AlloyDB for PostgreSQL の一般提供開始を発表
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
2022 年5 月の Google I/O にて、最も要求の厳しいエンタープライズ データベース ワークロードをモダナイズするための強力なオプションを提供する、PostgreSQL と互換性を持つフルマネージド型のデータベースサービス AlloyDB for PostgreSQL のプレビュー版を発表しました。この度、AlloyDB の一般提供を開始したことをお知らせします。
AlloyDB は、レガシーな独自データベースからの脱却を目指す企業や、アプリケーションを変更せず拡張したい PostgreSQL ユーザーにとって最適な選択肢です。PostgreSQL との完全な互換性、Google の強みであるスケールアウト コンピュートとストレージ、統合された分析、AI/ML を活用した管理機能を兼ね備えています。そのため最小限の管理オーバーヘッドで、優れたパフォーマンス、可用性、スケーラビリティの恩恵を受けることができます。
Google Cloud のパフォーマンステストによると、AlloyDB は標準的な PostgreSQL と比較して、トランザクション処理で 4 倍以上、分析クエリで最大 100 倍の高速化を実現できていることを確認しています。また、Amazon の同等の PostgreSQL 互換サービスと比べても、トランザクション処理が 2 倍高速になります。また、メンテナンスも含めて 99.99% の可用性 SLA が設定されており、リージョンごとに高い可用性を期待できます。AlloyDB は、データベースのサイズや負荷状況に関わらず、ほとんどのデータベース障害を 60 秒以内に自動的に検出し、回復します。さらに、ストレージの自動プロビジョニング、アダプティブ オートバキュームなどのオートパイロット システムにより、データベースの管理がこれまで以上に容易になります。高価な専用ライセンスが不要で、不透明な I/O 課金がないため、予測しやすく明朗な価格設定となっています。
2022 年 5 月のプレビュー版発表以降、ハイエンド エンタープライズ アプリケーションのニーズに対応するため、多くの新機能を導入してきました。顧客管理の暗号鍵(CMEK)や VPC Service Controls などの重要なセキュリティ機能を追加し、クロスリージョン レプリケーションのプレビューを発表しました。新しい 2vCPU / 16GB RAM マシンタイプの導入や、pgRouting、PLV8、amcheck などの PostgreSQL 拡張のサポート追加など、構成オプションを拡張しました。AlloyDB の管理を容易にするため、インデックス アドバイザーのプレビューや新たにフリート全体のモニタリングを導入しています。
2022 年 9 月には、使いやすく、安全で、サーバーレスの Database Migration Service による PostgreSQL から AlloyDB への移行のプレビュー版を発表しました。また、AlloyDBとDatastreamの統合により、シームレスな変更データの取得と BigQuery などへのレプリケーションのプレビュー版を発表しました。さらに、パフォーマンス、可用性、レプリケーションの遅延、モニタリングの改善を継続し、お客様のワークロードのニーズにお応えしています。
顧客とパートナーのモメンタム
AlloyDB は、優れたパフォーマンス、拡張性、可用性を備えたデータベースのモダナイズを目指す企業の皆様から、大きな反響をいただいています。プレビューにご参加いただき、有益なフィードバックをくださった皆様には改めて感謝申し上げます。
「美容市場の民主化」を設立理念とし、毎月 10 万人以上の有料会員に美容サービスを提供するブラジルの美容系スタートアップ B4A は、そうした企業の一例です。同社 の CEO 兼創業者である Jan Riehle 氏は、次のように述べています。「パフォーマンス面から AlloyDB を選択しましたが、実際、その結果は素晴らしいものでした。AlloyDB と GraphQL API を組み合わせることで、全ての製品のカタログにかかる分析時間が、以前のデータベースソリューションと比較して、最大 90% 短縮できました。また、AlloyDB のようなフルマネージド ソリューションではメンテナンスが容易であり、この点も高く評価しています。データベースのセットアップと構成は非常にスムーズで、あっという間に終わりました。また、以前使用していたデータベースに比べて、コストを削減することができ、ライセンス費用の支払いに悩むこともなくなりました。」
ロンドンに拠点を置き、クラウド ネイティブなコア バンキング プラットフォームを提供するテクノロジー企業 Thought Machine は、グローバルに展開する銀行をサポートする技術を開発しています。同社の CTO、 Will Montgomery 氏は次のように述べています。「AlloyDB のプレビュープログラムに参加できたこと、そして今回の一般提供開始に伴い、ローンチパートナーになれたことを嬉しく思います。パフォーマンスと可用性に厳格な基準を持つGoogle Cloud Platform 上では、業界の最前線を進むグローバルな銀行のお客様がシステムを稼働させています。AlloyDB は、こうしたお客様に最高レベルのパフォーマンスを提供してくれると確信しています。」
また、Google Cloud は AlloyDB パートナーエコシステムの拡大を発表しました。ビジネス インテリジェンス、高度な分析、データ統合、ガバナンス、可観測性、移行の評価などのニーズに対応するテクノロジー パートナー、およびデータベース移行やその他の実装ニーズに専門的な知見を提供するサービスパートナーなど、合計 40 社以上のパートナー が、AlloyDB ベースの導入を支援します。AlloyDB パートナーエコシステムの詳細については、こちらをご覧ください。
価格について
2022 年 12 月 31 日までFair Usageの範囲内であれば無償で提供しますが、それ以降は通常価格でご提供します。その他の価格情報については、AlloyDB の価格をご覧ください。AlloyDB for PostgreSQL のドキュメントでは、製品の機能、リージョンごとの提供状況、サービスレベル契約(SLA)に関する情報も記載しています。
AlloyDB について
AlloyDB for PostgreSQL の紹介ビデオでは、AlloyDB を利用したアプリケーションの移行、モダナイゼーション、構築の全容をご覧いただけます。また、AlloyDB の基盤となっている技術については「Under the Hood」のブログシリーズでご紹介しているほか、データベース対応のインテリジェンスなストレージでは、コンピュートとストレージの分離を取り上げ、カラム型エンジンに関するブログでは、運用性能に影響を与えずに分析高速化を可能にする、 AlloyDB のベクトル化されたカラム型実行エンジンについて解説しています。
また、アニメーション シリーズ「Introducing AlloyDB」でも、AlloyDB を分かりやすくご説明しています。最初のエピソード「AlloyDBとは」では、AlloyDB がどのように PostgreSQL と完全な互換性を持ち、データベース パフォーマンスの加速、高可用性、分析の統合を提供するかについて説明しています。
AlloyDB を使用するには?
AlloyDB コンソールに移動し、わずか数クリックで最初のクラスタを作成できます。
3 つのステップで簡単に始めることができます。
AlloyDB クラスタを作成する
そのクラスタ用のプライマリ インスタンスを作成する
psql クライアントを使用してクラスタに接続する
新しい AlloyDB クラスタを作成するためのステップバイステップガイドは、私たちのクイックスタートをチェックしてください。また、データベース移行サービスを利用することで、既存の PostgreSQL データベースを簡単に AlloyDB に移行することができます。
- Senior Product Manager, AlloyDB, Sandy Ghai
- Engineering Director, AlloyDB, Ravi Murthy