Sentinel-2 データ

Sentinel-2 は複数の地球観測衛星で構成されています。衛星は、欧州委員会の壮大なコペルニクス地球観測プログラムの一環として、欧州宇宙機構の下で開発されたものです。コペルニクス計画は最も包括的かつ体系的な地球観測計画です。計画はいくつかの Sentinel ミッションからなり、陸地、海洋、大気の観測を 2030 年まで継続的に行います。Sentinel-2 の衛星は、広範囲にわたるマルチスペクトル画像処理機能を搭載しており、地球の陸地、島、水路すべてを対象とした、これまでにない地球の観測を行います。

Sentinel-2 のデータは、農業、林業、その他の土地管理で活用されます。たとえば、葉面積、葉緑素、含水量の調査に使用され、森林被覆や土壌の分析に利用されています。また、内陸水路と沿岸地域の監視にも利用されています。洪水や火山噴火などの自然災害の画像は、救助活動や防災マップの作成に役立っています。

Sentinel-2 ミッションでは 2 機の衛星が使用されます。Sentinel-2A は 2015 年 6 月 23 日に打ち上げられ、Sentinel-2B は 2017 年 3 月 7 日に打ち上げられました。3 機目の衛星である Sentinel-2C は、2024 年に打ち上げられる予定です。2 機の衛星が運用されているので、5 日ごとに地表の各ポイントを観測できます。各衛星はマルチスペクトル計測器(MSI)を搭載し、合計 13 バンドの観測波長帯をもちます。観測幅も 290 km と広く、空間分解能は 10 m/ピクセルです。

欧州委員会と欧州宇宙機構のオープンデータ ポリシーにより、このデータセットは、Google Public Cloud Data プログラムの一部として無料で公開されています。Google Cloud をご利用の方はどなたでも利用できます。

データセットの構造

Sentinel-2 の画像はレベル 1C で処理されています。反射率データを含み、地図投影されたオルソ画像です。Sentinel-2 の概要については、Sentinel-2 ユーザーガイドをご覧ください。また、詳細については、Sentinel-2 テクニカル ガイドをご覧ください。

この画像は JPEG 2000 ファイル形式で保存されています。また、簡単にアクセスできるように、スペクトル バンドが別のファイルに保存されています。また、Sentinel-2 のタイルグリッドで編成されています。このグリッドは軍のグリッド指示方式に従い、1 片が約 100 km の正方形のタイルで分割されています。ある時点に撮影された 1 つの画像を「グラニュール」と呼んでいます。Cloud Storage では、次のディレクトリ構造でグラニュールを編成しています。

/tiles/UTM_ZONE/LATITUDE_BAND/GRID_SQUARE/GRANULE_ID/...

このパスの構成は次のとおりです。

  • UTM_ZONE: ユニバーサル横メルカトル図法(UTM)の経度ゾーンを表す番号。
  • LATITUDE_BAND: 緯度帯を表す "C" から "X" までの文字("I" と "O" は省略)。
  • GRID_SQUARE: 特定の 100 km 四方の領域を表す 2 文字のコード。
  • GRANULE_ID: 特定のグラニュールを表す Sentinel-2 ID。このグリッドの特定の時間の画像を表します。

たとえば、ドイツ東方の特定の GRID_SQUARE の Sentinel-2 のすべてのグラニュールは次の場所にあります。

gs://gcp-public-data-sentinel-2/tiles/33/U/UP/

GRANULE_ID ディレクトリで、グラニュール画像とそのメタデータがヨーロッパの標準アーカイブ形式(SAFE)で編成されています。各 GRANULE_ID ディレクトリのサブディレクトリには GRANULE という名前が付き、グラニュール データと、このグラニュールが属しているプロダクトに関連付けられた追加メタデータが保存されています。欧州宇宙機構では現在、グラニュールの配布方法を移行しています。このディレクトリ構造はその移行を反映しています。

グラニュール内には 3 つのサブディレクトリがあります。

  • IMG_DATA/: 実際の画像データ。13 個の JPEG 2000 ファイルで保存されています(スペクトル帯ごとに 1 個)。
  • QI_DATA/: このグラニュールの品質管理レポート。
  • AUX_DATA/: このグラニュールの ECMWF 天気予報データ。

データセットへのアクセス

JPEG 2000 ファイルを認識するソフトウェアであれば、画像データに簡単にアクセスできます。追加のメタデータ ファイルは、欧州宇宙機構(ESA)が開発したオープンソースの Sentinel-2 Toolbox で使用できます。このツールボックスには、Sentinel-2 データの表示、分析、処理を行うツールが含まれています。

必要なデータが簡単に見つかるように、BigQuery で使用可能な Sentinel-2 データのインデックス テーブルを用意しています。このテーブルに対して SQL を使用してクエリを実行できます。このテーブルには、使用可能なグラニュールの情報(撮影日、最大 / 最小の緯度経度など)が記述されています。BigQuery を使用するには、ユーザー アカウントを取得して Google Cloud プロジェクトを作成する必要があります。

Google Earth Engine

Google Earth Engine を使用すると、Sentinel-2 データのクエリ、可視化、分析を行うことができます。データは、id [COPERNICUS/S2_HARMONIZED[(https://developers.google.com/earth-engine/datasets/catalog/COPERNICUS_S2_HARMONIZED) の画像コレクションで利用できます。

データセットについて

データセット ソース: 欧州委員会(コペルニクス計画)、ESA

カテゴリ: 衛星画像、地理情報

用途: Sentinel データは、EU 法に基づき、無料で公開されています。使用方法の詳細については、Copernicus Sentinel のデータとサービスの情報をご覧ください。

更新頻度: New Sentinel-2 画像は、利用可能になった時点で毎日追加されています。データは、通常コペルニクス計画が公開した 1~2 日後に利用可能になります。定期または臨時メンテナンスのためにさらに遅れる場合もあります。

形式: JPEG 2000 と付属データ

Cloud Storage のロケーション: gs://gcp-public-data-sentinel-2(EU マルチリージョン)。