コンテンツに移動
AI & 機械学習

会話型 AI を導入してカスタマー エクスペリエンスを向上

2020年9月10日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 9 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。


会話型 AI は、カスタマー エクスペリエンスやユーザー エンゲージメント、コンテンツへのアクセスといった分野で新しい可能性を切り開いています。

Cloud AI では、音声および自然言語処理に Google の画期的な機械学習モデルを取り入れ、これをコンタクト センター スペースに応用することで、カスタマー エクスペリエンスの大幅な向上を図りつつ、運用コストの削減にも成功しています。これにより、コンタクト センターの中心は、これまで表に出ることのなかった企業の裏方から役員室や企業戦略の中枢へと移っています。

Google のソリューション、Contact Center AI(CCAI)は、世界中の企業が顧客のサポート方法を模索しているこの難しい時局にあって、デジタル変革の促進をお手伝いするソリューションです。Google のお客様で、CCAI を使って AI を活用した会話の可能性を再定義したのが Verizon です。

音声通話であるかチャットであるかに関係なく、Verizon の顧客は、メニュー プロンプトやメニューツリーを経由しなくても、ただ単に質問するか質問を入力するだけで、CCAI の自然言語認識機能により最善のサポートが提供されます。堅苦しい言葉遣いやロボットのような命令形の表現はありません。

「Verizon と Google Cloud との連携によるカスタマー エクスペリエンスの機能強化が実現したことで、当社のお客様により高速かつカスタマイズされたデジタル エクスペリエンスを提供できるようになったうえ、カスタマー サポート エージェントが提供するサービスの質も向上しました」と、Verizon のシニア バイス プレジデント兼最高情報責任者である Shankar Arumugavelu 氏は述べています。

CCAI はまた、カスタマー サービスの品質を落とすことなく、コスト削減を実現しています。以前は、顧客満足度(CSAT)の改善を図るためには人員を増やさなければならず、運用コストがかさみました。逆に人員を減らすと、今度は CSAT スコアが低下しました。Contact Center AI(CCAI)であれば、この 2 つを両立させることができます。

CCAI では人間のエージェントの補助として、仮想エージェントを使用して顧客からのリクエストを迅速に処理し、顧客とのやり取りから得た分析情報をシステムに戻すことで改善を図っています。結果として、質問すればすばやく答えが返されるのでカスタマー エクスペリエンスが向上し、運用コストも抑えられることになります。顧客とやり取りする人間のエージェントは、より価値の高いタスクに集中できます。

新しい製品や機能の追加でカスタマー エクスペリエンスがさらに向上

Google では、CCAI への投資を継続しています。今回は以下の新機能をご紹介したいと思います。

Dialogflow の最新バージョンである Dialogflow CX は、モバイルアプリとウェブ アプリケーション、スマート デバイス、bot、インタラクティブ音声レスポンス システム、一般的なメッセージング プラットフォームなどに自然で豊かな会話環境を組み込もうと、100 万人以上の開発者が活用している開発スイートです。今回ご紹介する新バージョンの Dialogflow は、複雑な(多重の)会話を扱う大規模なコンタクト センター向けに最適化されていて、真にオムニチャネルなものになっています。一度ビルドすれば、コンタクト センターであれデジタル チャネルであれ、どこにでもデプロイできます。Dialogflow CX には、仮想エージェントを作成、構築、管理できる新しいビジュアル ビルダーを搭載しています。現在はベータ版で利用可能です。

Dialogflow CX によって会話の状態管理がレベルアップしました

Lukasz Rewerenda 氏, Randstad(オランダ)の主力ソリューション設計担当

Agent Assist for Chat は、Agent Assist の新モジュールです。音声通話に加え、「チャット」に対しても顧客の意図を識別してリアルタイムで詳細な手順を提供し、エージェントを継続的にサポートします。Agent Assist を使用することで、エージェントはよりすばやく効率的に対応できるようになり、対応の難しい会話に時間を割くことができるようになるため、カスタマー エクスペリエンスだけでなくエージェントが提供するサポートの質も向上します。Agent Assist が通話をリアルタイムで音声文字変換し、顧客の意図を識別して、リアルタイムの手順を追ったサポート(おすすめの記事、ワークフローなど)を提供し、通話の処理を自動化します。

規制の厳しい業種のお客様の場合、Agent Assist を使用すれば(入れ替わりが激しく教育時間が足りない場合に起こり得る)エージェントが不正確な情報を伝えてしまうといったリスクを排除できます。また、Agent Assist であれば、最新の割引情報や特価情報、特典などを表示することが可能です。こうした情報は頻繁に変わるため、人間のエージェントが追跡するには限界があります。

ベータ版で利用可能な Custom Voice は、CCAI と Google の Text-to-Speech API 向けの新機能であり、他の企業も使用している一般的な音声の代わりに、お客様のブランドを代表する独自の音声を作成して、顧客とのあらゆるタッチポイントに使用することができます。Custom Voice で作成した、Text-to-Speech のカスタムモデルを活用すれば、新しい文句を録音するために声優を使ったスタジオ録音を調整する手間もかからず、企業に合った音声プロファイルを定義、選択して、変更に合わせて調整できます。

Google Cloud のプロダクトや機能は、Google Cloud の AI の原則に従っています。Custom Voice にご興味のある場合は、お客様のユースケースが Google Cloud の AI の原則に沿ったものかどうかを確認する審査プロセスがありますのでご利用ください。Custom Voice の詳細と登録方法について詳しくは、こちらをご覧ください。

Google の画期的なオンプレミスの音声モデル

多くのお客様はパブリック クラウドにすべてをまとめてしまおうとは考えていないため、Google Cloud では AI 機能をオンプレミスで実行できるように拡張することにしました。そこで先週発表したのが、Speech-to-Text On-Prem です。これは Google Cloud 初のハイブリッド AI で、現在一般向けに提供されています。Speech-to-Text On-Prem を使用すると、音声データを自社のデータセンター内から完全に制御でき、データの常駐要件とコンプライアンス要件を簡単に満たすことができます。また、Speech-to-Text On-Prem は Google の研究チームによる最先端の音声モデルを活用しています。このモデルは既存のソリューションよりも正確でサイズが小さく、実行に必要なコンピューティング リソースが少なくて済みます。

Google の委託により Forrester Consulting が新たに実施した、CCAI による企業のコスト削減およびカスタマー エクスペリエンス向上の現状に関する調査については、「New Technology: The Projected Total Economic Impact™ Of Google Cloud Contact Center AI」をご覧ください。CCAI と会話型 AI について詳しくは、導入事例をご覧いただき、次にご紹介する Next OnAir のセッションもご確認ください。

CCAI の現状(基調講演)

Speech-to-Text の精度測定と改善(ブレイクアウト セッション)

CCAI でカスタマー サービスを変革(デモ)

動作中の次世代の 3-1-1 を確認(デモ)

-会話型 AI プロダクト主任 Antony Passemard

投稿先