Bookinfo サンプルのデプロイ

このページでは、サンプル アプリケーションをデプロイし、Anthos Service Mesh のデモを行う方法について説明します。Anthos Service Mesh をまだインストールしていない場合は、インストール ガイドをご覧ください。

Anthos Service Mesh をインストールすると、いくつかのサンプル アプリケーションがインストールされます。このガイドでは、BookInfo サンプルをデプロイする方法について説明します。これはシンプルな模擬ブックストア アプリケーションで、商品のウェブページ、書籍の詳細、レビュー(レビュー Service は複数のバージョンを使用)、評価を提供する 4 つの Service で構成されます。これらはすべて Anthos Service Mesh で管理されます。この例で使用されているソースコードなどのすべてのファイルは、samples/bookinfo の Anthos Service Mesh インストール ディレクトリにあります。

自動サイドカー インジェクションを有効にする

自動挿入を有効にするには、デフォルトのインジェクション ラベルを使用して名前空間にラベルを付けるか(デフォルトのタグを設定した場合)、リビジョン ラベルを名前空間に追加します。追加するラベルは、マネージド Anthos Service Mesh をデプロイしたか、クラスタ内コントロール プレーンをインストールしたかによっても異なります。ラベルは、サイドカー インジェクタ Webhook によって、挿入されたサイドカーを特定のコントロール プレーン リビジョンに関連付けるのに使用されます。

クラスタ内

  1. 次のコマンドを使用して、istiod のラベルを探します。

    kubectl -n istio-system get pods -l app=istiod --show-labels
    

    出力は次のようになります。

    NAME                                READY   STATUS    RESTARTS   AGE   LABELS
    istiod-asm-173-3-5788d57586-bljj4   1/1     Running   0          23h   app=istiod,istio.io/rev=asm-1146-16,istio=istiod,pod-template-hash=5788d57586
    istiod-asm-173-3-5788d57586-vsklm   1/1     Running   1          23h   app=istiod,istio.io/rev=asm-1146-16,istio=istiod,pod-template-hash=5788d57586
    

    出力の LABELS 列で、接頭辞 istio.io/rev= に続く istiod リビジョン ラベルの値をメモします。この例での値は asm-1146-16 です。

  2. リビジョン ラベルをデフォルトの名前空間に適用します。次のコマンドにおいて、REVISION は前の手順でメモした istiod リビジョン ラベルの値です。

    kubectl label namespace default istio-injection- istio.io/rev=REVISION --overwrite
    

    出力中のメッセージ "istio-injection not found" は無視します。これは、今までは名前空間に istio-injection ラベルが付いていなかったことを意味します。Anthos Service Mesh の新規インストールや新規デプロイでは、これは想定される状態です。名前空間に istio-injection とリビジョン ラベルの両方があると自動インジェクションが失敗するため、Anthos Service Mesh ドキュメント内のすべての kubectl label コマンドは両方のラベルを明示的に指定します。

マネージド サービス メッシュ

  1. asm-managed-regular リビジョン ラベルを default 名前空間に適用します。

    kubectl label namespace default istio-injection- istio.io/rev=asm-managed-regular --overwrite
    

    このラベルは、Anthos Service Mesh バージョンの現在のマネージド Anthos Service Mesh のリリース チャンネルに対応します。

  2. オプションのマネージド データプレーンをデプロイした場合、次のように demo 名前空間にアノテーションを設定します。

    kubectl annotate --overwrite namespace YOUR_NAMESPACE \
    mesh.cloud.google.com/proxy='{"managed":"true"}'
    

アプリケーションのデプロイ

これで、default 名前空間で自動インジェクションが有効になりました。BookInfo アプリケーションのサービスをデプロイすると、各サービスと一緒にサイドカー プロキシが挿入されます。

  1. Anthos Service Mesh をインストールしたコンピュータのコマンドラインで Anthos Service Mesh のインストール ディレクトリのルートに移動します。必要に応じて、インストール ファイルをダウンロードしてください。

  2. kubectl を使用してアプリケーションをデフォルトの名前空間にデプロイします。

    kubectl apply -f samples/bookinfo/platform/kube/bookinfo.yaml
    
  3. 次のコマンドを実行して、アプリケーションが正しくデプロイされていることを確認します。

    kubectl get services
    

    出力:

    NAME                       CLUSTER-IP   EXTERNAL-IP   PORT(S)              AGE
    details                    10.0.0.31    <none>        9080/TCP             6m
    kubernetes                 10.0.0.1     <none>        443/TCP              7d
    productpage                10.0.0.120   <none>        9080/TCP             6m
    ratings                    10.0.0.15    <none>        9080/TCP             6m
    reviews                    10.0.0.170   <none>        9080/TCP             6m

    kubectl get pod
    

    出力:

    NAME                                        READY     STATUS    RESTARTS   AGE
    details-v1-1520924117-48z17                 2/2       Running   0          6m
    productpage-v1-560495357-jk1lz              2/2       Running   0          6m
    ratings-v1-734492171-rnr5l                  2/2       Running   0          6m
    reviews-v1-874083890-f0qf0                  2/2       Running   0          6m
    reviews-v2-1343845940-b34q5                 2/2       Running   0          6m
    reviews-v3-1813607990-8ch52                 2/2       Running   0          6m
  4. 最後に、アプリケーションの Ingress ゲートウェイ ルーティングを定義します。

    kubectl apply -f samples/bookinfo/networking/bookinfo-gateway.yaml
    

    出力:

    gateway.networking.istio.io/bookinfo-gateway created
    virtualservice.networking.istio.io/bookinfo created

アプリケーションのデプロイの検証

BookInfo アプリケーションが機能しているかどうかを確認するには、Ingress ゲートウェイにトラフィックを送信する必要があります。

  • Anthos Service Mesh を Anthos clusters on VMware にインストールした場合は、Anthos Service Mesh のインストール後に構成した Ingress ゲートウェイの外部 IP アドレスを取得します。

  • Anthos Service Mesh を GKE にインストールした場合は、Ingress ゲートウェイの外部 IP アドレスを次のように取得します。

    kubectl get service istio-ingressgateway -n istio-system
    

    出力:

    NAME                   TYPE           CLUSTER-IP      EXTERNAL-IP   PORT(S)                                      AGE
    istio-ingressgateway   LoadBalancer   10.19.247.233   35.239.7.64   80:31380/TCP,443:31390/TCP,31400:31400/TCP   27m

    この例では、Ingress サービスの IP アドレスは 35.239.7.64 です。

アプリケーションの実行

  1. curl で BookInfo アプリが実行されていることを確認します。

    curl -I http://EXTERNAL_IP/productpage
    

    レスポンスに 200 が示されている場合、アプリケーションが Anthos Service Mesh と正しく連動しています。

  2. BookInfo ウェブページを表示するには、ブラウザに次のアドレスを入力します。

    http://EXTERNAL_IP/productpage
    

    ページを何回か更新すると、ラウンドロビン スタイル(赤色の星、黒色の星、星なし)で示される、さまざまなバージョンのレビューが製品ページに表示されます。

トラフィックを生成しているアプリケーションが作成されたため、Google Cloud コンソールで Anthos の [サービス メッシュ] ページに移動して、指標やその他のオブザーバビリティ機能を確認できます。

クリーンアップ

Bookinfo サンプルによるテストが完了したら、クラスタから削除します。

  1. 次のスクリプトを使用して Bookinfo をアンインストールします。

    samples/bookinfo/platform/kube/cleanup.sh
    
  2. シャットダウンを確認します。

    kubectl get virtualservices   #-- there should be no virtual services
    kubectl get destinationrules  #-- there should be no destination rules
    kubectl get gateway           #-- there should be no gateway
    kubectl get pods              #-- the Bookinfo pods should be deleted
    

次のステップ

Bookinfo サンプルの詳細を確認する