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通信

MWC'24: Google Cloud で通信事業者の AI 対応力を高める

2024年3月7日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2024 年 2 月 26 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

世界中の通信サービス プロバイダ(CSP)の方々にお会いすると、一様に 1 つの明確なテーマがみられます。AI がもたらす変革が、CSP のバリュー チェーン全体で大きな価値を引き出し、CSP とその顧客が技術とどのように付き合うかを変えようとしているということです。

MWC'24 も例外ではなく、今週またバルセロナで、より幅広い業界のエコシステムが一堂に会し、AI 主導のイノベーションを核として業界の未来図を刷新することを大いに期待しています。

前回のイベントからの 12 か月は世界中の CSP のお客様やパートナーとのコラボレーションを通じ、データと AI による事業のデジタル トランスフォーメーションを推進する刺激的な日々でした。たとえば次のようなことがありました。

  • 大手プロフェッショナル サービス企業であるアクセンチュアと Google Cloud は、共同生成 AI センター オブ エクセレンスを設立して、Vertex AI の Model Garden から 130 以上のモデルにアクセスし、業界のユースケースのプロトタイピングを迅速に完了できるようにする取り組みを進めています。
  • Bell Canada はカスタマー エクスペリエンスを改善するために Contact Center AI(CCAI)の会話分析を活用しています。イノベーションの推進とカスタマー エクスペリエンス改善に取り組むなかで、Bell Canada はパーソナライズとマーケティング、カスタマー サービスにわたって生成 AI をどのように活用するかを模索していきます。
  • BT Group は幅広い共同イノベーションの機会を追求するための、Google との新たな戦略的セキュリティ パートナーシップについて発表しました。
  • KDDI は顧客が日常生活で生成 AI を体験することで暮らしを豊かにできるようなサービスを提供するためのイニシアチブを立ち上げます。KDDI はそのメタバースと Web3 サービスである αU(アルファユー)に Google の高パフォーマンス生成 AI モデルである Gemini Pro などの生成 AI や Immersive Stream for XR を組み合わせていきます。
  • Maxis はエンタープライズレベルの生成 AI を社内のワークフローやカスタマー サービス パッケージに統合することで、Google Cloud との戦略的コラボレーションを強化しました。Duet AI for Developers を活用して自然言語での AI によるコーディング支援を行い、Vertex AI の Gemini モデルからマルチモーダル機能を実現しています。Maxis は Google Cloud のデータ マネジメントと ML 開発の統合プラットフォームをすでに使用中だったため、これを基盤として運用の効率化、新しいデジタル サービスを市場に投入するまでの時間短縮、カスタマー エクスペリエンスの差別化をさらに推進できるようにしました。
  • ノキアGoogle Cloud で実行される AVA Data Suite をリリースし、CSP がデータを標準化して、AI と ML のソフトウェア アプリケーション(安全で自律的な運用、予測的なネットワーク保守などを含む)を容易に開発できるよう支援しています。
  • Smart Communications, Inc.(Smart)は PLDT Group のモバイル サービス部門です。Google Cloud の Telecom Subscriber Insights を導入したことにより、フィリピンの方々がモバイルデータ消費についてより深く理解し、管理して最適化できるようなサービスを開発できるようになり、さらに、Smart も接続のパターンとギャップを把握することで加入者のためによりインクルーシブなモバイル サービスを設計できるようになります。
  • TM Forum と Google Cloud は、アクセンチュア、ドイツテレコム、Reliance Jio、Orange、Vodafone とともに TM Forum Innovation Hub を立ち上げました。これは特に CSP にとっての生成 AI と大規模言語モデルの可能性を探るパイロット フェーズを支援することと、Open Digital Architecture(ODA)の推進を目的としています。

そして CSP のお客様がハイブリッド クラウドネイティブなネットワークを構築、デプロイ、運用するための支援を行っています。

  • Google Cloud の Telecom Network Automation を一般提供し、Nephio オープンソース プロジェクトに基づき、通信事業ネットワーク向けのインテント主導の自動化を実現します。このプロダクトは現在 Google Cloud コンソールで提供しています。
  • エリクソンは Google Cloud とのコラボレーションをさらに発展させ、Google Distributed Cloud で Ericsson Cloud RAN ソリューションを開発して、統合された自動化とオーケストレーションを提供するとともに、AI / ML を活用して CSP にとってのメリットを拡大させました。
  • Orange は、GDC Edge に Dataproc とデータ分析を組み合わせることで、26 か国にまたがるセキュアなオンプレミス環境で顧客データとネットワーク データを分析するための最適なソリューションが実現すると考えています。Google GDC Edge は、当社のツール、従業員のスキル、運用モデルをパブリック クラウドからオンプレミスへと拡張する優れた手段となっています。」(Orange、最高 AI 責任者 Steve Jarrett 氏)
  • Telefónica Germany は Google Cloud とノキアのパートナーとして、自社のネットワークにエネルギー効率向上機能を統合しました。

生成 AI の時代の CSP

生成 AI は業界の AI 導入過程に新たな転換期をもたらしました。これは MWC'24 での代表的かつ中心的なテーマでもあります。

AI に対応した未来の通信事業のイノベーションを先導するのが、Google 最大かつ最高性能の AI モデルである Gemini です。Google は先月の初めに Gemini Advanced を紹介し、Gemini に新時代が到来したことを発表しました。また Google は、Workspace や Google Cloud など、より多くのプロダクトに Gemini の機能を組み込むことで、企業の生産性を高め、開発者のコーディングを高速化し、サイバー攻撃から組織を保護するなど、さまざまなメリットをもたらしています。

そして最近発表した次世代モデル、Gemini 1.5 では、モダリティを横断する長いコンテキストの理解が飛躍的に進歩したことで劇的にパフォーマンスが高まりました。さらに、Gemini のモデルの作成に使用されたものと同じ研究と技術に基づいて構築された軽量な最先端のオープンモデルのファミリーである Gemma も発表しました。

CSP が生成 AI の可能性を最大限に活用して組織全体の価値を高めるなかで、生成 AI アシスタントが重要な役割を果たすでしょう。生成 AI アシスタントは、優れたマルチモーダル データ分析、パターン認識、レコメンデーションで人間の能力を補強するとともに、CSP の過去の知識を活用し、業界のベスト プラクティスを利用してプロセスを効率化することで、顧客と従業員のエクスペリエンスを変革します。生成 AI アシスタントは次の 4 つの主要分野で重要な役割を果たすと考えられます。

  1. ネットワーク運用の自動化
    通信事業者はクラウドネイティブなアーキテクチャとインテントベースのネットワーキング自動化へと移行する大きな変革期を迎えています。この変化によって、強化された AI 機能と自律性の向上を特徴とする次世代ネットワークの基礎が築かれます。これらの進歩の相乗効果により、ネットワークが自己最適化、自己回復でき、変化する状況に積極的に適応できるようになり、将来は通信事業者に新たなレベルの信頼性と効率性がもたらされることは確実です。

この AI の新しいフェーズでは、ネットワークの計画、エンジニアリング、デプロイ、運用を生成 AI エージェントで変革する大きな機会があると予想されます。たとえば、エンジニアの支援として、アクセス可能なナレッジベースを通じて学習を加速する、ネットワーク インテントとポリシーを生成して最適化する、トラブルシューティングとレコメンデーションを提供する、ネットワークの停止時間を最小限に抑えるために障害を迅速に優先順位付けできるようにするなどができます。

  1. フィールド サービスの迅速化
    ネットワークの分散化の進行に伴い、ネットワークの品質を維持するために通信事業のフィールド サービスは大幅な進化を遂げてきました。かつてのサービスは事後的な対応が中心で、技術者は障害が発生した後に派遣されていました。その後、予防的な保守によってある程度改善されたものの、スケジュールされた作業と作業員の専門知識に頼る状況でした。現在は、CSP のフィールド業務を改善し、費用削減、顧客満足度向上につながる大きな価値を引き出すために生成 AI が役立っています。

マルチモーダルな生成 AI エージェントは、テキストや画像、動画、コードを理解して推論する能力を備えているため、フィールド業務を改善する手段として非常に有望です。たとえば、CSP が作業員のタスク、スキルセットのギャップ、技術者の支援(トラブルシューティングのためのマルチモーダルな対話など)、チケットの注釈などから新たな価値を引き出すために生成 AI エージェントを役立てることができます。

  1. カスタマーケアの改善
    コンタクト センターで AI を活用することにより、十分に訓練された仮想エージェントや AI によるツールの支援を受ける人間のエージェントから、迅速かつ有用な回答を顧客に提供できるようになり、顧客と従業員の両方の満足度が向上しました。これにより、問い合わせの解決にかかる時間と平均処理時間が短縮され、最終的に通話キューが短縮され、ネット プロモーター スコア(NPS)が向上しています。

生成 AI は仮想エージェントの対応範囲を広げて顧客のユーザー ジャーニーの多くをカバーするようになり、単なる運用効率にとどまらず、販売(商品のレコメンデーション)、アクティベーション、定着などを通して営業収益の改善にも貢献しています。生成 AI はまた、コンタクト センターへの参入障壁を下げ、価値を生み出すまでの時間を短縮します。つまり、より多くの対応をより短期間で自動化できるほか、人間のエージェントをより迅速に訓練し、指導することができ、さらに通話の分析情報をより効果的に検討して対応できるという利点もあります。

  1. 販売とマーケティングの変革
    顧客のライフタイム バリューを高めるには、高度にパーソナライズされた対応の伴うカスタマー エクスペリエンスをまず構築し、定着、アップセル、次回の最善の行動や新たなサービス パッケージにつなげます。そのためには、AI 主導のセグメンテーションでより適切なキャンペーンを作成することや、コンバージョン傾向の高い顧客を特定すること、そしてチャネルを横断してターゲットを絞ったメッセージを生成することが必要になります。たとえば、AI アシスタントを統合して過去の購買傾向やカスタマー エクスペリエンス、問題、通話記録を活用し、CSP が顧客のエンゲージメントを高めることができるように、高度にパーソナライズされたエクスペリエンスを開発できます。

顧客に対するスマートフォン デバイス経由のアウトリーチが、生成 AI によって高度にパーソナライズされ、さらに充実します。オファーからキャンペーンに至る過程で、CSP はテキスト、画像、動画を含むリッチ コンテンツを生成することで効果を高めることができます。たとえば、Google の Imagen は、ユーザーのテキストによるプロンプトやエクスペリエンス パターンから、CSP のブランド ガイドラインに沿ったさまざまなスタイルで高解像度の画像を作成できます。コンテキスト化とコンテンツを改善し、統合することで、Google 広告を含むより機能豊富な広告を実現できます。

MWC で生成 AI の力を実感してください

バルセロナでお会いできるのを楽しみにしています。2 月 26 日午後 3 時 15 分~3 時 45 分、MWC メインステージにて、Google DeepMind CEO Demis Hassabis と著名な技術ジャーナリストの Steven Levy 氏が、エネルギー、気候変動、創薬などの主要な科学的問題への取り組みから、人々の創造、コミュニケーション、ビジネスのあり方の変革に至るまで、AI がどのように世界を変えることができるかについて語り合いますので、ぜひご来場ください。

さらに、今年の MWC では、Google Cloud と Google の生成 AI ポートフォリオが、ネットワーク変革、AI を活用したカスタマー エクスペリエンス、収益化などのユースケースを含め、CSP のクラウド変革とイノベーションの次のフェーズをどのように推進するかを実例を交えてご紹介する、ダイナミックなデモ ショーケースをご用意しています。デモツアーのご予約については、Google Cloud の専任担当者までお問い合わせください。

さらに、Google は、生成 AI を含む CSP に焦点を当てた AI のユースケースをブースで紹介するパートナーのエコシステムとコラボレーションしています。アクセンチュア、アンリツ、キャップジェミニ、Carto、Datatonic、Dell、エリクソン、インテル、ノキア、Optiva、Radcom、Subex、Unacast、Viavi Solutions など、グローバルなシステム インテグレーター、ISV パートナー、ネットワーク機器プロバイダが勢揃いします。

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Google Cloud が通信事業の AI 対応を推進する CSP にどのように協力しているかについて詳しくは、こちらをクリックしてください。

-Google Cloud、通信産業および Google Distributed Cloud 担当バイス プレジデント Ankur Jain

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