Google Cloud Platform

AI Platform と AutoML で、AI の導入がより簡単に

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この記事は Rajen Sheth による Cloud Blog の記事 "Expanding Google Cloud AI to make it easier for developers to build and deploy AI" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。


複雑なビジネス上の課題を AI で解決しようとする企業は、年々増加しています。AI の用途は、需要予測、機器の定期メンテナンス時期の予測、カスタマー エクスペリエンスの向上など、さまざまです。しかし、用途にかかわらず共通することがあります。それは、AI 導入の実現には、それを支える手段が必要ということです。

Google は、シンプルですぐに使え、かつ企業にとって導入しやすいシンプルな AI ソリューションの提供を目標としてきました。これは同時に、デベロッパーやデータ サイエンティスト、データ エンジニアが機械学習モデルを構築してデプロイする作業をシンプルにすることでもあります。

先月、サンフランシスコで開催された Cloud Next '19 では、その実現に向けたいくつかのサービスがリリースされました。AI サービス開発のための統合プラットフォーム「AI Platform」や、カスタム ML モデルの構築やデプロイがボタンひとつで可能になる「AutoML」の新機能です。以下では、そのいくつかを紹介します。

  • AI Platform(ベータ版)
  • AutoML Tables(ベータ版)
  • AutoML Video Intelligence(ベータ版)
  • AutoML Vision
  • AutoML Vision Edge(ベータ版)
  • 物体検知(ベータ版)
  • AutoML Natural Language
  • カスタム エンティティ抽出(ベータ版)
  • カスタム感情分析(ベータ版)

AI Platform:AI サービス構築のための統合プラットフォーム

AI 開発プロジェクトに取り組む企業は、非構造化データの取り扱いや、チーム間の連携、複雑なデプロイなど、さまざまな問題に直面します。これらすべてを一か所に集約し、ML(機械学習)開発のための連携作業を簡単に実現できる環境が必要です。

これを解決するのが AI Platform です。AI Platform は ML 開発のための統合プラットフォームで、複数のチームが同じ環境を共有しながら ML 開発プロジェクトの準備、構築、実行、管理が可能です。デベロッパーもデータ サイエンティストもデータ エンジニアも、Cloud Console 内の同じダッシュボード上で連携しながら、モデルの共有、学習、ワークロードの分散化が可能です。

AI Platform では、ストリーミング データやバッチデータの取り込みをはじめ、AI ビルディングブロック を利用したデータ分類や画像物体検知、エンティティ抽出などの ML 適用、そして AutoML と Machine Learning Engine (AI Platform の一機能として統合)を利用したカスタム ML モデルの学習とデプロイまで、すべてを一か所で実現できます。さらには、人手による ラベリング サービスを使って学習データ(イメージ、動画、オーディオ、テキストなど)へのラベル付けも可能です。

また今回リリースされた AI リポジトリ、AI Hub を利用すれば、ML ソリューションを実装したパイプライン定義や、サンプルコードの Notebook、その他の教育コンテンツをクリックひとつで AI Platform 上に取り込み、実行できます。オープンソースの ML プラットフォーム Kubeflow を使ってポータブル な ML パイプラインを構築すれば、ローカル、オンプレミス、そしてクラウドと、コードをほとんど変更せずに学習と実行の環境を切り替えできます。
AI Platform の詳細は、ウェブサイトでご覧ください。

AutoML で AI をさらに身近に

今回は、AutoML にもいくつかの新機能が追加されました。

AutoML Tables で構造化データから ML モデルを簡単作成

これまでの AutoML は、画像認識や文書翻訳、文書分類といった非構造化データに対する ML モデル作成を簡単にするものでした。今回ベータ版がリリースされた AutoML Tables をでは、表形式の構造化データからコーディングなしで高精度の ML モデルを構築し、デプロイできます。数回のクリックだけで、BigQuery や CSV ファイルから AutoML Tables にデータを取り込み、ML モデルの学習とデプロイが可能です。これまで専門家による長時間の作業やチューニングを要していたものが、ML の知識のありなしにかかわらず、数時間から数日で済むようになります。データ サイエンティストをはじめ、ML エンジニア、または ML 経験の少ないデベロッパーなど、チームの誰でも簡単にモデルを構築でき、幅広い用途に応用できます。
AutoML Tables についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのブログ投稿をご覧ください。

AutoML Vision がスマートフォンやエッジデバイスで利用可能に

昨年発表した AutoML Vision は、画像認識用のカスタム ML モデルを ML エキスパートでなくても簡単に作れるサービスです。しかし、センサーやカメラなどのエッジデバイスから取得した画像の認識をクラウド側で動作する AutoML Vision で実施すると、ネットワークによる遅延の発生や接続断への対応などの課題が生じます。一方で、ML の実行をエッジデバイス上で直接行うためのモデルの学習や最適化は、そう簡単ではありません。

今回リリースされた AutoML Vision Edge は、エッジデバイス上で動作する高精度かつ低遅延の画像認識モデルの学習とデプロイが簡単に行えるサービスです。
AutoML Vision Edge は、Android や iOS が動作するスマートフォンや Edge TPU に対応します。例えば LG CNS では、AutoML Vision Edge による製造業向けソリューションを構築し、LCD 画面や光学フィルム、自動車用繊維など、組み立てライン上での不良品検知に利用しています。

AutoML Video で動画分類のカスタマイズが可能に

大量の動画を分析して特定の瞬間を探したり、特別なカットを作成したり、内容に基づいて適切に分類したりするのは、時間のかかる作業です。今回リリースされた AutoML Video を使うと、デベロッパーが定義したラベルに基づいて動画コンテンツを自動分類するカスタムモデルを簡単に作成できます。例えば、さまざまな動画データを大量に蓄積している企業では、社内の分類ルールに基づいてコンテンツをすぐに探せるシステムを構築できます。またメディアやエンターテイメント関連企業なら、コマーシャルの自動削除やダイジェスト動画の作成などの作業の簡素化に利用できます。その他、交通パターンの監視や製造プロセスの監視など、ニーズに応じてカスタマイズされた動画分析が可能になります。

これら 3 つの新しい AutoML に加えて、AutoML VisionAutoML Natural Language の機能追加も発表されました。AutoML Vision の物体検知(ベータ版)は、画像内の物体の領域を検知します。また AutoML Natural Language のカスタム エンティティ抽出(ベータ版)は、ドキュメントに含まれる特定用途のキーワードやフレーズ(例えば企業の製品名、医療用語、契約条項など)を検出できます。カスタム感情分析(ベータ版)では、用途に合わせて感情スコアを設定したモデルを作成し、文章に含まれる意見や感想から感情スコアを得られます。

Cloud TPU で機械学習をより高速に

ML 開発のためのインフラの強化も続いています。ML モデルの学習を高速化するために開発された AI プロセッサ Cloud TPU を使うと、より低いコストでの学習が可能です。今回、第 3 世代である Cloud TPU v3 が一般利用可能になりました。また、Google Kubernetes Engine(GKE)でも Cloud TPU が一般利用可能です。GKE を使うことで、ML ワークロードをコンテナ化し、オンプレミスとクラウドのどちらでも簡単に学習や推論を実行できます。また ML の推論向けプロセッサとして、新しい NVIDIA Tesla T4 が 8 つのリージョンで一般利用可能になりました。

すべてがそろったユーザー中心の AI エコシステム

こうした Google の AI プラットフォームの成功には、確かなパートナー エコシステムが不可欠です。Google では、Accenture、Atos、Cisco、Gigster、Intel、NVIDIA、Pluto 7、SpringML、UiPath などのパートナーと連携し、Kubeflow パイプラインの構築や AI Hub の展開を進めています。企業や業界向けの AI ソリューションについてさらに詳しく知りたい方は、こちらのブログ投稿をお読みください。Google Cloud の AI について知りたい方は、ウェブサイトをご覧ください

Reviewed by Kaz Sato - Staff Developer Advocate, Google Cloud