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スタートアップ & SMB

Freenome、Google Cloud を活用して次世代の早期がん検出テクノロジーを構築

2023年3月2日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 2 月22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

現在、さまざまな業界のスタートアップがクラウド テクノロジーを活用して、人生を変えてしまうような切迫した重要課題への対処に取り組んでいます。その様子には目を見張るものがあります。スタートアップと高成長テクノロジー企業は Google Cloud を選択し、Google Compute Engine(GCE)、BigQuery、Looker、Firebase などのテクノロジーを利用することで、エネルギー消費を削減し、より包括的でサステナブルな人材を育成しています。なかでも、成長著しいバイオテクノロジー企業の Freenome は、がんなどの命に関わる病気を最も早期の治療しやすい段階で発見するための診断検査を作成しています。

Freenome が掲げるミッションは、がんなどの病気を簡単な採血で発見して治療できる高品質な診断検査を開発することです。2022 年、Freenome は血液検査の診断技術の臨床試験を開始しました。その際、同社は業務のサポートに Google Cloud を選択し、成長を大幅に加速させました。現在、Freenome は臨床評価を終え、食品医薬品局の承認を取得して試験を実施し、自社製品を市場に投入する準備を進める一方で、迅速な成長と規模拡大に対応すべく Google Cloud とのパートナーシップを強化しています。

がんは、早期発見により完治する可能性が高まることがデータで示されています。とはいえ、誰もが早期発見の手段を利用できるわけではありません。Freenome は、標準的な血液検査でがんの兆候を早期に発見する方法を開発し、がんの早期発見手段をより多くの人に利用してもらおうとしています。同社は、分子生物学、先進生物学、ML を駆使し、血液中の疾患関連パターンを分析、検出できるマルチオミクス プラットフォームを構築しました。Freenome の検査では、腫瘍および非腫瘍バイオマーカーをスキャンするようにトレーニングされた ML モデルを診断プロセスに適用することで、患者の血液中の疑わしい分子パターンを特定します。これにより、より多くの人が初期段階で体内のがんを見つけてもらえるようになるはずです。

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血液サンプルから抽出された分子データの量は、たちまち数百テラバイト相当のデータになる可能性があります。そのため、大量のデータの高速なシーケンシングと処理に対応できるインフラストラクチャが必要となることが、早い段階から明白でした。さらに、Freenome のコラボレーション テクノロジーには、ビジネスの性質上、柔軟性やセキュリティに加え、ID 管理の適切な安全保護対策が必要でした。Freenome は、こうした要件を満たし、同社の成長とイノベーションの計画をサポートできる主要なクラウド プロバイダとして Google Cloud を選び、Google Cloud StorageGoogle Kubernetes Engine(GKE)などのサービスと、コラボレーション プラットフォームとして Google Workspace を利用することにしました。

Cloud Storage と GKE を併用することで、Freenome は大量の血液サンプルデータを高パフォーマンスかつ高速で大規模にシーケンシングして処理するために必要なコンピューティング能力を得られます。また、Cloud Storage により、Freenome は BigQuery に組み込みのクエリ高速化による分析など、他の Google Cloud 機能を簡単に活用できるようになります。さらに、Freenome のエンジニアリング チームと IT チームは、GKE に組み込みのクラスタ管理機能で新しいワークフローを容易に管理して、マルチオミクス プラットフォームの ML コンポーネントで使用するハイ パフォーマンス コンピューティング クラスタにデプロイし、がんの早期発見を促進できるようになります。Freenome は Artifact RegistryCloud SQL などの Google Cloud テクノロジーも利用して、コンテナやその他のアーティファクトの管理された安全なソフトウェア サプライ チェーンを確保しています。

現在、Google Cloud とのパートナーシップ拡大の一環として、Freenome は診断検査に関連する臨床試験を完了するために Cloud Storage と GKE の利用を大幅に強化しています。これにより、同社は研究ワークフローと診断分類アルゴリズムの実行に必要なコンピューティング負荷の高い分析作業を実施できるようになります。また、Freenome の各チームは、引き続き社内全体で Google Workspace プロダクトを活用して、ビジネスにとって重要なコンテンツを安全に管理し共同作業できるようにします。

Freenome は Cloud Storage、GKE、Google Workspace を利用して自社の急速な成長に対応するだけでなく、BigQuery などの Google Cloud テクノロジーを活用して新製品の研究開発に対応していく予定です。同社はまた、BeyondCorp などのセキュリティ テクノロジーをテストして、増加する従業員の安全性と生産性をしっかりと維持しています。

疾患検出技術の未来は進化を続けています。Google Cloud は引き続き、Freenome のような革新的な企業の成長をインフラストラクチャとクラウド テクノロジーで支援していきます。彼らの疾患早期検出ソリューションで多くの人々が救われ、最終的にはたくさんの人々が幸せに暮らしていけることを願ってやみません。


- Google Cloud、GKE プロダクト管理担当シニア ディレクター Drew Bradstock
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