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データ分析

Google のデータ専門家が語る、2022 年にデータ実務者に必要となるスキル

2022年3月7日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 2 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2022 年、超小型衛星や NFT、ピザを配達する自動運転車などが本格的に登場します。複雑な問題をシンプルな技術で解決していく世界において、企業の成功のカギは、シンプルなエクスペリエンスを提供することにあります。多くのクラウド プロバイダにとってこれは、現代のデータ消費者の高度なニーズを見失うことなく、データ配信プロセスの簡略化のために、緊密に統合されたデータを提供することを意味します。

よりシンプルで速いデータを利用して、企業の意思決定のための判断材料を提供できるかが勝負の行方を握っているといえます。しかし、データ アナリスト、データ エンジニア、データベース管理者、デベロッパーなどのデータ実務者といった、これらのクラウド データツールや技術を毎日使っている人たちにとってはどうでしょうか。2022 年のクラウド マーケットのトレンドに先んじるためには、データ実務者はデータクラウド スキルセット(たとえば、データ パイプラインの深掘りなど)をさらに専門化するために時間を費やすべきでしょうか。または、それよりもデータクラウド スキルセット(たとえば、データ分析、データベース、AI/ML、その他のドメインを組み合わせてスキルを熟練させること)を一般化するのに時間を使うべきでしょうか。

問題は、データは深くあるべきか広くあるべきか

Google Cloud ソリューション エンジニアリング、テクノロジー ソリューションおよび戦略担当バイス プレジデント Abdul Razack は、答えはある意味両方だと言います。

「データ実務者は技術スキルの面においては幅広くあるべきですし、それを適用するドメインや一連のドメインに関しては専門的であるべきです。なぜなら、ビジネス分析、ストリーミング、機械学習、データ パイプライン、データ ウェアハウジングといった、従来別々のものであったスキルセットは、今や集約されつつあるからです。データ実務者はそれぞれのカテゴリーのスキルを使って、特定のビジネスの問題を解決するエンドツーエンドのワークフローを実装していく必要があります。」

まさにその通りです。Google のデータクラウドが多くのお客様にお選びいただいているのは、統合されたオープンなアプローチによりサイロをなくし、データ プラットフォームから離れることなくプロジェクトを開始または終了し、組織全体でより迅速な改革を進めることができるためです。

Google のデータクラウドと同じく、データドメインを横断してスマートかつアジャイルに行動することを理念としてスキルアップや学習を行うデータ実務者は、インターネット規模のアプリケーションの構築、分析や AI によるスマート プロセスの微調整、プロダクト構築を容易にするデータメッシュの設定など、1 つや 2 つの領域だけに特化した場合よりも大きなスケールで、微妙にニュアンスの異なる問題を解決できるメリットを享受できます。

もちろん、最終的には、データ実務者がワークフローを完成させるのに、どのようなツールを使っているのかによります。制約のあるツールを使っていては、学べることや習得できるスキルも限られてきますから。

「もちろん、最終的には、データ実務者がワークフローを完成させるのに、どのようなツールを使っているのかによります。制約のあるツールを使っていては、学べることや習得できるスキルも限られてきますから。」BigQuery といったようなデータ プラットフォームを使用してこうしたニーズに応えていくことで、データの習熟度を全体的に上げていくことが容易になります。BigQuery は、選択にかかっていた時間を節約します。たとえば、ストリーミング データか保存データか、一括かリアルタイムか、もしくはビジネス インテリジェンスかデータ サイエンスかといった問題に悩まなくてもよいのです。こうしたことから解放されれば、データ専門家がスキルセットを構築し、より複雑なプロジェクトに挑む際に大きな利点となります。」 - Google Cloud ソリューション エンジニアリング、テクノロジー ソリューションおよび戦略担当バイス プレジデント Abdul Razack

自分の価値を知ることで、スキルアップへの道は半ば制したようなもの

専門家の中には、テクノロジーは広範に進むか深遠に進むかのそもそもの制限要因だと考える人もいますが、Google Cloud のデータ分析責任者である Bruno Aziza のように、あなたが誰で、何になりたいか、そしてそれをサポートするために会社がどんな投資をしているかにもよる、と主張する人もいます。

「最高データ責任者になりたいと思うのであれば、まず、データ資産全体にわたって技術がどう組み込まれているかを理解する必要があります」と Aziza は言います。「自分が頼りになる「データ担当者」であると思えるようになって初めて、テクノロジー スタックのどの部分を強化するかを決めることができるのです。」

自分が頼りになる「データ担当者」であると思えるようになって初めて、テクノロジー スタックのどの部分を強化するかを決めることができるのです。

しかし、テクノロジーがすべてではありません。Aziza はこう指摘します。「データワークが提供するビジネスへの影響に重点を置くようにしてください。    お客様の担当者となるべく多くの時間を過ごし、彼らのビジネス上の目標や課題を理解することが重要です。Harvard Business Review には、最高データ責任者として成功するための非常に参考になるガイダンスが掲載されています。」

経営幹部を目指していない方であっても、2022 年にデータ実務者が取り組むべき一番のスキルは、実際幅広く抽象的なものであると Aziza も Razack も主張しています。つまり、データドリブン戦略により問題を解決していくための好奇心を育て、発揮することです。

今日のデータ実務者は、常に業界において学びを続け、何かを継続的にスキルアップしていく必要があるのです。また、雇用者側も、学習教材を用意し、キャリアについての話し合いの場を設け、研修を助成し、新しい資格やスキル取得に伴うインセンティブを用意するなどの投資を行うことで、データ実務者たちの向上心を後押ししていくことが必要です。  

「すべての業界がデジタル トランスフォーメーションを進めていく中で、データをどう収集するか、どう準備するか、そこからどのようにインサイトを導き出すかを見極める能力は大変重要となってきます。ビジネス上の課題を見つけ、その課題をデータドリブン型のアプローチで解決していく手腕は、最も大切なスキルといえます。」Google Cloud ソリューション エンジニアリング、テクノロジー ソリューションおよび戦略担当バイス プレジデント Abdul Razack

データ エンジニア、データ アナリスト、市民データ サイエンティスト、またはどのような肩書のデータ実務者であっても、手の空いたときに心に浮かぶことは、溢れ出る疑問や、もっと知りたいという好奇心であってほしいものです。生涯、学びを続けましょう。新しいコンセプトは生まれ続けます。最速で学ぶ人となり、会社のミッションを推進し、コミュニティに還元していきましょう。

「私が先日書いた VentureBeat の記事から、「データメッシュ」の例をご紹介します。  この新しいコンセプトに対する考え方は、次の 3 つのタイプが挙げられます。最初は、新しい本の著者や理論の作者といった、ソースからのみの学びを良しとする「弟子」です。次に、新しいスキルやトレンド、テクノロジーはフェイク ニュースにすぎないと言う「妨害者」です。最後に、業者のように、簡単な解決のソリューションを 1 つだけ売りつける「歪曲させる人」です。データ実務者は、これら 3 つのタイプの人と接するときには、注意深くならなければなりません。  学習やスキルを構築する際には、自らの手で真実を切り開いていく必要があります。そしてそれが、良くも悪くも、試行錯誤、実験、もともとの自分からさらに成長したいという熱意につながっていくのです。」

データのスキルアップの準備はできましたか?さあ始めましょう。

データへの好奇心を持ち続けたい方は、Google の データ ジャーニーに関する動画シリーズをご覧ください。Bruno Aziza が毎週、クラウドへの移行やデータ プラットフォームの構築から、  新たな Data for Good の取り組みまで、実際のお客様のデータ ジャーニーをご紹介します。どうやって行ったのか、データに関する推奨事項と禁止事項、そして次のステップをご紹介します。これらの動画には、データ コンピテンシーに特化したもの、データ コンピテンシーを広げるものという、広く深くの両方のフレーバーが含まれています。

こうしたディープなスキルにご興味のある方は、Google のデータ コミュニティが近日開催予定のバーチャル イベント Google Cloud のデータ分析の最新のイノベーションにぜひご参加ください。今すぐ登録しましょう。GCP のトップ データリーダーがデータに関する皆さんのご質問にライブでお答えします。また、BigQuery、Dataproc、Dataplex、Dataflow などの最新のプロダクトや機能のデモもご覧いただけます。

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- データ分析アソシエイト プロダクト マーケティング マネージャー Maria Snaider

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