Eon と Google Cloud のバックアップを使用して自動化された大規模なデータ レジリエンスを実現
Liore Shai
Solutions Architect, Eon
※この投稿は米国時間 2025 年 6 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
かつて、クラウドのバックアップは保険のようなものと考えられていました。しかし今では、バックアップの役割はデータの復元だけにとどまりません。デフォルトで自律性があり、コスト効率に優れ、分析に対応している必要があります。
そこで、Eon は Google Cloud と連携するプラットフォームを構築し、チームがポリシーの専門家やインフラストラクチャの管理者にならずとも、バックアップの盲点をなくし、復元を簡素化し、バックアップ データの価値を引き出せるようにしました。
とはいえ、どのプラットフォームを使用していても、復元力のあるクラウド バックアップとはどのようなものかを理解し、Google Cloud のネイティブ機能を使用してそれを実現する方法を知ることは重要です。
クラウド バックアップの復元力を高める要素とは?
ツールの詳細に入る前に、クラウドにおける復元力のあるバックアップ戦略とはどのようなものかを考えてみましょう。私たちは、さまざまな業界の Google Cloud ユーザーとの協業の中で、共通する 5 つの基準を発見しました。
バックアップ ポスチャーが適切ではない可能性を示す 5 つの兆候
-
何がバックアップされているか(またはバックアップされていないか)を簡単に確認できない
-
保持ポリシーがプロジェクトやチームによって異なる
-
データが重複していたり、非効率的に保存されていたりするため、費用が増大している
-
クラウド ランサムウェア対策がポリシー ドリブンではなく、事後対応型である
-
復元する場合、必要なオブジェクトが 1 つだけの場合でも、完全な復元が必要である
データ保護のベスト プラクティス
Google Cloud は、一貫性を持って設定し使用することで、データを保護するための基本的な機能を提供します。ネイティブの保護機能を最大限に活用する方法は次のとおりです。
1. バージョニングと保持: 最初の防御策
Cloud Storage でオブジェクトのバージョニングを有効にすると、複数のオブジェクト バージョンが保持されるため、オブジェクトを誤って削除した場合でも簡単に復元できます。これを保持ポリシーと組み合わせることで、規制対象のデータセットや重要なデータセットに対して最小保存期間を適用できます。
-
ヒント: コンプライアンスが最も重要な分野では、バケットロックを使用して WORM(1 回限りの書き込みと複数回の読み取り)保護を行います。
2. 対応範囲のギャップのモニタリング
Cloud SQL バックアップ、GKE スナップショット、Persistent Disk イメージなどのネイティブ サービスを使用します。ただし、バックアップの責任が複数のチームに分かれる可能性があることに注意してください。一元的な可視性がないと、バックアップの対応範囲に整合性がなくなります。
-
ヒント: Cloud Asset Inventory またはスケジュールされた BigQuery クエリを使用して、対応範囲を監査します。
3. きめ細かな復元の設計
完全なロールバックは必要がない場合もあるため、部分的な復元を計画します。単一の BigQuery テーブルでも、特定の Cloud Storage オブジェクトでも、必要なものだけを復元することで、時間とコストを節約できます。
-
ヒント: オブジェクトのライフサイクル管理を使用すると、Cloud Storage オブジェクトのうち古いものや重要度の低いものを、アクセス頻度の低い(コールドな)ストレージ クラスに自動的に移動できます。

自動化で複雑さを解消
大規模なクラウド バックアップの管理を手動で行うのは困難です。新しいワークロードのオンボーディングから一貫したポリシーの適用まで、人間主導のアプローチでは効果的にスケールすることができません。
そのため、Eon のような自律性のある Cloud Backup Posture Management(CBPM)ソリューションを検討するチームが増えています。このソリューションは、新しいアセットをリアルタイムで検出し、スマートなバックアップ ルールを自動的に適用し、全環境にわたって一貫した保護を適用します。
Eon を使用すれば、リソースにタグを付ける必要も、カスタム スクリプトを作成する必要もありません。GKE、Cloud SQL、BigQuery など使用しているソリューションを問わず、Eon のプラットフォームなら Google Cloud のアセットをすぐに分類して保護します。
バックアップからビジネス分析情報まで
従来、バックアップ データはサイロ化され、十分に活用されず、緊急時にのみ取り出されるものでした。今は、そのデータを次のように活用することが増えています。
-
BigQuery と Dataproc を使用してバックアップを直接分析する
-
Vertex AI を介してトレーニング パイプラインとモニタリング パイプラインにフィードする
-
Looker でバックアップ スナップショットを活用して、監査対応のダッシュボードを提供する
Eon には、これらの機能が組み込まれています。バックアップをゼロ ETL のデータレイクに変換することで、パイプラインのコストを削減し、再処理を行わずに即座に構造化データにアクセスできるようにします。
「成熟した」バックアップ ポスチャーとは
多くのクラウドネイティブ チームにとって、最終目標は単に「バックアップを持つこと」ではなく、規模とリスクに適応する、復元力のあるインテリジェントなバックアップ戦略を策定することです。
その具体的な内容は以下のとおりです。
-
新しいリソースの自動検出
-
データの種類と重要度に合わせたポリシー ドリブンな保護
-
保持期限が固定された変更不可のバックアップ
-
完全なスナップショット復元ではなく、検索優先の復元
-
コストを意識した階層化とストレージの重複除去
Google Cloud ユーザーが Eon を使用すると、カスタムツールの使用やポリシーの継続的な更新という負担なしに、より迅速にこの成熟度レベルに到達できます。
バックアップを簡素化する準備はできましたか?
お客様のチームがクラウド環境全体にわたってスクリプト、ストレージ階層、バックアップ タグの管理に何時間も費やしているなら、アプローチを見直す時期かもしれません。
Eon は、クラウド バックアップを、復元力と自律性を備え、実際に役立つものにするために構築されました。ランサムウェア対策から、オブジェクト レベルでの即時の復元、そして今ではゼロ ETL による分析へのアクセスまで、バックアップ データの可能性を最大限に引き出すお手伝いをします。
デモを予約して、Eon が Google Cloud データの保護戦略をモダナイズする方法をご確認ください。
Google Cloud がスタートアップをどのようにサポートできるかについては、プログラム ページをご覧ください。また、ニュースレターに登録して、コミュニティ活動、デジタル イベント、スペシャル オファーなどの最新情報を入手することもできます。
-Eon、ソリューション アーキテクト、Liore Shai 氏