Google と Automation Anywhere による仮想エージェントの強化でカスタマー エクスペリエンスを刷新
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 2 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
パンデミックの発生により、コンタクト センターのトラフィックは300% も増加し、センターの機能に負担がかかっています。この急増するトラフィックに対処し、増大するお客様の需要に対応するために、多くのカスタマー エクスペリエンス プロバイダは、カスタマー サポートの最前線(ときには最後の砦)として機能する仮想エージェントの形式で自動化を導入してきました。適切なタイミングで完全なカスタマー サービスを提供するうえでこれらの仮想エージェントが発揮する効果は、コンタクト センターのインフラストラクチャと自動化ソリューションの機能によって大きく左右されます。
カスタマー サポート プロバイダは、会話型 AI を使用してカスタマー エクスペリエンスを刷新し、Google Cloud と Automation Anywhere のパートナーシップを活用して業務をモダナイズできるようになりました。
Google Cloud Contact Center AI(CCAI)ソリューション と Automation Anywhere のクラウドネイティブな Automation 360 プラットフォームを組み合わせ、パフォーマンス指標と顧客満足度を向上させることで、コンタクト センターの競争力を維持して、高まり続ける期待を上回ることができるようサポートします。
あちこちに散らばる情報とアクセス制限
年月を重ねるにつれて、多くのコンタクト センターには大量のシステムが累積され、多くの場合インフラストラクチャは分断された状態になっています。その結果、人間のエージェントも仮想エージェントも、正確かつ完全なサービスのタイムリーな提供を求めるお客様の期待の高まりに対応し続けるのが困難になっています。最新のソフトウェアとインフラストラクチャがなければ、人間のエージェントは異なるシステムにログインし、記録を選別し、必要な情報をコピーして次のアクションを判断するという「回転椅子」のような繰り返し操作を行わなければなりません。このアプローチでは、平均対応時間(AHT)の短縮、処理エラーの削減、顧客満足度の向上を達成することはできません。
このようなサイロ化した環境では、仮想エージェントが関連するすべてのデータシステムやアプリケーションに接続できない場合があります。それにより、人間のエージェントをサポートするためにできることも制限されてしまいます。通常、仮想エージェントは、銀行のお客様に口座の残高情報を提供するなど、基本的なお客様のリクエストに対応できます。融資限度額の申請など、より複雑なリクエストの場合は、仮想エージェントは引き続き人間のエージェントにお客様を転送する必要があり、回転椅子(繰り返し)の操作が始まります。
RPA を活用した AI 搭載仮想エージェントの投入
Google Cloud Contact Center AI と Automation Anywhere の Automation 360 プラットフォームを組み合わせることで、コンタクト センターは仮想エージェントを最大限に活用し、顧客エンゲージメントを強化できます。さらに、自動化の統合、API の公開、仮想エージェントのための新しいプロセスの作成によりユーザーが必要な情報に素早くアクセスできるようにすることで、カスタマー エクスペリエンス チームは業務を効率化できます。これにより、「回転椅子」のような繰り返し操作の必要性を最小限に抑えることができます。
Automation 360 により、CCAI 仮想エージェントは従来のインフラストラクチャと最新のインフラストラクチャ両方のあらゆるシステムやアプリケーションへのアクセスが可能になり、すべてのケースを迅速かつ容易に解決できるようになります。仮想エージェントは、迅速に回答できるようになるだけでなく、より複雑なエンドツーエンドのリクエストも遂行できるようになります。RPA を使用することで、お客様はコンタクト センター業務の効率が 66% 向上し、同時に AHT を短縮する目標も達成されたと報告しています。
この動画では、こうした自動化がカスタマー サービスのリクエストの処理時間を大幅に短縮する方法を説明しています。また、コンタクト センターの自動化の詳細についても確認できます。
さらに、包括的な開発プラットフォームである Google Cloud CCAI Dialogflow は、会話型 AI 搭載の仮想エージェントである chatbot と voicebot を活用しています。そのため、お客様はブランドに連絡する際、まるで人間が対応しているかのようなサービスをいつでも体感できます。CCAI Agent Assist により、人間のエージェントに詳細な手順、すぐに使える回答、すぐに送信できる応答が提供されます。CCAI Insights により、問い合わせの要因や顧客感情などの主な指標がワークフロー最適化のために特定されます。
潜在能力を発揮
デジタル カスタマー エクスペリエンスの大手プロバイダである TELUS International は、Google Cloud と Automation Anywhere 両社の長年のパートナーです。仮想エージェントを活用して従業員とお客様のエクスペリエンスを向上させています。
「カスタマー エクスペリエンスとデジタル トランスフォーメーションにおける当社の専門知識と技術パートナーの革新的なソリューションを組み合わせることで、クライアントに大きな価値を提供できることを大変誇りに思っています」と TELUS International 最高技術責任者の Jim Radzicki 氏は説明します。「たとえば、Google Cloud Contact Center AI と Automation Anywhere の RPA の統合を活用することで、仮想エージェントの機能を拡張してさまざまなお客様のリクエストを処理しながら、チームメンバーは最も重要な会話に集中し、すべてのお客様と有意義な関係を築くことができます。」
CCAI と Automation 360 を使用することで、コンタクト センターは仮想エージェントにより 24 時間 365 日対応の包括的で正確なサービスの提供が可能になり、トラフィックが大量の場合でも待ち時間を短縮できます。しかもメリットはこれだけではありません。
Automation 360 と CCAI の統合をさらに進めることを予定しており、CCAI Agent Assist の機能が RPA によって強化され、まだ活用されていない大文字と小文字を区別する情報が人間のエージェントに提供されます。さらに、Automation 360 Bot Insight により、CCAI Insights および TELUS International の Intelligent Insights が補完されます。これは、バックエンド データアクセス指標を使用して RPA ソリューションおよび bot をモニタリングおよび管理する、ツールに依存しないプラットフォームです。
Google Cloud と Automation Anywhere は、自動化機能を拡張するコンタクト センター ソリューションの開発を続け、カスタマー サービスと顧客満足度のさらなる向上を目指します。人間のエージェントは繰り返し作業をするのではなく、再びコールセンターの活動の中心となり、自身の作業およびお客様のエクスペリエンスを次のレベルへと引き上げます。
- Automation Anywhere プロダクト担当シニア ディレクター Aziz Khan
- Google Cloud シニア プロダクト マネージャー Shantanu Misra