データセンター、ノートパソコン、クラウド、どこでも実行できる AlloyDB
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 3 月 30 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
さまざまな場所に設置されている高価なレガシー データベースを移行することは、依然として企業にとっての最優先課題となっています。Google は昨年、AlloyDB の一般提供を発表しました。AlloyDB は、アプリケーションを変更しないスケーリングを考えている既存の PostgreSQL ユーザーに適した PostgreSQL 対応フルマネージド データベース サービスで、最も要求の厳しいエンタープライズ データベースのワークロードをモダナイズする優れたオプションを提供しています。お客様からは、AlloyDB のパフォーマンスとスケーラビリティについて素晴らしいフィードバックをいただいただけでなく、不親切なライセンス慣行をもつ高価なレガシー データベースから完全に移行することへの高い関心も寄せられました。また、お客様からは、オンプレミス、エッジ、その他のクラウドなど、ワークロードを実行する場所を問わず、完全対応の AlloyDB エディションを導入することで、レガシー データベースのモダナイゼーションを加速させたいという要望がありました。
こうして本日、AlloyDB Omni のテクノロジー プレビューを発表する運びとなりました。AlloyDB Omni は、オンプレミス、エッジ、クラウド、さらには開発者のノートパソコンでも実行できるように設計された AlloyDB のダウンロード版です。高パフォーマンス、PostgreSQL との互換性、Google Cloud のサポートなど、お客様にご好評いただいている AlloyDB のメリットを、レガシー データベースの数分の 1 の費用で提供します。
クラウドベースの AlloyDB サービスの基盤となるエンジンと同じエンジンを搭載しており、クラウドへの移行に際して、レガシー データベースのモダナイズに使用できます。Google のパフォーマンス テストによると、AlloyDB Omni は標準の PostgreSQL と比較して、トランザクション ワークロードで 2 倍以上、分析クエリで最大 100 倍高速です。無料のデベロッパー版は、https://cloud.google.com/alloydb/omni から今すぐダウンロードできます。
レガシー データベースをモダナイズする
多くの企業と同様に、お客様の組織もレガシー データベースから離れて、不親切なライセンス関係、高額な料金、ベンダー ロックインを排除したいとお考えかもしれません。しかし、規制やデータ主権の要件を満たすためにワークロードがオンプレミスのデータセンターに制限されている場合や、小売店などのエッジでアプリケーションを実行している場合があるため、常にご希望の速さで移行できるとは限りません。
お客様からは、クラウドへの足がかりとして、レガシー データベースのパフォーマンスと管理機能を上回るだけでなく、Google Cloud の完全なエンタープライズ サポートも含んだデータベースを使用して、実施済みのモダナイゼーションをサポートする道筋が求められています。
そのため、クラウド プロバイダとしては珍しいことを行うことにしました。すなわち、AlloyDB の最高の部分とハイエンドのエンタープライズ サポート機能の最高の部分を取り入れて、高パフォーマンスのダウンロード版を提供することにしました。これにより、レガシー データベースの数分の 1 の費用で、クラウド ジャーニーの一環として実施するデータベースのモダナイゼーションにご活用いただけます。拡大するサービス カタログの一部として、AlloyDB Omni は、隔離された環境の要件に対応するために Google Distributed Cloud Hosted でも実行されます。
IDC のデータ マネジメント ソフトウェア担当リサーチ バイス プレジデントである Carl Olofson 氏は次のように述べています。「マルチクラウド、ハイブリッド クラウド、エッジ コンピューティングは今後もなくなることはありません。多くの場合、クラウドが最終目的地ですが、多くの組織には、すぐには移動できないワークロードがあるため、エンタープライズ アプリケーションを実行するためのダウンロード可能なクロス プラットフォーム データベースが必要になります。AlloyDB Omni は、プラットフォームの変更を要求するのではなく、お客様がいる場所に合わせて対応できる Google Cloud の素晴らしい取り組みです。高速化されたパフォーマンス、統合された分析エンジン、ML 主導の管理を備えた PostgreSQL 対応データベースは、データベース市場の重要なニーズを満たします。AlloyDB Omni は、定評があり、主要ベンダーによってサポートされ、クラウドと非クラウドのデプロイ オプションを提供するデータベースを探している組織にとって魅力的な選択肢です。」
AlloyDB の最高の部分を、場所を問わずに
AlloyDB Omni には、標準の PostgreSQL と比較して改善されたトランザクション パフォーマンス、分析処理の高速化、自動バキュームおよびメモリ管理、頻繁に実行されるクエリの最適化に役立つインデックス アドバイザーなど、フルマネージド AlloyDB サービスのコア データベース エンジンのイノベーションの多くが含まれています。
AlloyDB Omni インデックス アドバイザーは、サブクエリ、結合、フィルタなど、クエリのさまざまな要素を詳細に分析することで、クエリのパフォーマンスをチューニングする際の当て推量を軽減できるようにします。また、データベースのワークロードを定期的に分析し、インデックスの恩恵を受けることができるクエリを特定し、クエリのパフォーマンスを向上させることができる新しいインデックスを推奨します。
AlloyDB Omni には、より高速なスキャン、結合、集計のために頻繁にクエリが実行されるデータをメモリ内のカラム型形式で保持する AlloyDB カラム型エンジンも含まれています。AlloyDB Omni は ML を使用して、行ベースと列ベースの形式間でデータを自動的に整理し、必要に応じてデータを変換して、列ベースと行ベースの実行プランのいずれかを選択します。これにより、最小限の管理オーバーヘッドで、幅広いクエリに対する優れたパフォーマンスが得られます。
行形式と列形式で自動的にデータを編成する AlloyDB カラム型エンジン。
顧客があらゆる投資可能な資産クラスで先物とオプションを取引している世界有数のデリバティブ取引所である CME Group の最高情報責任者を務める Sunil Cutinho 氏は次のように述べています。「CME Group では、お客様からの非常に高いトランザクション スループットと運用要件に加えて、稼働時間と可用性に対する厳しい要求があります。AlloyDB は、私たちが必要とするパフォーマンスとスケーラビリティを提供してくれます。また、AlloyDB Omni により、モダナイズと Google Cloud への移行を開始できるとともに、お客様のコミットメントを維持し、最もミッション クリティカルな従来のレガシー ワークロードをサポートできます。」
すでに持っているツールとスキルを使用する
利用を開始しやすいように、AlloyDB Omni は、開発者のノートパソコンに簡単にインストールできる非本番環境向けの無料のデベロッパー版を提供しています。アプリケーションを本番環境に移行するときは、どの環境の AlloyDB Omni でも、または Google Cloud の AlloyDB for PostgreSQL サービスでも変更なしで実行できます。必要に応じて、標準のオープンソース PostgreSQL ツールを使用して、データを移行または複製できます。バックアップやレプリケーションなどのデータベース操作には、標準のオープンソース PostgreSQL ツールを使用することもできます。
AlloyDB Omni は標準の PostgreSQL ドライバを使用するため、既存の PostgreSQL アプリケーションはすぐに AlloyDB Omni に対応できます。さらに、AlloyDB Omni は PostgreSQL 拡張機能および構成フラグとの完全な互換性を提供するため、お客様は完全な PostgreSQL エコシステムを活用できます。
AlloyDB Omni が一般提供される際には、Google Cloud が 24 時間年中無休のテクニカル サポートのほか、セキュリティ パッチや諸機能のためのソフトウェア アップデートなど、エンタープライズ サポートをフルにご提供いたしますのでご安心ください。
ご利用方法
AlloyDB Omni をぜひご利用ください。詳細については、ドキュメントをご覧ください。こちらのお申し込みフォームに入力して、テクノロジー プレビューにアクセスすることもできます。また、ダウンロード プロセスの一環として、利用規約に同意する必要があります。AlloyDB Omni は現在、本番環境での使用には未対応である点にご注意ください。皆様からのフィードバックをお待ちしています。
- Google Cloud、データベース担当バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャー Andi Gutmans
- プロダクト マネジメント担当ディレクター Gurmeet(GG)Goindi