マネーフォワード: デジタルインボイスに関する新たなサービスの開発に向けて、Tech Acceleration Program を利用
Google Cloud Japan Team
Google Cloud Tech Acceleration Program (TAP) は、ユーザー企業が DX の取り組みを加速させるために、クラウドネイティブな技術を活用して、実際のアプリケーションを題材にして、迅速で効率的なアプリケーション開発を体験いただける、アジャイル型のワークショップです。株式会社マネーフォワード(以降マネーフォワード)は、2022 年 12 月 19 日 〜 21 日、 TAP に参加。サービス基盤本部長の鈴木陽介様、CTO オフィス / デジタルインボイスチームの都築貴之様、前田喬之様にお話を伺いました。
マネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションとして掲げ、SaaS x Fintech 領域でサービスを展開してきました。テクノロジーの力でお金の課題を解決し、多くの人が、前向きにチャレンジできる社会を目指していきます。法人、個人、金融機関など多様なユーザーにサービスを提供、その多くがマネーフォワードのコアテクノロジーをベースにしており、テクノロジーへの高い投資効率、プロダクト開発スピードの向上を実現しています。
プロダクト開発は、各プロダクトごとに開発体制をもち、それぞれ自立して主体的に開発し、基盤や運用については、標準プラットフォームなど共通部分を担当するチームと連携します。標準プラットフォームは Kubernetes で構築されており、各プロダクトチームは、この上にサービスを構築します。
TAP で利用した主なサービス:Cloud Run, Cloud Pub/Sub, Cloud Firestore, Cloud Spanner
TAPで利用したソリューション:アプリケーションのモダナイゼーション
- 今回、TAP で対象とされた貴社のアプリケーションについて教えて下さい。
都築様: 2023 年のインボイス制度の開始に向けて、当社としても、デジタルインボイスに対応する新たなサービスを開発することを決定しました。ここでは、ヨーロッパで既に本格的に採用されている「ペポル」をベースとして、国内でもデジタル庁が普及を推進しているデジタルインボイスの標準仕様である「JP PINT」を採用することにしました。これによって、ユーザーは請求業務を半自動化することができ、生産性を大きく向上させることが期待できます。このサービスは、インボイス制度開始までに、まず日本でリリースする予定で、その後グローバルへの展開を目指します。
鈴木様: マネーフォワードのほとんどのサービスは、これまで日本国内向けに展開していますが、いずれグローバル展開していきたいと考えています。グローバルでのサービス提供を目指すため、いくつかの課題があります。まず、現状のプラットフォームは日本リージョンに閉じて構築されているため、レイテンシーの問題があり、最適でない可能性があると思っています。ユーザーに近いリージョンで同様のプラットフォームを作ろうと思うと、グローバル展開初期では、ユーザーや市場の動向を見ながらスモールスタートでビジネス展開をする必要があります。しかし、現状の標準プラットフォームは大きすぎて、管理負荷やコストに見合わないと考えています。このような要件を考えると、現状のプラットフォームをそのまま適用する考え方に限定せず、新たなプラットフォーム構築も検討すべきと考えていました。Google Cloud は、グローバル対応はもちろん、PaaS のサービスが充実している印象があり、グローバルなサービスを支えるプラットフォームの候補として評価したいと考えています。今回のサービスはグローバルに展開する可能性を秘めてるため、その試金石としたく、当社担当のエンジニアに相談したところ、TAP で実際に試してみることを提案され、参加することにしました。
- 貴社でのアプリケーション開発のスタイルについて教えてください。
都築様: 原則として、内製で開発しています。国内だけでなく、ベトナムやインドにも開発チームがあります。過去には外注を試みたこともありましたが、会社のミッション、ビジョンを理解した上で開発を進めてもらうことが難しいことや、メンバーが変わった時の引き継ぎに想定以上のコストがかかるなどの課題を感じ、内製に拘って開発をしています。
鈴木様:アジャイル開発が基本で、開発チームの自由を尊重しています。今後、開発体制はさらにグローバルに拡大する方向で検討しており、言語やドキュメントなどの課題について、検討しているところです。
- 実際に TAP に参加されたご感想を教えてください。
鈴木様: とてもよかったです。想像をはるかに上回る価値があったと感じています。ユーザーフォーカスを大切にしながらも、機能面をしっかりおさえた議論ができました。Google Cloud のエンジニアの皆様は、業務ロジックと今後のビジネスの方向を確認してくれて、それを起点としたアーキテクチャ設計のガイドをしてくれました。
都築様: 私たちのサービスの特性をしっかり理解いただき、ビジネスに照らした提案をしてくれました。また、Google Cloud のサービスについても理解を深めることができました。
前田様: Google Cloud を体系的に理解できました。また、これまでアーキテクチャ設計にあたっては、実装しないといけない機能ばかりを考えてきましたが、非機能要件も含めたガイドもしていただき、とても助かりました。
- TAP で得られたことを、 今後どのように活用されますでしょうか。
鈴木様: まず、マネーフォワードのプロダクトの品質向上に活かして行きたいと考えます。Google Cloud がコストや開発生産性に優れることがわかったので、今回の TAP で扱い検討した Cloud Run や Firestore, Pub/Sub などの製品とアーキテクチャを活用し、また運用設計の見直しなどを検討したいと思います。また、今回 TAP で得たノウハウを社内で積極的に展開し、各開発チームがより自立できるように支援していくことを考えています。
- Google Cloud への期待、要望について、お聞かせください
鈴木様: 今後、他のアプリケーションでの課題に対しても Google Cloud と TAP のアプローチを検討したいと考えます。引き続き Google Cloud の皆様とこのような形でご支援いただけることを期待しています。
マネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションとして掲げ、SaaS x Fintech 領域でサービスを展開しています。テクノロジーの力でお金の課題を解決し、多くの人が、前向きにチャレンジできる社会を目指していきます。
法人、個人、金融機関など多様なユーザーにサービスを提供、その多くがマネーフォワードのコアテクノロジーをベースにしており、テクノロジーへの高い投資効率、プロダクト開発スピードの向上を実現しています。
インタビュイー
株式会社マネーフォワード
サービス基盤本部長 鈴木陽介様CTOオフィス/デジタルインボイスチーム 都築貴之様、前田喬之様