一般提供開始: Compute Engine の C3 ベアメタルおよび X4 インスタンス
Eddie DeJesus
Product Manager, Google Cloud
Ziv Kalmanovich
Product Management, Google Cloud
X4 32TB マシンタイプは SAP HANA Standard Sizing の認定を受けた唯一のクラウドベース インスタンス
※この投稿は米国時間 2024 年 8 月 2 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
エンタープライズ ワークロードでは、パブリック クラウドへの移行に関する固有の課題があります。テクノロジー リーダーは、32 TB のインメモリ データベースや、商用ハイパーバイザ上に構築されたプライベート クラウド、あるいは仮想マシンでは実行できないアプリケーションなどのビジネス クリティカルなワークロードを最優先でクラウドに移行したいと考えています。
このようなワークロードを容易かつ迅速に移行できるように、このたび Compute Engine の X4 および C3 ベアメタル マシンタイプの一般提供を開始しました。これらのマシンタイプは、汎用のメモリ最適化ファミリーの中で特有のコンピューティング ニーズに対応します。
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新しい X4 インスタンス シリーズには、SAP HANA などの非常に大規模なインメモリ データベースに対応する新しいインスタンス タイプが 3 つあります。
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3 つの新しい C3 ベアメタル シェイプは、CPU とメモリのリソースに直接アクセスする必要がある商用およびカスタムのハイパーバイザなど、さまざまなユースケースに対応します。
X4 と C3 を支えているのが Titanium です。Titanium は、専用のカスタム シリコンと複数層のスケールアウト オフロードからなる Google Cloud のシステムです。Titanium は CPU を開放することで、さまざまなワークロードに対してパフォーマンス、信頼性、セキュリティを向上させます。実際に、Titanium は第 3 世代以降のすべての Compute Engine マシンタイプの基盤となっています。
「Intel と Google は、クラウドに移行するエンタープライズ特有のニーズを認識しています。Intel は第 4 世代 Intel Xeon プロセッサを搭載した X4 および C3 ベアメタル インスタンスについて Google と連携し、独自のインスタンスやパフォーマンスの強化を実現します。非常に複雑なワークロードでもシームレスに移行できるだけの柔軟性とパワーを企業に提供し、クラウドの可能性を最大限に引き出していきます。」(Intel Corporation、Intel Xeon プロダクト担当ゼネラル マネージャー Suzi Jewett 氏)
一般提供開始: メモリ使用量の多い非常に大規模なワークロード向けの X4
第 4 世代 Intel Xeon スケーラブル プロセッサを搭載した X4 は、最大 1,920 個の vCPU と 32 TB の DDR5 メモリにより、業界トップクラスのコンピューティング性能とブロック ストレージのパフォーマンスを提供します。X4 インスタンスは、リレーショナル インメモリ データベースやグラフ インメモリ データベースなど、メモリ使用量の多い非常に大規模なワークロードに最適です。次の 3 つの構成が用意されています。
あらゆるメモリサイズに対応する妥協のないパフォーマンスと可用性
アプリケーションのインメモリ データベースが大きくなるにつれ、データベースの管理者やアーキテクトは、パフォーマンスを犠牲にすることなくワークロードをスケーリングすることが求められます。X4 は、3 つのインスタンス シェイプすべてについて 17:1 のメモリ / コア比を実現することで、サイズに応じてパフォーマンスをスケーリングできるようにしています。実際、X4 は Intel サーバー向けのハイパースケーラーの中でも最高の SAPS ベンチマーク認定結果を達成しています。このようなインスタンス シェイプの設計も、X4 が SAP によって認定された唯一の 32 TB ハイパースケーラー インスタンスとなり、また SAP「Standard Sizing」によって 24 TB および 32 TB の OLTP と OLAP 向けに唯一認定されたハイパースケーラー インスタンスである一因です。こうした認定を受けているクラウド プロバイダは他にありません。
Hyperdisk Extreme 対応の X4 は最大で 10,000 MB/秒のスループットと 40 万回の IOPS に対応しています。ノードの障害や再起動が発生した場合でも、このブロック ストレージ パフォーマンスにより、メモリのリハイドレーションが 1 時間未満で済み、32 TB のデータベースでも目標復旧時間(RTO)を達成できます。さらに、X4 は Compute Engine の単一のメモリ最適化インスタンス対象の 99.95% の SLA に支えられています。
「この何年かで、当社の SAP HANA システムのデータは顕著に規模が拡大し、ますます高い性能が必要になっています。24 TB の X4 マシンと Hyperdisk ストレージを導入したことで、将来のデータの増大に対応できる余裕を確保できたのと同時に、処理性能の向上にも期待しています。そのうえ、Google の X4 マシンはクラウド ネイティブなので、システム管理と運用を自動化する機会ももたらしてくれます。」(Deloitte、米国最高技術責任者 Shawn Lund 氏)
ビジネス クリティカルなワークロード向けのメンテナンス エクスペリエンス
X4 のメンテナンス エクスペリエンスを設計する際、Google はエンタープライズのお客様に相談し、ビジネス クリティカルなワークロードをクラウドで実行するには何が必要かを確認しました。その結果、次の 3 つのポイントが明らかになりました。
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メンテナンスは稀でなければならない
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お客様はメンテナンスの実施をコントロールしたいと考えている
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お客様にはメンテナンスの予定を時間に余裕を持たせて事前にお知らせする必要がある
X4 インスタンスのメンテナンス エクスペリエンスを設計するにあたり、これらのポイントを指針としました。まず、Titanium オフロードを活用することで、実施するインフラストラクチャ メンテナンス イベントの数を大幅に減らすことができました。また、メンテナンス イベントが必要な場合は少なくとも 60 日前に通知し、その期間内であればいつでもメンテナンス イベントをトリガーしていただけるようにしています。
X4 のパフォーマンスと信頼性の特性が相まって、要求の厳しいお客様やパートナーからも高い評価をいただきました。
「SAP Enterprise Cloud Services では、RISE with SAP 用の X4 および C3 メタルシステムのインテグレーションを評価、検討しており、その信頼性、パフォーマンス、管理の容易さには驚いています。」(SAP SE、Enterprise Cloud Services、RISE with SAP 担当 CTO Lalit Patil 氏)
一般提供開始: C3 ベアメタル マシンタイプ
ベアメタル マシンタイプは、マシンの CPU やメモリのリソースに直接アクセスする必要のあるワークロード(ハイパーバイザやコンテナ プラットフォームなど)や、仮想マシンではサポートされていないワークロードがあるお客様、パフォーマンスのモニタリングまたはライセンスに関して特別な要件があるお客様に最適です。
特に、金融サービス、SaaS / PaaS セキュリティ、開発 / テスト、プライベート クラウド プラットフォーム分野のお客様は多くの場合、パフォーマンスの目標を達成するためにベアメタル マシンタイプを必要とします。
「Google Cloud の新しいベアメタル マシンタイプの発表は待望のものでした。Nutanix は Google と協力し、組織がクラウドのメリットを最大限に活用しながら、レガシーアプリや最新の AI 対応アプリ向けにユニバーサルなハイブリッド マルチクラウド オペレーティング モデルを実現できるよう支援するのを心待ちにしています。」(Nutanix、最高商務責任者 Tarkan Maner 氏)
C3 ベアメタル インスタンスは、第 4 世代の Intel Xeon スケーラブル プロセッサをベースにしています。これは C3 仮想マシン(VM)に搭載されているのと同じ未加工のサーバー プラットフォームです。Google Cloud で Intel Quick Assist(QAT)、Intel Data Streaming Accelerator(DSA)、Intel In-Memory Analytics Accelerator(IAA)などの Intel の統合 CPU 機能を利用できるのは、これらのインスタンスのみです。また、最大の C3 VM と多くの属性が共通しています(同じ Hyperdisk ストレージ オプション、同じ標準および Tier_1 帯域幅など)。最後に、C3 ベアメタル インスタンスでは、メンテナンス エクスペリエンスを他の C3 マシン ファミリーと同様に管理できます。これらのインスタンスには次の 3 種類の構成が用意されています。
ワークロードに最適化されたインフラストラクチャに引き続き注力
X4 と C3 のベアメタル インスタンス タイプは、Titanium オフロード システムを中核とする Compute Engine アーキテクチャへの数年にわたる投資が結実したものです。名前が似ている Bare Metal Solution とは異なり、X4 と C3 のベアメタル マシンタイプは、特定のワークロードやユースケースに限定されません。Google Cloud データセンターにある Google Cloud のサーバー フリートで実行される、完全に統合されたネイティブの Compute Engine インスタンスです。他の Compute Engine VM と同様に利用できます。インフラストラクチャのモダナイゼーションについてお客様を引き続きサポートするために、今後のマシン ファミリーではベアメタル シェイプを増やしていく予定です。
X4 インスタンスの利用を開始するには、お客様のアカウント担当の Google チームか、担当の Google Cloud セールス スペシャリストにお問い合わせください。
C3 ベアメタル マシンタイプは現在、us-central1、us-east5、us-east1、europe-west1、europe-west4 でご利用いただけます。C3 VM をご利用いただける他のリージョンへも今後提供される予定です。C3 マシン ファミリーの他のメンバーと同様に、オンデマンド、確約利用割引(CUD)、またはフレキシブル CUD を利用して購入できます。詳しくは、C3 の事前定義されたコンピューティング リソースの料金をご覧ください。
ー Google Cloud プロダクト マネージャー Eddie DeJesus
ー Google Cloud プロダクト管理担当 Ziv Kalmanovich