コンテンツに移動
データ分析

Gemini in Looker の導入により AI を活用したインテリジェントな BI が誰でも利用可能に

2024年4月24日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Next24_Blog_blank_2-01.max-2500x2500.jpg
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

私たちは、ビジネス インテリジェンス(BI)の転換点を迎えています。これまでにない規模にまで増加したデータは、あらゆる面でビジネスに影響を与えています。そのようなデータに対するユーザーからの需要も増加しており、さまざまなアクセス要件に応じるなど、組織は対応を迫られています。そのようななか、あらゆるプロジェクトの構想と立ち上げの方法を大きく変える AI が登場しました。生成 AI の実現と導入により、従来の方法よりも会話分析に魅力を感じているユーザーに BI のあらゆるメリットがもたらされようとしています。今週の Google Cloud Next では、Gemini in Looker に導入された会話分析についてご紹介しました。これは、ユーザーが自然言語を使用してインサイトに簡単にアクセスする方法を再考し、BI でのデータ活用方法を大きく変化させるものです。さらに、Google の生成 AI に対する取り組みを活用した Looker の各種機能のプレビュー版も発表しました。これにより、組織における重要データの詳細分析が迅速化し、短時間でインサイトを取得して共有できるようになります。

Gemini in Looker を使用すると、これまで管理者を介していたためスムーズに進まず時間がかかっていたデータ処理とレポート作成が、AI によって、コラボレーションに基づくインテリジェントな会話を通して実行できるようになります。Looker Gemini モデルの緊密な連携により、ビジネスを動かすための主なユーザーフローでインサイトを活用できるようになり、一貫性のある指標に基づいた信頼できる唯一の情報源を確立できます。

会話分析によりデータの活用を実現

Looker の会話分析は、同僚にチャットで質問をするかのように、ビジネスデータと会話して情報を引き出すための専用スペースです。Looker で利用可能な LookML セマンティック モデルと組み合わせて、データの信頼できる唯一の情報源が構築されるため、組織全体で一貫した指標を使用できるようになります。ビジネスチームや分析チームを含む企業全体で、データと話して瞬時にインサイトを得られるようになるため、データドリブンな意思決定の文化を全社内に広めることができます。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/1-Conversational-Analytics.gif

Gemini in Looker で会話分析を利用すると、上位のプロダクトや販売データの詳細を得られるほか、回答に関する詳細情報を得たり、フォローアップの質問をしたりできます。

会話分析では、誰もが社内のデータ エキスパートと話しているような感覚でデータのパターンや傾向を特定できます。回答は瞬時に得られ、インサイトを裏付けるデータが Looker で表示されるため、基盤となるデータが正確で分析方法も適切であることを確認できます。

信頼できる基盤を持つスマートかつシンプルなモデリング

生成 AI の時代において、データの信頼性と運用指標の標準化を確保することは不可欠です。アプリ間やチーム間で測定および比較を行うには、信頼性と一貫性が必要だからです。Looker のセマンティック レイヤはモデリング機能の中心にあり、ワークフロー全体を通して信頼性と精度を確保するための一元的に定義された指標とデータの関係をサポートしています。LookML を使用すると、複数の分析をシームレスに実施し、ユニバーサル データを作成して指標を定義できます。

Gemini in Looker で利用できる LookML Assistant によって、自然言語を使ってセマンティック モデルを誰もがすぐに活用できるようになることが期待されています。Gemini in Looker に構築したい内容を伝えるだけで、LookML コードが自動的に作成されるため、これまでにない手軽さで、生成 AI によるデータ管理の環境を整えることができます。

インテリジェンスを Looker すべてのお客様に拡大し、さらにその先へ

BI の世界の進化に合わせて、お客様のニーズも変化しました。お客様が求めているのは、セルフサービス データ探索機能、シームレスなアドホック分析、高品質な可視化機能をすべて備え、直感的に使用できる強力かつ完全な BI ツールを備えた、生成 AI で強化された 1 つのプラットフォームです。

このたび、Looker ライセンス(Embed エディションは除く)をご利用のお客様向けに、Looker Studio Pro の提供を開始いたしました。追加料金は不要で、これまでになく簡単に BI をご利用いただけます。

Google のビジョンは、モデル化されたデータ、および Google プロダクト、パートナーの BI ツール、Google のオープン SQL API など場所に関わらず利用できる指標の両方にとって、Looker が信頼できる唯一の情報源となることです。Looker のモデリング レイヤは、ビジネスにとって特に重要な指標をキュレートおよび管理する唯一の場所を提供します。これによってお客様は、データを操作する場所に関係なく、一貫した結果を得られるようになります。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/2-Slide-Generation.gif

Gemini in Looker と Google Workspace との緊密なインテグレーションにより、データに関する質問をすることでレポートを簡単に作成し、データを Google スライドに表示できます。

これまでは、BI ツールを使用するには作業フローから離れる必要がありました。これは改善すべき課題であり、ユーザーは作業している場所で、コラボレーションしながらデータを扱う作業ができる必要がありました。これを実現するため、Google Google Workspace にも連携を拡大し、Google スライド、Google スプレッドシート、Google Chat をまたいでユーザーが共同作業できるようにしました。具体的には、Google スプレッドシートで Looker Studio レポートが自動的に作成されるため、ユーザーはデータを迅速に可視化してインサイトを共有できるようになります。また、Gemini in Looker Google スライドを生成できるため、スライド作成を空白のスライドから始めるのではなく、可視化されたデータやレポートをすでに含むスライドから開始できるほか、AI によって生成された要約を使ってスムーズにプレゼンテーションを開始できます。

Google に質問するだけで得られるビジネスデータのインサイト

Gemini in Looker はさまざまな新機能を提供し、分析作業をはじめ、データ モデリング、グラフ作成、スライドのプレゼンテーション生成などのワークフローを加速するのに役立ちます。Google がこれまで数十年かけて ChromeGmailGoogle マップなどのアプリケーションで実現した直感的かつ効率的なカスタマー エクスペリエンスを、Gemini in Looker でもご提供します。Looker の会話分析および LookML Assistant には、Google Next 2023 で初めてご紹介した以下の機能が追加されています。

  • レポート生成: 12 文のプロンプトを入力すると、複数のビジュアリゼーション、タイトル、テーマ、レイアウトを含むレポート全体を瞬時に作成できます。Gemini in Looker AI アナリストとなり、レポート全体を作成します。これを基盤として、自然言語を使ってレポートを調整できます。

  • 高度なビジュアリゼーション アシスタント: 自然言語を使ってビジュアリゼーションをカスタマイズできます。Gemini in Looker では、JSON コード構成を作成できます。この構成に必要に応じて変更を加えて、ビジュアリゼーションをカスタマイズできます。

  • スライドの自動生成: データから洞察に満ちたテキスト要約を作成し、影響力のあるプレゼンテーションを作成できます。Gemini in Looker はレポートを Google スライドに自動的にエクスポートし、スライドにはグラフ内のデータの説明および重要なインサイトを強調するテキストのナラティブも含まれます。

  • 数式アシスタント: 瞬時に計算フィールドを作成し、データソースから得た情報を拡張または変換できます。Gemini in Looker がアドホック分析のための数式を作成してくれるので、複雑な数式を覚えておく必要がありません。

これらの各機能は、プレビュー版で公開されています。

生成 AI 時代の信頼できるインテリジェンス

Looker は、Google Cloud のインテリジェンス プラットフォームで重要な役割を果たし、データのエコシステムを統合します。Gemini in Looker に導入された新たなインテリジェンスを活用することで、ユーザーがビジネスデータにアクセスして理解したり、アナリストがダッシュボードやレポートを作成したり、開発者が新しいセマンティック モデルを開発したりするのが容易になります。AI を活用した会話型インターフェースでデータへのアクセスと分析を行う、新しい体験をぜひお試しください。シンプルなチャット ボックスから始めることができます。

-プロダクト マネジメント担当シニア ディレクター Kate Wright

-エンジニアリング担当バイス プレジデント Peter Bailis

投稿先