1 年を振り返る: 2022 年、Chrome ブラウザがユーザー企業にもたらしたもの
Google Cloud Japan Team
1 年を振り返る: 2022 年、Chrome ブラウザがユーザー企業にもたらしたもの
※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
早いもので、2022 年も終わろうとしています。一年の締めくくりに、企業ユーザー向けに Chrome に加えられた改善点のすべてをまとめてみることにしました。ウェブ上で行われる作業が増えた現在、IT チーム、セキュリティ チーム、そしてエンドユーザーのニーズに合致するブラウザを手に入れることは、企業にとって不可欠です。そこで Google は、次のことに注力してきました。
ユーザー環境内で Chrome を管理する方法の最適化
企業ブラウジングの安全性の確保と、拡大したセキュリティ エコシステムへの対応による従業員の保護
業務に適合させるための Chrome の改善
これらに関連して今年リリースされた、記憶に残る機能改善をいくつか振り返ってみましょう。
ブラウザ管理を最適化
Chrome を管理すると、Chrome を組織のニーズに合わせられるようになるという点で、新たにさまざまなメリットを得られます。Chrome の管理で推奨されるのは、Chrome ブラウザ クラウド管理を使う方法です。複数のオペレーティング システムにわたって Chrome を管理できるだけでなく、重要なブラウザ情報を表示できるほか、IT チームの業務に役立つさまざまな機能を利用できます。Chrome の管理に関連して今年加えられた改良点を、いくつかご紹介します。
ビジネス ユーザーは、ビジネス アプリケーションとデータにどこからでも簡単にアクセスする必要があります。そういったユーザーをサポートするために、今年は Chrome のクラウド管理機能を Android と iOS のモバイル デバイスでも利用できるようにしました。これにより、Chrome ブラウザ クラウド管理機能を使ってポリシーを構成、設定して、より安全で整合性の取れたクロスデバイス ユーザー エクスペリエンスを実現できるようになりました。また、集約化されたブラウザ レポートを取得し、API を使用して、カスタム ダッシュボードとワークフローに対して情報をエクスポートすることも可能になりました。
Mac と iOS デバイスの Chrome がますます使いやすくなりました。Chrome で Jamf Pro を使ったゼロタッチ登録ができるので、MacOS、iOS、iPadOS デバイスを対象としたブラウザ ポリシーのデプロイとカスタマイズを Jamf Pro コンソールや Google 管理コンソールから直接行えます。
Chrome ブラウザ クラウド管理の最近の改善により、IT チームがアプリケーションと拡張機能の詳細を確認し、より多くのデータをエクスポートして、セキュリティに関してより多くのインサイトを得ることが可能になりました。Google 管理コンソールに新たに組み込まれた Chrome ガイド モジュールは、未経験の管理者が Chrome ブラウザ クラウド管理をスムーズに使い始められるようサポートします。
Chrome ブラウザ クラウド管理をまだ利用していない場合は、こちらからお試しください。Chrome をクラウドから管理するための料金はかかりません。
安全な企業ブラウジングで従業員を保護
サイバーセキュリティに関しては、Chrome は安全な企業向けブラウザとして、数百万ものビジネス ユーザーからの信頼を獲得しています。Google は今年も、この分野への投資を継続し、組織のブラウザ セキュリティ戦略により高い柔軟性を提供するための、より広範なエコシステムで取り組みを拡大しました。新たに使用できるようになったセキュリティ保護機能をいくつかご紹介します。
Chrome には、組織内のユーザーを保護する組み込みのセキュリティ機能と、IT チームとセキュリティ チームがブラウザ内で適用することができるコントロール一式が備わっています。すべてまたは一部のユーザーを対象に、組織としてより高度なアプローチを模索している場合、Chrome を Google のゼロトラスト ソリューションである BeyondCorp Enterprise と組み合わせれば、企業データを保護し、ゼロトラスト セキュリティ モデルを適用し、セキュリティとリスクに関する高度なインサイトを得ることができます。Google の企業向けセキュア ブラウジング ソリューションの最大の特長は、それが Chrome に組み込まれているところです。追加のソフトウェアやエージェントをインストールしてデプロイする必要がありません。
他のセキュリティ ツールやプラットフォームを組織内でシームレスに Chrome と統合して、セキュリティに関するより高度なインサイトを得ることもできます。Google Cloud Pub/Sub や Google Chronicle のみならず、Splunk、CrowdStrike のようなサードパーティ ソリューションでも、いくつかの単純な手順だけでインテグレーションを設定して、ブラウザの重要なセキュリティ イベントを選択したソリューションに向けて送信し、セキュリティ フォレンジックを行えるようになります。安全ではないサイトへのアクセス、パスワードの侵害、パスワードの再利用などといった、ブラウザ環境で生じる潜在的脅威の可視性が高まることで、IT チームとセキュリティ チームがセキュリティに関してデータドリブンでより適切な決定を下せるようになります。2023 年には、Chrome に関するパートナーとのインテグレーションを一層進めていく予定です。
業務向けに Chrome を改善
Chrome を業務向けに改善していくうえで基本となる要素に、パフォーマンスの向上が挙げられます。Google は、Chrome を市場で最も高パフォーマンスなブラウザにすることを目標としています。Google では、Chrome のパフォーマンスをより一層高めるために、継続的に内部での性能向上を図っています。Chrome のもう一つの大きな焦点は生産性です。エンドユーザーだけでなく、IT 部門もその対象です。就業時間の中でウェブを利用する時間はさらに増加しています。Google は、ユーザーの生産性を可能な限り向上させるために必要なツールを提供したいと考えています。この分野で注目すべき進歩について、いくつかご紹介します。
Chrome ジャーニーを使って、中断したところから検索を再開できるようになりました。関連する単語を検索バーに入力して [リサーチの再開] をクリックするか、Chrome 履歴ジャーニーのページを表示すると、表示したことのある関連するサイトのリストが表示されます。中断した箇所からすばやく作業を再開できます。エンドユーザーにとって、これはワークフローの継続性を維持する優れた方法です。
単純なタスクを実行し、Chrome アクションを使って Chrome の設定を行うことが、これまで以上に簡単になりました。Google は今年、[設定を管理]、[Chrome をカスタマイズ]、[Chrome 履歴を表示]、[ユーザー補助設定を管理]、[このタブを共有] の各アクションをリリースしました。これらのコマンドをアドレスバーに直接入力すると、アクションを実行する画面へすぐに移動できます。
最近リリースされた Chrome の新機能により、バッテリーの節約とブラウジングの高速化が可能になりました。メモリセーバー モードを使うと、その時点で使用されていないタブからメモリーが開放されるため、従業員がブラウジングしているウェブサイトの動作速度が最大限に引き上げられます。バッテリーの節約については、デバイスのバッテリー残量が 20% にまで低下すると、アニメーションと動画を使用するウェブサイトを対象としたバックグラウンド アクティビティと視覚効果を Chrome が制限します。こうした機能の制御に使用できる企業向けポリシーには、TabDiscardingExceptions、BatterySaverModeAvailability、、HighEfficiencyModeEnabled があります。
今年、Chrome は Speedometer で最もスコアが高いブラウザになりました。M1 搭載 MacBook を使用した Apple の Speedometer 2.0 スイートで、300 ポイントを超えるスコアを記録しました。これはこれまでで最高のスコアです。
さらに今年は、100 回目のリリースを達成しました。Chrome を業務に最適なブラウザにするために、さまざまな取り組みを行いました。?
皆様のご協力のおかげで、2022 年は素晴らしい成果を達成することができました。2023 年も、皆様にとってさらに役立つ改善を加えられるよう努めてまいります。企業を対象とした Chrome の新機能に関する詳細については、先ごろの Chrome Insider イベントをオンデマンドでご覧ください。
最後に Chrome ブラウザのエンタープライズ チームを代表して、皆様が良いお年をお迎えくださいますようお祈りいたします。