Data QnA でデータ分析をすべてのユーザーに
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 7 月 9 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google Cloud はこのたび、BigQuery データの分析用自然言語インターフェース、Data QnA を限定公開アルファ版でリリースいたしました。Data QnA を使えば、ビジネス ユーザーはビジネス インテリジェンス(BI)チームに負担をかけることなく、自然言語で質問して分析クエリに対する回答を得ることができるようになります。つまり、セールス マネージャーのようなビジネス ユーザーが自社のデータセットに関する単純な質問をすると、同じように回答が返されます。
Data QnA は、ビジネスのガバナンスとセキュリティ管理を維持しつつ、技術者ではないユーザーであっても必要なデータ結果に簡単にアクセスできる自然言語処理技術を提供する目的で構築されました。Data QnA は Google Research で開発した Analyza システムをベースに開発されました。Analyza は、エンティティやインテントの認識、それから基礎となるビジネス データセットへのマッピングなど、会話形式のデータの分析や探索にセマンティック解析を使用します。BigQuery やフェデレーション データソースに格納されたペタバイト規模のデータであっても、Data QnA を使えば誰でも会話形式で分析できます。Data QnA は、chatbot、スプレッドシート、BI プラットフォーム(Looker など)、カスタム開発された UI など、ユーザーの作業環境に埋め込むことができます。今回の限定公開アルファ版では英語のみがサポートされますが、今後お客様と協力して各地域でのローカライズのご要望に対応していけるよう努力してまいります。
ビジネス ユーザーがデータを必要とする場合、ほとんどの企業では、BI チームにダッシュボードやレポートをリクエストすることになります。すでに他の作業で手一杯のチームがこのようなリクエストに対応するまでには数日から数週間かかることもあります。回答を得ても、次の質問をすると、レポートがまた新たに必要となるため、その回答を得られないことが多くあります。深い技術知識を持たないユーザーであっても、必要なときにセルフサービスの分析機能にアクセスできるようになれば、生産性とビジネス上の成果が格段に向上します。Data QnA を利用すれば、自社のワークフローに適した形で BigQuery のデータをユーザーに提示できます。
ESG のシニア アナリストである Mike Leone 氏は、次のように述べています。「Google Cloud は、Data QnA により、データ分析を技術者でないユーザーでも気軽に使えるように、長期にわたる取り組みを行っています。このセルフサービス モデルの登場で、企業のイノベーションやデジタル変革のスピードが加速するだけでなく、貴重な時間を無駄にすることなく BI チームの生産性を向上させ、オーバーヘッド コストを最小限に抑えることが可能になります。」
「Veolia では、ビジネス パートナーからのアドホック分析のリクエストに対応するのに数週間かかっていました。このモデルを使うことで時間を節約でき、より価値の高いアクティビティに時間を割くことができるようになりました」と、Veolia のデータおよびロボティック担当マネージャーである Fabrice Nico 氏は述べています。「BI チームでは、自然言語で質問することによって BigQuery データにセルフサービスでアクセスできるようになりました。スプレッドシートや chatbot を使う Google サービスのおかげで、時間の無駄が大幅に減り、当社のビジネス パートナーも自然言語ベースの分析によってスピードアップが図れるようになりました。」
Data QnA の仕組み
Data QnA を使えば、ビジネス ユーザーは BigQuery データだけでなく、Cloud Storage、Bigtable、Cloud SQL、あるいは Google ドライブからのフェデレーション データに対してもセルフサービス分析を実行できるようになります。ユーザーはたとえば「製品 xyz の先月の売り上げはどうだったか」などの自由形式テキストの質問をして、インタラクティブな回答を得ることができます。Data QnA は、Google スプレッドシートや BigQuery UI でネイティブに使用できます。Data QnA API は別のインターフェースに埋め込んで使うことも可能です。また、Data QnA は、Google Dialogflow を使用してビルドした環境に統合することもできます。Data QnA では、基盤となる顧客定義のデータアクセス ポリシーをすべて適用して、データへのアクセスを適切なユーザーに自動的に制限します。
「セルフサービス分析ができるようになった」、「BI チームの生産性が向上した」、「ビジネス ユーザーだけでなく IT チームも時間を節約できた」など、Data QnA のメリットについては、お客様やアナリストの皆様、パートナーの皆様からさまざまな声が寄せられています。
Data QnA を使えば、ユーザーは質問の入力中に候補として自動表示されるエンティティを使用して、自由形式テキストで分析用の質問を作成できます。質問すると、英語解釈と SQL クエリの両方が回答とともに返されます。質問があいまいな場合は、「Did-you-mean(もしかして)」という補足説明が返されます。BigQuery ウェブ UI を使用する場合も、Data QnA により、データ アナリストは自然言語の質問を使って SQL クエリを作成できます。
また、Data QnA にはデータ所有者や管理者向けの管理インターフェースが備わっているため、ビジネス ユーザーが理解できる言語を使用できるよう、基礎となるデータのビジネス用語を定義することもできます(対応言語は、最初は英語のみですが、リクエストに応じて追加する予定です)。このインターフェースでは、回答や SQL クエリと併せてユーザーが質問した内容もレポートするため、データ所有者はユーザー向けサービスの改善に役立てることができます。
Data QnA を使ってみる
Data QnA は米国内にデータをお持ちの BigQuery のお客様であれば、追加料金なしでご利用いただけます。基礎となるクエリやストレージはすべて、お客様の BigQuery のコストに応じて課金されます。スプレッドシートでアクセスするには、G Suite Enterprise、G Suite Enterprise for Education、G Suite Enterprise Essentials に含まれる Connected Sheets 機能をご利用ください。Data QnA は追加料金なしでご利用いただけます。
Google Cloud のパートナーである、Accenture、Deloitte、EPAM、Mavenwave(Atos 社)、SADA、Wipro を通じてお使いいただけます。
Accenture のアプライド インテリジェンス部門でグローバル マネージング ディレクターを務める Arnab Charkaborty 氏は、次のように述べています。「当社のお客様にも Data QnA を積極的に採用していただき、セルフサービス分析の利用を加速させたいと考えています。Data QnA は当社のお客様が日々使用しているすべてのビジネスアプリと BigQuery のデータとを効果的に直接結び付けるもので、これがあればデータに詳しい、詳しくないに関係なく、誰でも作業中の環境を離れずに自然言語で質問することができます。これこそ最高のデータの民主化と言えましょう。」
Data QnA を支えるテクノロジーの詳細やデモを確認するには、ご登録のうえ Next OnAir セッション Data QnA: How Veolia democratizes access to BigQuery(8 月 11 日より公開)をご覧ください。
- Sudhir Hasbe, Director of Product Management, Data Analytics and Abhishek Kashyap, Product Manager