コンテンツに移動
サステナビリティ

サステナブルな目標を行動に移すことに費やした 2022 年

2023年1月3日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/sustainability_2022_IIISbL2.max-2500x2500.jpg
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2022 年の初めに Google Cloud に入社して以来、お客様とパートナーの両方のリーダーとの会話で何度も取り上げられる 1 つのテーマがあります。有意義な気候変動対策のためには、現在、ビジネス トランスフォーメーションが必要であり、社会がかつてないほど差し迫った気候変動の目標を達成するつもりなら、ビジネス トランスフォーメーションは不可欠である、というものです。

2022 年は、サステナビリティ パートナーシップとサービスを築くことに費やしました。サステナビリティ ドリブンなビジネス トランスフォーメーションを加速しようと努めている組織にとって、信頼できる技術パートナーとなるためです。

測定の向上、管理の向上

2022 年は、新しいデータを備えた Carbon Sense プロダクト スイートを引き続き強化し、レポートの対象範囲を拡大して、クラウド アーキテクトと管理者がサステナビリティを優先しやすくしました。

7 月には、Carbon Footprint for Google Cloud を発表しました。これは、企業が Google Cloud サービスを使用する際の二酸化炭素総排出量を測定、レポート、削減できるようにするものです。スコープ 1 と 3 の両方の排出量が、そのレポートデータに追加されます。さらに 2023 年初頭には Google Workspace 向けの同様の機能をリリースする予定です。この機能により、Gmail、Meet、ドキュメントなどのプロダクトの排出量データが提供されます。

レポート作成のため Carbon Footprint のデータにアクセスする必要があるサステナビリティ チーム向けに、Carbon Footprint に特化した Identity and Access Management(IAM)のロールも提供を開始しました。これにより、Google Cloud の技術者でないユーザーでも簡単に排出量データにアクセスして、追跡や情報開示に利用できるようになります。

最後に、低炭素モードを導入しました。このモードでは、IT チームが新しい低炭素ロケーションのバリュー グループを使用して、クラウド リソースを Google インフラストラクチャの中でも低炭素のロケーションに制限できます。

あらゆる組織のための地理空間の分析情報

多くの場合、組織には、何に焦点を当てるか判断するために必要な分析情報が欠けています。元来、科学者と NGO に向けて 2010 年に提供を開始した Google Earth Engine は、惑星規模の環境モニタリングを行う最先端テクノロジーです。何百もの人工衛星やその他の情報源からのデータを地理空間クラウド コンピューティング リソースと組み合わせて、世界における動植物の生息地や生態系の状態、および時間の経過による変化について、適時に、正確かつ高解像度で、意思決定に関連した分析情報を表示します。

今年、Earth Engine は、Google Cloud のすべてのお客様に一般提供されるようになり、すでに多くの組織によるサステナビリティ アジェンダへの取り組みを支援しています。さらに、Google は公共部門を対象とする 2 つの新しい Climate Insights サービスを発表しました。これらのサービスとパートナーの Climate Engine を連携することで、インフラストラクチャおよび天然資源に対して気候変動がもたらすリスクを各機関が把握しやすくなります。この分析情報は、行政機関が物的資源と天然資源を管理する方法を変革する際に活用でき、気候変動の脅威に対する機関のレジリエンス改善に役立ちます。2023 年に、このような分析情報の対象範囲を拡大する予定です。

このテクノロジーは、南フロリダ水管理地区(South Florida Water Management District)ですでに有効活用されています。南フロリダ水管理地区は、Google Public Sector と協力して、Climate Insights を活用し、フロリダの住民が飲料水を利用できるようにサポートするとともに、米国のエバーグレーズのような国家的遺産を保護しています。

サステナビリティ パートナーの拡大し続けるエコシステム

2022 年は、サステナビリティに重点を置いた Google Cloud パートナーのネットワークが、目覚ましいペースで拡大するのを目の当たりにしました。7 月には、Google Cloud Ready - Sustainability を発表しました。これは、お客様がサステナビリティの目標を達成できるように支援する、Google Cloud 上で利用可能なビジネス対応のソリューションを備えた、パートナー向けの新しい検証プログラムです。GCR-Sustainability 認定を受けたパートナーは、炭素排出量を削減し、バリュー チェーンのサステナビリティを高め、組織が ESG データを処理する助けとなる、または、気候変動のリスクを特定して復元力を高める助けとなるソリューションを提供します。

今年、GCR-Sustainability は、気候変動、ESG、サステナビリティのプラットフォームを Google Cloud に加えた 19 社のパートナーが参加するまでに成長しました。このようなパートナーは、機能を強化し、Earth Engine や BigQuery などの高性能な Google Cloud テクノロジーの導入を容易にしています。これにより、お客様はデータが豊富なソリューションを活用して、温室効果ガス排出量を削減できます。FleixDAOElectricity Maps などのパートナーにより、24 時間 365 日カーボンフリー エネルギーの取り組みから得た分析情報を共有できるようになり、お客様が独自の脱炭素化の目標を達成することを支援します。

さまざまな業界における気候変動の影響

Google Cloud では、社会の気候変動に対する目標を達成するために、一歩前に進んで矢面に立つ任務と機会が業界に与えられていると認識しています。業界全体で、組織が Google Cloud などの技術パートナーと連携することによって、自社の IT フットプリントを脱炭素化しながら、脱炭素化の目標を促進するようにビジネスを組み立て直すための滅多にないチャンスをつかめます。

2022 年は、気候変動による最悪の影響を回避し、すべての人にとってより安全なエネルギーの未来を創造するために、Google のテクノロジーを利用して、多数の業界にわたる気候変動対策を実現しました。

  • エネルギー分野において、Google Cloud はヨーロッパの公益事業会社である ENGIE とチームを組み、人工知能を利用したプラットフォームの形で風力発電所の生産性に取り組み、ENGIE の風力ポートフォリオの価値を最適化しました。

  • また、EON Brightfield と協力して、50 年前の電力網のインフラストラクチャをモダナイズし、毎日 6 億以上のデータポイントを生成しています。これにより、電力網の予測が改善され、電力網計画が最適化されました。  

  • 製造業では、Ford Motor Company と協力して、2 つの工場にまたがって接続されている 100 台以上の主要マシン上で動作するデータ プラットフォームを実装し、週 2,500 万件を超えるレコードのストリーミングと保存を可能にしました。これにより、Ford は、行動につながるデータドリブンな分析情報を取得でき、製造工場の効率性向上に役立てています。

  • 輸送と旅行業では、Lufthansa と提携し、毎日の航空便運航のより適切なプランニングと進行を促進するプラットフォームを開発しています。その結果、より効率的な機体の導入により、二酸化炭素排出量の削減が測定可能になりました。

  • 最後に、金融サービス分野では、Bank of Montreal が Google Cloud と Climate Engine と協力して、地理空間データから取得した分析情報を活用することで、組織や業界が気候変動の影響により耐えられるように、金融サービス業界がいかに支援できるかについての理解を深めています。

2023 年は、さまざまな業界にわたってさらに多くのお客様と協力して、今後のサステナビリティ ドリブンなビジネス トランスフォーメーションを実現するための取り組みを進めていきたいと考えています。これらの両立を実現するために、業界で最もクリーンなクラウドを提供し続けると同時に、自由に使用できるツールとサステナビリティ志向のパートナーの充実したエコシステムを活用していきます。お客様がサステナビリティ志向の意思決定を行えるようにすることが、最終的には気候変動の転化に大きく貢献することになると、信じています。


- Google Cloud グローバル サステナビリティ担当マネージング ディレクター Justin Keeble
投稿先