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データ分析

2021 年にデータ分析関連のお客様から学んだ 3 つの重要なインサイト

2021年12月24日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 12 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ご存じのとおり、Google はお客様から学ぶことに力を入れています。そこで、今年は毎週、Google Cloud の新規のお客様とともに、Google の統合データ クラウド プラットフォームにお客様がどのように取り組んだか、また、その過程でどのようなことを学んだかを皆様と共有することにしました。

お客様との定期的なコミュニケーションから始まったこの取り組みは、やがて完全な動画シリーズへと発展し、私が毎週火曜日にホスト役を務めることになりました。今年は、世界中のあらゆる業界にいるさまざまな規模の企業から学びを得ることができました。

このシリーズでは、「データを活用して成功するには、厳しいビジネス上の意思決定、高度な創造性に加え、具体的なビジョンが必要である」ということを学びます。このシリーズの題名は「データ ジャーニー」です。データ分野におけるコミュニティの声を、現場レベルから、偽りなく、ありのままに紹介するもので、恐らく初めての試みとなるものでしょう。

私たちは、ゲストのお客様、ならびに所属する会社特有の課題、試行錯誤、勝利など、大きなジャーニーを作り上げるすべてのものから、たくさんのことを学びました。さまざまな出来事があった今年を締めくくるにあたり、2021 年のお客様の「データ ジャーニー」に感謝するとともに、そのジャーニーから得た重要な学びを 3 つピックアップして共有させていただきます。


教訓 1: クラウドに移行するお客様は、単にリフト&シフトを成功させるプロバイダを探しているわけではない。代わりに、クラウドへの移行を、再考、再学習、再構築の機会として活用することを目指しています。

1,000 以上の支店を抱え、1,450 億ドル以上の資産を管理する地域金融機関の Keybank は、固定のコンピューティング モデルを提供する別のデータ ウェアハウジング プロバイダとの契約が終わりに近づいたとき、クラウドへの移行を決定しました。私は、KeyBank で EVP 最高データ責任者兼部門 CIO 兼エンタープライズ アーキテクチャ責任者であり、この移行でリーダーを務める Michael Onders 氏とお話しする機会に恵まれました。

「Google のデータスイートは、弾力性があり、高速かつ一貫性のある環境をデータに提供できるため、動的でセキュリティに敏感な銀行のビジネスの性質に Google Cloud Platform が適していると判断しました」と Onders 氏は述べています。

しかし、Google Cloud を選定する際、Keybank では Teradata ウェアハウス、アナリティクス ユーザー、Hadoop データレイクを Google Cloud に単にリフト&シフトして終わりにしたくないことを明確にしていました。同社ではクラウドへの移行を、古いプロセスや従来の銀行業務のやり方を変革する機会と捉えていたのです。「Python や Spark クラスタを使用して、新しい不正検出のモデリングを行いました。特にスマート ホールドと小切手入金において、不正検出アルゴリズムを使って、小切手を入金する際にこのお金を保持すべきか、お客様に渡すべきかを判断するものです」と Onders 氏は述べています。

Python や Spark クラスタを使用して、新しい不正検出のモデリングを行いました。特にスマート ホールドと小切手入金において、不正検出アルゴリズムを使って、小切手を入金する際にこのお金を保持すべきか、お客様に渡すべきかを判断するものです

KeyBank 社 EVP 最高データ責任者兼部門 CIO 兼エンタープライズ アーキテクチャ責任者 Michael Onders 氏

Keybank はスマート小切手ホールド モデリングに加え、Google Cloud のインテリジェント データ クラウド プラットフォームを使用して、人員削減のモデリング、次におすすめのサービスや商品、信用リスクの予測を実施する方法を再構築しました。同社は現在、さらなる新しいイノベーションに目を向けていますが、中でも顧客満足度を高め、競合他社とのサービスの差別化を図るためのデータの活用方法に力を入れています。

さらに詳しくお知りになりたい場合は、「データ ジャーニー」の Keybank のエピソードをご覧ください。

教訓 2: お客様は、予測分析から AI や自動化にいたる、さまざまな Google のテクノロジーを「Data for Good(データによる社会貢献)」に活用することに意欲的である。

TELUS はカナダの大手通信会社であり、受信契約者は 950 万人を超えています。この大手企業は、全国で通話やメッセージの信号、ネットワーク、携帯電話の中継塔から生成される位置情報付きデータを管理しています。TELUS が扱っているデータの量がいかに膨大なものかを示す例としては、昨年分析されたデータが 1.2 ペタバイトを超え、この数値は年々上昇すると見込まれていることが挙げられます。

2020 年 3 月に、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が局所的な流行にとどまらず、世界的なパンデミックとして感染が拡大することが明らかになったとき、TELUS は通常どおりに業務を継続するのか、さらに広範囲で社会に貢献するのかの選択を迫られました。TELUS は Google Cloud を活用できることがわかっていたため、この選択に迷いはありませんでした。

TELUS はプライバシーを尊重しながら Google Cloud のデータクラウド内のデータを活用することで「Data for Good」のイニシアチブを始動させ、この状況下でカナダの住民全員をサポートできると気づきました。こうして、BigQuery やデータポータルなどのツールを使用してわずか 3 週間で新しいプラットフォームが立ち上げられました。このプラットフォームは、各契約者のプライバシーを守りつつ、カナダ政府が国内向け COVID 対策に関してより効果的な戦略的判断を下すのに役立ちました。

TELUS は、政府のウイルスまん延抑制施策を支援したこの取り組みに対して HPE-IAPP Privacy Innovation Award を受賞しました。

SADA のヘルスケアおよびライフ サイエンス担当シニア ディレクター、Michael Ames 氏とお話をし、SADA も同様に社会貢献へのデータ分析テクノロジーの活用に着目していたことに気づきました。SADA は、システムに関するコンサルティングや導入のサービスを提供している Google Cloud プレミア パートナーです。Ames 氏は日常的に病院や医療従事者がデータをクラウドに移行する手助けをしています。

米国内の病院や医療システムが扱うデータは膨大です。データは症状の記録や患者の病歴、保険や支払いの記録など多岐にわたります。SADA では、初診のときにその患者に適切な処置をマッチできる率が上がれば、病院の経営が安定し、患者の満足度や健康状態が向上し、双方が時間とコストを節約できると気づきました。そうなれば、結果的に病院の利益が増え、それをコミュニティに還元できるようになります。

しかし、Ames 氏が科学誌「ネイチャー」と調査を行い、収益の多い薬のトップ 10 が患者にどのような影響を及ぼしたかを分析し、本来の目的が達成されたかどうかを確認したところ、適切な薬を適切な患者にマッチさせることは大変な問題だとわかりました。

SADA がデータを使用して Google のインテリジェント データ クラウド スタック内に予測モデルを作成したところ、医師は個々の患者のニーズや健康状態により適した治療薬を処方できるようになり、医療の個別化がさらに進みました。

SADA は将来的に、データドリブンのアプローチで医療の他分野も改善していくことを視野に入れています。Ames 氏は次のように述べています。「薬の処方での考え方をさらに拡げ、理学療法や行動療法、人々はどこでどのように暮らすべきか、ある地域に公園を作るべきかといった判断、大気環境がどのように健康に影響するかなどまで目を向けると、人々の健康を維持するためにデータを有効に活用する必要性がわかってきます。」

薬の処方での考え方をさらに拡大し、理学療法や行動療法、人々はどこでどのように暮らすべきか、ある地域に公園を作るべきかといった判断、大気環境がどのように健康に影響するかなどまで目を向けると、人々の健康を維持するためにデータを有効に活用する必要性がわかってきます

SADA 社ヘルスケアおよびライフ サイエンス担当シニア ディレクター Michael Ames 氏

さらに詳しくお知りになりたい場合は、「データ ジャーニー」の TELUS のエピソードSADA のエピソードをご覧ください。

教訓 3: お客様が Google Cloud を選ぶのは、現在のニーズに対応すると同時に、この先の未知なる問題を解決できるテクノロジーを装備するためです。

Delivery Hero は、世界最大(中国を除く)のフード デリバリー ネットワークを展開しています。同社は 50 か国以上でサービスを提供し、2021 年第 1 四半期だけで 6 億 6,300 万件を超える注文を処理しました。

何百万もの注文を処理するために、174 個のデータセット、5,000 個のテーブル、毎月 700 万件以上のクエリが必要ということを知り、私は衝撃を受けました。だからこそ、Delivery Hero のグローバル データ製品・アナリティクス担当シニア ディレクターの Matteo Fava 氏にお話を伺い、膨大なデータ量をどのように管理しているのかを理解でき大変嬉しく思っています。

Delivery Hero のデータ戦略で重要な部分を占めているのは、バックエンドでは適切なチームが適切なデータにアクセスし、フロントエンドではお客様が安全かつ効率的、そして快適に料理を受け取れるようにすることです。実際、同社が Google Cloud と提携することにした第一の理由は、ビジネスを中断することなく通常どおり遂行できるようにするためでした。  

Fava 氏のチームが Google アナリティクスと BigQuery を活用してユーザーの行動と配送経路について理解を深めていくと、異なる国や、同じ国内の都市間、近隣地域間にすら存在する文化の大きな違いにかかわらず一貫した方法で料理を届ける最善の方法について、それまで予想もしなかった課題に突き当たりました。

そのひとつが、お客様に 15 分以内に配達するという約束を守りながら、一般的な住宅への「水平型」の配達と、アパートのようなビルへの「垂直型」の配達を、いかに最適化するかというものです。Delivery Hero は最終的に、配達と予測モデリングに関するリアルタイム分析を使用して、香港のような人口の多い都市でのエレベーターの長い待ち時間や、ドバイにあるような広大なコンドミニアムの敷地内に入ってからの移動時間を考慮して、料理の配達にかかる正確な推定時間を算出できるようにしました。

Delivery Hero は、データを管理するための効率的な新しいプラットフォームを用意することはもちろん、今はまだ明らかになっていない、予期せぬ課題もこのプラットフォームで解決可能と確信できることも不可欠だと知っていました。

詳細については、「データ ジャーニー」の Delivery Hero のエピソードをご覧ください。

まとめ

来年も新しいお客様によるデータに関する取り組みを詳しく調べ、コミュニティでご紹介していきますので、ぜひご覧ください。

この再生リストを登録して、データ ジャーニー シリーズをフォローしていただけると幸いです。また、素晴らしいゲストをご提案いただける(もしくは、ご自身がゲストになっていただける)場合は、お知らせください。

- Google Cloud データ分析担当責任者 Bruno Aziza

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