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スタートアップ & SMB

Google Cloud を使用してデバイス間のパスワードレス認証を簡素化している、あるスタートアップの事例

2022年10月14日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 10 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ほとんどの人が、職場、家庭、学校で必要なパスワードをすべて覚えるのは難しいと感じています。デバイス ネイティブの生体認証システムは、よりスムーズなログイン エクスペリエンスと高度なセキュリティを提供しますが、指紋と顔認識に対応したモバイルアプリは数少ないです。

そのため、わずか数行のコードで、完全なパスワードレス ユーザー認証を提供するソリューションを構築しました。Passage を使用すると、モバイル デベロッパーおよびウェブ デベロッパーは、従来のテキストのパスワードを Face ID、Touch ID、Windows Hello に置き換えることにより、デバイス間でより安全で摩擦のないユーザー エクスペリエンスを生み出せるようになります。

Passage を活用し、簡単な顔認証やタッチのみによるログインを促進している企業は、登録数の増加、コンバージョン率の向上、パスワード関連のサポート費用の削減を実現しています。チームの拡大に伴い、覚えにくいことが多いパスワードへの依存をなくす、デバイス ネイティブの生体認証を活用することで、デベロッパーがモバイルアプリやウェブサイトをさらに簡単に実装できるようにするための新しいソリューションとサービスを引き続き導入していきます。

パスワードレスのスムーズなエクスペリエンスの提供

小規模なチーム、限られた予算、大がかりなプロダクト ロードマップで、Passage はスタートしました。初日から、サービスを安全にスケールして、手動によるタスクを自動化し、IT 費用を最小限に抑えることができる、信頼性の高い技術パートナーが必要であることがわかりました。それを念頭に置いて、Google for Startups Cloud Program に参加して、Google Cloud の安全性を重視して設計されたインフラストラクチャを選択し、デバイス ネイティブの生体認証プラットフォームを推進しました。

Google for Startups クラウド プログラムにより、クラウド クレジットを獲得して、さまざまな Google Cloud プロダクトを費用対効果の高い方法でテストし、デプロイできました。すべてのプロダクトで、主要な国際セキュリティ基準と規制に対応した、すぐに利用できるコンプライアンスが提供されます。数か月のうちに、完全に機能するベータ版の Passage を構築してリリースしました。これにより、ウェブサイトに顔または指紋だけでシームレスに登録およびログインできるようになりました。

具体的には、Google Kubernetes Engine(GKE)Pub/Sub を使用して、お客様による Passage のデプロイを効率的に管理しながら、Autopilot などの機能を利用して、クラスタ プロビジョニングの自動化と合理化をさらに進めています。Cloud Spanner を活用して、グローバルに複製されたデータベースを数回クリックするだけで作成およびスケールしています。また、高度なデータ シャーディング機能を活用して、Passage の高可用性と低レイテンシの要件をサポートしています。さらに、BigQuery を使用して、大規模な分析を実行し、クラウド データ ウェアハウスの代替手段よりも 3 年間の TCO を 27% 削減しています。

Google Cloudの AI と機械学習プロダクトVertex AI など)が、不審なログイン アクティビティや異常なユーザーの行動を Passage がどのように検出できるようにしているか、さらに調査しています。また、AlloyDB for PostgreSQL も評価しています。AlloyDB for PostgreSQL は、機械学習対応の自動パイロット システムを実装して、データベース管理を簡素化し、標準の PostgreSQL よりも最大 100 倍高速なリアルタイム分析のクエリを提供します。

Google Cloud でより安全な認証の未来を築く

Google Cloud を使用して、Passage はより安全な認証の未来を作り出しています。そこでは、どのデバイスを使用しても、顔や指紋だけでシームレスにサインアップ、ログイン、プロダクトの購入を行うことができます。このような未来において、企業は、従来のログイン認証情報の保存と管理に関連する財務上および法律上のリスクをさらに軽減することを目指す一方で、顧客には、利用するサービスへの合理化および保護が強化されたアクセスが提供されます。同様に、パスワードを忘れてたためにトランザクションを断念する顧客が減るため、e コマースの小売業者は、収益の増加を目にできるでしょう。

私どもは、Passage でパスワードのない、よりシンプルで安全性の高い未来が実現できると信じています。デベロッパーがオープンソースの標準 WebAuthn をあらゆる環境に統合できるよう支援することで、デバイス ネイティブの生体認証をすべての人が利用できるよう尽力しています。多くの場合、セキュリティとユーザー エクスペリエンスはトレードオフの関係にありますが、Passage は実装の複雑さを抑えつつ、両者を独自に組み合わせたものを提供します。

Passage がベータ版を終了するにあたり、専任の Google for Startups のエキスパートと引き続き緊密に協力して、デベロッパーが生体認証をより簡単に実装できるようにする新しいソリューションとサービスを立ち上げ、摩擦のないエクスペリエンスを生み出し、アプリ、ウェブサイト、デバイスにわたるサービスへのアクセスを合理化していきます。

Google Cloud がスタートアップをサポートする方法について、こちらのページでプログラムの詳細をご確認ください。また、こちらから更新情報の配信にご登録いただいた方には、コミュニティ活動、デジタル イベント、スペシャル オファーなどの情報をお届けします。


- Passage、共同創設者 / CEO Cole Hecht 氏
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