン評価により、お客様が移行のどの段階にいるのかを判断し、ビジネス、運用、テクノロジーの各分野において、Google Cloud への移行を成功に導く具体的なアクションを特定します。これが移行計画を早期に推進する近道です。

次に、Google Cloud に移行するすべてのお客様がフィールド チーム、プロフェッショナル サービスチーム、パートナー チームと連携して活用できる詳細な移行計画ダッシュボードを構築しました。このダッシュボードは、お客様のビジネスケースの構築、関係者の連携の促進、スキルギャップの評価と解消に加えて、プロセスの合理化やテクノロジーの準備を支援します。

ワークロードに優先順位を付けて、移行戦略によって「移行ウェーブ」に分けた後、財務、セキュリティ、コンプライアンスが適切に管理されたランディング ゾーンを作成します。使用するツールを評価したら、トレーニングとイネーブルメント計画を実行、CCoE を確立、OKR を設定、適切なパートナーを選択し、絶えず移行を管理します。

移行センターで必要なすべてのツールをまとめる

適切なプロセスは移行の成功に不可欠ですが、計画と移行に使用するツールも欠かせません。そして、それらを 1 か所に統合することで成功が促進されます。

また、RaMP のツール部門では、移行センターの一般提供を発表しました。これは、Cloud コンソール内の統合サービスで、現在のオンプレミスまたはクラウド環境から Google Cloud へのエンドツーエンドのクラウド移行を加速させます。移行センターは、お客様がツール、ベスト プラクティス、データドリブンな規範的ガイダンスにアクセスする場所を提供することで、ビジネスケースの開発、環境の調査、ワークロードのマッピング、移行の計画、財務分析、基盤の設定、移行の実行をサポートします。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Migration_5mwtO6H.max-2000x2000.jpg

移行センターは、あらゆる在庫データをお客様の Google Cloud プロジェクト内で実行、保存します。つまり、お客様はデータとそのアクセス権を完全に管理できます。また、移行センターは Google のセキュリティおよびプライバシー ポリシーに準拠しており、何より無料で使用できます。

移行センターの新機能として、検出評価ツールが統合され、お客様の既存 IT 環境の正確な把握が迅速かつ容易になりました。お客様の IT 環境内の各システム(vCPU、メモリ、ストレージなど)に関する詳細な情報に基づいて、正確な移行計画と予算見積もりを作成できます。移行センターはデータドリブンな移行とモダナイゼーションのオプションを提供し、お客様の選択に基づいて、完全な総所有コスト(TCO)レポートを生成します。

迅速かつ徹底的な調査と評価は移行を成功させるもう一つの鍵です。Google Cloud のお客様である Viant Technology 社 CIO の Linh Chung 氏は次のように述べます。「600 台の仮想マシン(VM)、200 TB 以上のデータ、80 以上の MSSQL データベース、100 台の物理サーバーからなる複雑な環境をオンプレミスからクラウドに移行するのに 6 か月を見込んでいました。Google Cloud は、高速移行プログラム(RaMP)によって調査と評価を行い、24 時間以内に移行計画の概要を提示しました。さらに、移行する必要がある VM と、オフにできる VM を判断することで、費用や冗長性を削減できる場所まで特定できました。」

Google Cloud VMware Engine で VMware ワークロードを有効にする

vSphere ワークロードを利用している場合、Google Cloud VMware Engine(GCVE)は Google Cloud ネットワーク、コンソール、ID 管理とシームレスに統合できます。これにより、複雑な企業のトポロジを Google Cloud に迅速かつシームレスに変換できます。ADT 社のクラウド サービス担当 IT ディレクターである Alex Bingham 氏は次のように述べています。「データセンターをオンプレミスから Google Cloud に 90 日以内に移行し、アプリケーションの開発と管理におけるアジリティを高め、費用を削減して、イノベーションを継続しています。」

そのため、Google Cloud は GCVE のグローバル プレゼンスを拡大し続けて、18 リージョンに増やしました。過去 1 年で、イタリアのトリノ(europe-west12)、サンティアゴ(southamerica-west1)、デリー(asia-south2)などのロケーションの提供を開始しました。

また、次世代 VMware Engine ネットワーキングに加えて、第 3 世代 Intel® Xeon® スケーラブル プロセッサ(以前のコードネームは Ice Lake)搭載の新しい柔軟な ve2 ノード プラットフォームのプレビュー版を発表したばかりです。これにより企業は、ネイティブ VPC ピアリングに移行し、上限を増やした複数のピアリング タイプと双方向の Cloud DNS インテグレーションを可能にすることで、複雑なネットワーキング アーキテクチャをクラウドに移行しやすくなります。

DMS コンバージョン ワークスペースによる Oracle ワークロードのモダナイゼーション

データベースはアプリケーション スタックの中核であり、多くの以前の環境が Oracle データベースを基盤としています。Google Cloud は、お客様のモダナイゼーション プロジェクトの多くに、高額な以前のデータベースからオープンソース ベースの代替データベースへの移行が含まれていることを理解しており、これらの移行を簡素化および自動化するツールセットに投資してきました。

Next ‘23 では、Oracle から PostgreSQL への移行を簡素化する統合コンバージョン ワークスペースを備えた Database Migration Service の新しいメジャー バージョンのプレビュー版を発表しました。このワークスペースでは、スキーマとコード変換やデータ移動などのプロセスの全手順についてご案内し、多くの Oracle オブジェクトを自動的に変換できます。プロセスが終了すると、お客様のデータを完全にコピーした PostgreSQL ベースのクラウド データベースが完成します。

また、Database Migration Service の Duet AI が、「ラスト ワンマイル」と呼ばれる最も困難なスキーマとコード変換の問題をどのように解決するかも説明しました。データベース スポットライト セッションをご覧いただき、AI ベースの自動データベース移行の未来を覗いてみてください。これまではクラウドに移行できなかった以前のデータベースから脱却できるかもしれません。

Storage Transfer Service のイベント ドリブン転送機能

Storage Transfer Service(STS)は、Google Cloud、Amazon、Azure、オンプレミスなどのオブジェクトおよびファイル ストレージ間でデータを迅速かつ安全に転送するためのマネージドな方法を提供します。Google Cloud Next ‘23 で、STS に関する 2 つのエキサイティングなリリースを発表できることを嬉しく思います。  

1 つ目は、STS でイベント ドリブン転送の一般提供サポートが始まったことです。これは AWS S3 から Google Cloud Storage に向けて、および複数の Cloud Storage バケット間でデータをコピーする、サーバーレスのリアルタイム レプリケーション実行機能です。この新しいサポートにより、イベント ドリブン転送では AWS S3 から Cloud Storage へ数分でデータを配信できます。これによって、マルチクラウド分析パイプラインの構築が迅速化、簡素化されます。

さらに STS は、オンプレミスの Hadoop 分散ファイル システム(HDFS)ソースから Cloud Storage へのペタバイト規模の容易なデータ転送をサポートします。これは現在、Trusted Tester 向けに提供されており、今後数か月間で一般公開される予定です。

SAP ワークロードを Google Cloud に確実に移行する

お客様からよくいただく声として、SAP ワークロードの移行先に Google Cloud を選択する理由は Google Cloud が提供する信頼性の高い優れたインフラストラクチャとアプリケーションを安全に管理できる機能である、というものが挙げられます。このような取り組みの一環として、今週の Next ‘23 では、SAP HANA を駆動するメモリ最適化 VM について、業界トップクラスである 99.95% の単一インスタンス SLA を発表しました。

最新の発表の一つである SAP 費用見積もりツールは、移行センターに直接統合されています。これは、SAP アプリケーションの典型的な Infrastructure as a Service(IaaS)部品構成表に基づいて、事前定義されたサイズ(X-small、Small、Medium、Large、X-Large)の SAP デプロイの費用を決定するのに役立ちます。SAP 費用見積もりツールは、初期費用を提示することで、Google Cloud で SAP インフラストラクチャを実行する費用に関する有益な分析情報を提供します。

また、SAP ワークロードの安全性とモダナイゼーションを強化する Google Cloud Workload Manager の新機能も発表しました。Workload Manager の公開プレビュー版で利用可能になった SAPセキュリティ検証は、SAP 固有のインフラストラクチャとアプリケーション レベルのセキュリティ チェックを提供します。さらに、公開プレビュー版で利用可能なガイド付きデプロイ自動化サービスは、カスタム自動化コードを生成し、S/4HANA へのモダナイゼーションを簡素化します。

また、ABAP SDK for Google Cloud により、Google Cloud への移行と Google Cloud 上での実行について SAP 開発者の利便性が高まりました。これは、SAP と Google Cloud サービス間の双方向リアルタイム拡張機能を提供します。この SDK を活用すると、開発者は容易に SAP アプリケーションを Vertex AI、Document AI、Translation AIPub/Sub などの Google Cloud サービスと統合できます。

パートナーとともに移行を実現

どんなに大規模な組織でも、一人でモダナイゼーションを進めたい人はいません。クラウドへの移行を成功させるには、さまざまな分野のスペシャリストを活用したグループで取り組む必要があります。RaMP の一環として、Google Cloud 認定資格であるデータセンターのモダナイゼーション スペシャリストとクラウドへの移行スペシャリストのいずれか(または両方)を取得したパートナーのみに協力してもらいます。RaMP に関するフィードバックは、以下のように軒並み好意的であることを大変嬉しく思っています。

先日、RaMP の最初のパートナーとして Wipro FullStride Cloud Studio 社が選ばれたことを発表しました。Wipro FullStride Cloud 社グローバル責任者の Jo Debecker 氏は次のように述べています。「この新しいパートナーシップは、Google Cloud との強力で価値の高いコラボレーションを証明するものであり、両組織は迅速で費用対効果の優れたクラウド移行に加えて、モダナイゼーションと変革サービスを実現します。」

SADA 社の最高技術責任者である Miles Ward 氏は次のように語っています。「移行は、技術的な面だけでなく、人間関係や期待、ビジネス上の依存関係の面でも、非常に複雑なものです。2 者の関係を整理するだけでも十分に大変ですが、私たちは常に 3 者以上の関係を扱っています。RaMP の一貫性のある構造で、すべてのチームにわたる予測、準備の統一、調整を行うことで、真に効率性が上がり、厳密さにかかる費用を抑えられます。」

また、パートナーである Slalom 社の Google Cloud プラクティス担当マネージング ディレクター Christophe DeMoss 氏は次のように話しています。「RaMP のおかげで共通の言語と手法を迅速に標準化できたことは注目に値します。Slalom 社には独自の実証済みの手法である BTEG(Google Cloud によって実現するビジネス変革)がありましたが、RaMP には移行を成功させるための同じ要素が含まれていました。今では、私たちは Google アカウント チームと同じ言語を話し、一つのチームとなって顧客の移行の速度と品質を最適化しています。現在、『Amped on RaMP』プログラムを通じて、すべての移行プロジェクトに RaMP をデプロイしています。」

これらのトレーニングを受けて認定されたパートナーを活用すれば、RaMP プログラムを使用して移行をガイドする能力について、疑問や疑念を抱くことはないでしょう。これには、計画、費用の見積もり、評価、基盤の構築、目標の設定と追跡などの支援が含まれます。これらの信頼できるパートナーにお任せください。また、RaMP によって、お客様に合ったパートナーを容易に見つけることができます。これを読まれているパートナーの皆様や、RaMP プログラムへの参加に関心をお持ちのお客様は、パートナー マネージャーまたはパートナー アドバイザーにご連絡ください。Google Cloud がお手伝いいたします。

まとめ

Google Cloud Next ‘23 での素晴らしい発表の一部をご紹介しました。クラウドへのワークロードの移行をご検討中の場合、Google Cloud の高速移行プログラムは最適なソリューションです。また、Google Cloud は、アプリケーションとワークロードのパフォーマンス、信頼性、セキュリティ、費用対効果の向上に役立つさまざまなサービスや機能を提供しています。詳細については、RaMP または移行センターをご覧ください。すでに準備ができている場合は、こちらをクリックして、お客様の現在の IT 環境の無料の調査と評価を開始できます。


- 移行 / ISV / マーケットプレイス担当バイス プレジデント Stephen Orban
- コンピューティング プロダクト管理ディレクター Nirav Mehta

投稿先