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Public Sector

回復への道: 米国で COVID-19(新型コロナウイルス感染症)ワクチンを大勢の人に届けるために Google Cloud が行っている支援

2021年3月30日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 3 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

米国の州政府と地方自治体はパンデミックの初期段階から、失業扶助や COVID-19 の検査などの不可欠なサービスを居住者に提供するために役立つテクノロジーを活用してきました。現在、州政府と地方自治体の指導者の焦点は、大規模なワクチン接種計画を通じて大勢の人にワクチンを提供することに移ってきています。Google Cloud は 2 月に、大勢の人にワクチンが迅速かつ効率的に行き渡るようにするという課題にコミュニティが対処できるよう支援する Intelligent Vaccine Impact ソリューション(IVIs)を発表しました。

多くの州が IVIs を導入して、このソリューションが需要を満たし、既存のテクノロジー インフラストラクチャと簡単に統合できることを確認しました。一部の州や地域では、Google Cloud がワクチンの情報、接種スケジュール、配布、分析をサポートしています。また、その他の州では、複数のワクチンサイトからのデータの共有や分析を可能にしたり、重要な指標を各ワクチンサイトに提供したりするといった課題を解決しています。Google Cloud は、アリゾナ州、マサチューセッツ州、ノースカロライナ州、オレゴン州、バージニア州など、米国の複数の州と提携して、ワクチン接種の取り組みを大規模にサポートしています。

アリゾナ州住民のワクチン接種をサポート

2020 年 12 月に、アリゾナ州公衆衛生局は Google Cloud および Google Cloud パートナーの MTX と提携してエンドツーエンドのワクチン管理配布システムを構築し、同州の 400 万人の住民が COVID-19 ワクチンの接種日程を予約できるようにしました。Google Cloud はわずか数週間で一元的なソリューションを作成し、アリゾナ州の郡や部族がワクチン投与プロセスの管理とモニタリングを一貫して行えるようにするダッシュボードの情報を提供しました。また、同州の保健所は予測分析を活用することで、新型コロナウイルスの軌跡やその他の感染病の流行を予測できています。

今日現在で、アリゾナ州はワクチンを 260 万回投与し、Google Cloud システムは約 150 万の予約を処理しました。実際に、サイトを公開してから最初の 2 時間でシステムは 15 万件の予約を処理し、住民の需要に合わせられるスケーラビリティを備えていることを証明しました。

ワクチン接種の取り組みを強化するマサチューセッツ州を支援

3 月中旬に、Google Cloud はマサチューセッツ州と契約して新しいワクチン接種事前登録システムのリリースを支援し、ワクチン接種の取り組みを迅速に進められるようにしました。新たに導入されたシステムでは、居住者が個人情報、連絡先情報、接種資格をオンライン フォームにすばやく入力できます。最寄りのワクチン接種会場にて予約が可能になると、テキスト メッセージ、メール、またはボイスメールで通知が送られます。

この新しい事前登録システムにより、ユーザーは予約可能なマサチューセッツ州のワクチン接種会場を探すために検索を繰り返さなくて済みます。また、Google Cloud は順番待ちリストも作成しました。同州はこのリストを使って事前に通知や毎週のステータス更新情報を送り、事前登録済みであることがユーザーにわかるようにしました。これにより、居住者は適切に登録できているという安心感を得られます。予約が可能になると、事前登録システムからユーザーに予約リンクが送信されます。希望する予約時間を選択できる猶予は 24 時間です。ユーザーが予約時間を決めなかった場合、システムは次の順番になっている居住者に自動的に通知します。事前予約システムをリリースした初日に 40 万人以上の市民がワクチン接種を事前登録し、最高で 1 秒間に 19 件の事前登録が処理されました。

ノースカロライナ州でワクチン情報の配信を合理化

1 月下旬に、ノースカロライナ州とノースカロライナ州保健福祉省は、Google Cloud と提携してオンライン ツールを開発していることを発表しました。これは、ノースカロライナ州住民が COVID-19 ワクチンの接種資格があるかどうかを確認し、最寄りのワクチン接種機関を探せるようにするツールです。

地元住民は Find My Vaccine Group サイトにアクセスして職業、年齢、その他のリスク因子に関する一連の質問に回答し、自分がどのワクチン グループに属するかを確認できます。また、同州内のワクチン接種機関を探せるようにする Find a Vaccine Location サイトも導入されました。このサイトは、Google Maps Platform API によってユーザーが郵便番号、現在地、現在の地図表示で検索できるようになっていて、利用可能なワクチン接種機関に関する最新情報が定期的に更新されます。現在までに、200 万人以上のノースカロライナ州住民がこれら 2 つのサイトを活用していて、今後展開されていくワクチン接種によって利用の増加が予測されています。

オレゴン州住民のワクチン接種率拡大を支援

2 月に、ワクチン接種対象者を増やす準備を整えたオレゴン州は、住民に効率よく通知するための方法を必要としていました。オレゴン州保健省(OHA)は Google Cloud および SpringML と提携して、Get Vaccinated Oregon を作成しました。これは、オレゴン州でのワクチン接種率を上げるために役立つ、ワクチン接種の適格審査とスケジュール設定を行えるソリューションです。オレゴン州住民は自身と家族のオンライン プロフィールを作成して、ワクチン接種資格があるかどうかを確認し、資格ステータスが変わったらプッシュ通知を受け取ることができるようになりました。

また、OHA と Google Cloud は地域の医療機関と提携して、地域コミュニティで開催される大規模なワクチン接種に関する情報を共有できるようにしました。コミュニティ内で接種資格を持つオレゴン州住民には、ワクチン接種イベントが開催されること、予約可能であることを知らせる通知が自動的に送信されます。現在までに、40 万人以上のオレゴン州住民が接種資格と地域で実施されるワクチン接種に関する通知を受け取るための登録を済ませています。

バージニア州のワクチン管理を一元化

2 月に、バージニア州保健省(VDH)は COVID-19 ワクチン事前登録キャンペーン、Vaccinate Virginia を開始しました。当初、バージニア州のそれぞれの自治体は COVID-19 ワクチンの事前登録データ収集システムを個別に実装していたため、州全体における優先接種対象者やワクチンの割り当ての把握が難しくなっていました。VDH は自動スケーリングと耐障害性を備えたプラットフォームを必要としていたため、その作成を Google Cloud とそのパートナー企業である SpringML に依頼しました。VDH からは、各参加自治体のユーザー全員が中央サイトを検索することで、その自治体の情報をシステム内で確認できるよう、収集済みの全データをインポートできるようにすることも求められていました。プラットフォームの構築からテスト、リリースまでのすべてを、数週間ではなく数日で完了する必要がありました。

現在、バージニア州の人口は 800 万人で、居住者と同州で働く非居住者を併せて 100 万人以上がワクチン接種対象者となっています。リリース日に 18 万人以上が事前登録し、その数は最初の 24 時間で 20 万人以上に増えました。リリース後 1 週間で、同州のシステムには 40 万人以上が事前登録しました。2 月末までに、190 万件分のデータが新しいシステムに登録され、すべて Google Cloud の IVI で管理されています。

安全で健康な世界への復興

Google Cloud は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止し、大勢の人にワクチンを迅速に届けるために Google Cloud ができる役割を果たせるよう取り組んでいます。皆様の安全と健康の実現をサポートするために必要な、スケーラブルで安全なインフラストラクチャやアプリケーション、サービスを提供できるよう、引き続き、州政府、地方自治体、保健省、医療機関と協力してまいります。すべての人がワクチンを接種し、COVID-19 が過去の遠い記憶となる日が来ることを願っております。

-Google Cloud CEO Thomas Kurian

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