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Google Cloud

変革クラウドによる将来の再改革

2021年5月20日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 5 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2020 年を思い返してみると、多くの課題とともに再改革もあったと感じます。子供たちの教育の方法の再改革。医療専門家による診療方法の再改革。お客様がプロダクトを購入する方法の再改革。これらの再改革は、テクノロジーによって何が可能となるかについてビジョンを持つ、全世界のすべての IT リーダーにより実現しました。

テクノロジーにより、人々は普段の場所以外で安全に作業し、重要な作業を完了できるようになりました。しかし同時に、人々が共同作業する方法、ビジネスの運用方法、そして最も重要な点として、組織が革新する方法において、過去には見られなかったような方法で変革を実現しました。

変革の意味するものについての再検討

この時代においてイノベーションを加速させている組織を示す主要な兆候は、その組織が変革についてどのように考えているのかです。このような組織は、アプリやサービスをどこで実行するべきかというインフラストラクチャの質問をする代わりに、すべての人々、プロセス、テクノロジーの適合を可能にし、ビジネスで最高レベルのイノベーションを実現するような環境をどのようにして構築するのかという、変革に関する質問をします。

革新的な企業は、データセンターをクラウドに移行することに留まらず、ビジネスの行われる場所だけでなく、より重要な要素として、どのように行われるのかを変更しようとしています。たとえば、Papa John’s はビジネス全体のデータをリアルタイムで監視し、ポイント プログラム、ウェブサイト、およびお客様とパートナーのエクスペリエンスを改善するデジタル プラットフォームを構築中であることを最近公表しました。Albertsons Companies はショッピングできるマップ、AI による会話式コマース、予測型の食料品リストの構築を利用し、デジタルと物理的な店舗の両方で食料品のショッピングを一新することで、自社の変革を試みています。Airbus は、自社の作業環境の構想を一新し、ハイブリッド作業環境を採用しています。また、Siemens は Google Cloud と提携して、AI を活用する工業生産を一新し、従業員の能力の拡大、必須タスクの自動化、製品品質の向上を目指しています。

ここでは、自社のお客様向けの新しいイノベーションを可能にするテクノロジーと、インフラストラクチャをどこで運用すべきかについての決定により、変革が可能となっています。そして、これは Forrester による最近の調査の結果として得られた、今後 12 か月における最も重要な IT イニシアチブは、革新の増加と、従業員が自分たちの職務をより的確に果たすため役立つテクノロジーへの投資の 2 つであるという結論にも合致しています。[1]

私とお客様との対話では、次の目標を達成する方法が中心となりました。

  • 変革を加速しながら、同時に市場の要求に適応できる自由度を維持する。

  • データ サイエンティストから販売員まで、すべての従業員がリアルタイムのデータを使用して、より的確な決定を円滑に行えるようにする。

  • 人々が直接対面できないときでも互いに結び付け、連絡、共同作業、共有を可能にする。

  • 自社に重要な人員、お客様、自社データ、お客様のデータ、および自社で行う各トランザクションのすべてを保護する。

このようなお客様の新しい思考から、テクノロジーの新しい要件が推進されつつあります。これらの要件は、変革クラウドによって解決が可能です。変革クラウドは、アプリとインフラストラクチャのモダナイゼーション、データの民主化、人々のつながり、信頼できるトランザクションを通じて、組織のデジタル トランスフォーメーションを促進します。その結果、組織と従業員はクラウド コンピューティングのすべてのメリットを活用して、イノベーションを推進できるようになります。

イノベーションの新しい要件

組織は、複数のクラウド プロバイダと協力することで、各アプリやサービスについて最良のテクノロジーを選択するとともに、不可避なクラウドの停止やベンダーへの囲い込みを軽減することを希望しています。これらの組織は、オープンソース ベースのソリューションの柔軟性を重視しており、自社のイノベーションを自由化し、差別化されたカスタマー エクスペリエンスを推進するため、Google Kubernetes Engine や Anthos などのマルチクラウド プラットフォームを検討しています。最近 Google からの委託で IDG により行われた調査で、グローバルな IT リーダーの 78% が、クラウド プロバイダを選択するときにマルチクラウドやハイブリッド クラウドのサポートが重要な考慮点であると回答し、74% がオープンソースのクラウド ソリューションを好むと回答したのは、驚くにあたりません。[2]MLB、DenizBank、Macquarie Bank などのお客様は、マルチクラウド戦略の必要性を理解しており、Google Cloud のオープンなハイブリッド アーキテクチャの利点を活用して、自社のビジネスを希望する方法、希望する場所で可能な限り柔軟に運営できることを求めています。

これらの組織は、データを使用して自社のお客様の理解を深め、自社製品を拡充して在庫の正確性を改善し、リアルタイムでの決定を実現すること、また、これらのすべてをデータクラウドとして結合することも求めています。そして、分析ソリューションにより、すべての従業員に対してデータへのアクセスがどのように民主化されるか、将来を予測して自動化するために組み込み AI がどのように役立つかも重視しています。上述した Forrester の調査では、意思決定をより的確に行うためデータの使用を改善することに注力している会社は、データのセルフサービス能力を改善し、データや見識へのアクセスをより民主化するための活動を進めていることも示されています。[3]Twitter、PayPal、The Home Depot、HSBC、Stanford Medicine などのお客様は、組織全体でデータを統合し、AI 主導のより深いビジネス見識、リアルタイムでのより的確な決定、データドリブン アプリケーションのビルドと実行を推進しています。

ここに見られる変革の多くはテクノロジーにより主導されていますが、組織の人員により主導されているものも多く存在します。従業員は人々の関係を強化、人材の影響を深化、お客様に奉仕するとともに、作業のやり方を変革する新しい方法を見つけ出しつつあります。これは、IDG の調査で 59% の組織が 2020 年中にリモート作業や共同作業の能力を新たに導入または加速したという事実に示されています。[4]Kia Motors、Cambridge Health Alliance、PwC などのお客様は、Google Workspace を使用してあらゆる規模のチームがデバイスと場所を問わず、接続、作成、共同作業、そしてイノベーションの推進を行えるようにしています。

最後に、すべてのデジタル トランザクションに見られるイノベーションは、ビジネスを保護し、セキュリティを保証する新しい方法と一致しています。組織は自社の従業員、お客様、パートナーを新しい脅威から保護し、膨大な量のデータを分析してインフラストラクチャのセキュリティを保護し、自社のアセットを場所にかかわらず戦略的に管理するための長期的な戦略を構築することを求めています。これらの組織は、イノベーションを妨げる最大の問題点がセキュリティであるとみなしているため、これらの目標を的確に実現することは不可欠です。[5]Equifax や Evernote などのお客様は、Google Cloud のセキュアなプラットフォームとセキュリティ プロダクトを使用して、自社システムが運用される可能性があるすべての場所でお客様からの信頼を拡大しています。

Google Cloud のテクノロジーはすでにお客様の変革クラウドを動かしています

Google にとってはお客様の再改革を支援するのが最優先で、お客様との協力により将来への道が拓けるものと確信しています。Google はマルチクラウドや AI / ML、持続可能なインフラストラクチャ、産業用ソリューション、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)ワクチンの配布などコミュニティを改善するテクノロジーに投資しており、Google のお客様が自社のビジネスのデジタル トランスフォーメーションを行うため、Google Cloud ソリューションが信頼を得ていることを誇りとしています。

Google は、5 月 26 日の Data Cloud Summit を皮切りに、今後数か月に多くの発表を予定しています。このイベントと、この夏に開催される他のいくつものイベントとの間に、Google の業界リーダーシップや、Google パートナーとの共同作業により、お客様が自社の継続的な再改革を支える強力な変革クラウドがどのように構築可能になるかについて、発表が行われます。

- Google Cloud グローバル カスタマー オペレーション部門プレジデント Rob Enslin


[1] Forrester Analytics Business Technographics® Priorities And Journey Survey、2021 年

[2] IDG Communications, Inc: 「No Turning Back: How the Pandemic Has Reshaped Digital Business Agendas」、2021 年

[3] 意思決定においてデータを優先度付けする会社の 37% はデータのセルフサービス能力を強化しており、30% はデータや見識へのアクセスをより民主化しています(Forrester Analytics Business Technographics® Priorities And Journey Survey、2021 年)

[4]IDG Communications, Inc、「No Turning Back: How the Pandemic Has Reshaped Digital Business Agendas」、2021 年

[5] 組織の 33% は、イノベーションの妨げになる最大の問題点はセキュリティのリスクと懸念であると回答しています(IDG Communications, Inc、「No Turning Back: How the Pandemic Has Reshaped Digital Business Agendas」、2021 年)

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