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データベース

Cloud SQL for SQL Server に追加されたセキュリティとスケーラビリティの 3 つの新機能

2021年7月8日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 30 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

データベース エコシステムとして長い歴史を持つプロダクトである SQL Server は、ユーザーにスケーラビリティとセキュリティを提供するための多数のネイティブ機能を備えています。しかし、これらの機能を活用するには、複雑で時間がかかる可能性があります。Google Cloud SQL for SQL Server を使用すると、使い慣れた機能を活用しながら、不必要な労力(OS のパッチ適用、バージョン アップグレード、レプリカの設定など)の多くを排除できるので、チームの時間を節約できます。Cloud SQL for SQL Server の 3 つの新機能は、既存の機能をさらに進化させます。

数か月前、プレビュー版の提供が開始されたことをお知らせした Active Directory(AD)統合が、このたび一般提供となりました。さらに、クロスリージョン レプリカ(SQL Server の Always On 可用性グループを使用)がプレビュー版としてリリースされました。この優れた新機能は、現在一般提供の SQL Server 2019 の最新リリースを使用した、Google のマネージド データベース サービスでお試しいただけます。  

Active Directory によるシンプルで安全な Windows 認証

Managed Service for Microsoft Active Directory による Windows 認証が一般提供となりました。これは特にご要望の多かった、Cloud SQL for SQL Server の重要なセキュリティ機能の一つです。お客様は、現在利用している認証のベスト プラクティスを維持しながら、ビジネス クリティカルな本番環境ワークロードをマネージド サービスに安心してオンボーディングできます。ID はマネージド AD サービス内で直接作成して管理できますが、多くのお客様は、既存のオンプレミス AD フットプリントとの信頼関係を確立して、既存の ID オブジェクトを活用しています。

SQL Server 用のクロスリージョン レプリカとは

クロスリージョン レプリカは、MySQL および PostgreSQL とともに Cloud SQL ポートフォリオに等価性をもたらすので、プライマリ インスタンスとは異なるリージョンでフルマネージドのリードレプリカを簡単に作成できます。レプリカは、Google Cloud の任意のリージョンで作成可能です。SQL Server 用のレプリカで異なる点は、可用性グループをベースにしたアーキテクチャを使用していることです。これにより、お客様が利用している SQL Server の機能とのより中核的な互換性を引き続き提供するサービスの使用が可能になります。Cloud SQL は、可用性グループをプロビジョニングする従来のプロセスを大幅に簡素化し、それを数ステップのワークフローに合理化します。

リードレプリカを使用すると、読み取りワークロードを水平方向にスケールできます。たとえば、リードレプリカに対して機能するようにレポート ダッシュボードを構成できます。これは読み取りのみ行うため、プライマリ インスタンスには影響しません。また、レプリカを Cloud SQL インスタンスに昇格させることもできます。これにより、目標復旧時点(RPO)と目標復旧時間(RTO)を削減できます。データは常に複製され、レプリカはおそらく最新のバックアップよりも新しいため、RPO の改善に役立ちます。また、特に自動化された方法の場合、レプリカを昇格させるのは比較的短いプロセスであるため、RTO の改善に役立ちます。使用を開始するには、クロスリージョン レプリカのドキュメントをご覧ください。

SQL Server 2019 の最新情報

最新のメジャー バージョンとマイナー バージョンを提供することは、お客様のデータベース ワークロードの互換性とセキュリティを維持するために重要です。Cloud SQL では、現在の SQL Server 2017 のオプション(Enterprise、Standard、Web、Express)と同様に、SQL Server 2019 の 4 つのエディションから選択して簡単にプロビジョニングできます。新しいバージョンを評価する際の重要な考慮事項は次のとおりです。

  • 互換性レベル - Cloud SQL for SQL Server 2019 データベース インスタンス上に新たに作成されるデータベースは、デフォルト互換性レベルが 150 です。  

  • データベース復旧の高速化 - インスタンスでの再起動とシャットダウンによる可用性への影響を軽減できます。

  • TempDB に関する変更 - 最近、tempdb ファイルの管理をより細かく制御できるようにしたのに加え、SQL Server 2019 ではパフォーマンスを向上させる最適化も行われています。

  • インテリジェントなクエリ処理 - SQL Server 2019 によるクエリエンジン自体の直接的な改善によって、全体的なクエリ処理とパフォーマンスが向上する可能性があります。

  • 他の多くのパフォーマンスの改善 - 詳細な切り捨て警告、再開可能なインデックス ビルドなどの機能。サポートされている機能の詳細については、こちらをご覧ください。

使用を開始するには、SQL Server 2019 のドキュメントをご覧ください。

まとめ

ご紹介した 3 つの新機能は、企業のお客様から特にご要望の多かったものです。ついに、独自の Active Directory ドメインによる SQL Server の認証と認可や、SQL Server 2019 の最新機能を使用した読み取りワークロードのスケーリング、クロスリージョン レプリカを活用した障害復旧の高速化が可能になりました。

使用を開始するには、クロスリージョン レプリカActive DirectorySQL Server 2019 のドキュメントをご覧ください。これらはすべて、コンソールまたは API を介して作成された新しいインスタンスで使用できます。ドキュメントの手順に沿ってご利用ください。

-Google Cloud プロダクト マネージャー Ori Kashi

-プロダクト マネージャー Isabella Lubin

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