リテール

食料品店が e コマースで成功するために必要な検索機能の作り方

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※この投稿は米国時間 2022 年 9 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Deloitte の調査1によると、今日、食料品の売上の半分以上がデジタルの影響を受けていますが、実際にオンラインで完結しているのは、その売上のうちのわずか 4% です。食料品店がデジタル ショッピングのシェアを獲得するための大きな成長機会が、そのままにされているということです。ワンストップショップ エクスペリエンスは、時間とお財布の両方に利益をもたらすため、消費者に好まれており、食料品店には多くの相乗効果をもたらします。アグリゲータの参入による競争の激化はあるものの、Google の調査によると、消費者の大半はまだ近所の食料品店から始めて、すでに訪れたことのあるショップを選ぶ傾向にあります2。このデジタル アクセスのうち、少なくとも 40% が検索を利用しており、その割合が急速に増加していることが調査で示されています。また、検索を使用している場合のコンバージョンは、使用していない場合よりも 50% 高い3という事実も相まり、検索を優先させることは成功の鍵の一つであるということが明らかです。

この記事では、買い物客に満足のいくエクスペリエンスを作り出せるようなオンサイト検索について全体的に説明します。

Ingredients for Search Success.jpg

検索のしやすさ

KISSMetrics4によると、買い物客の 12% が、無関係な検索結果に直面すると、競合他社のサイトに移動してしまいます。買い物客が、レシピに必要な特定の材料、特定の商品名、さらには最小管理単位(SKU)など、必要なものを把握している場合、適合率は非常に重要です。買い物客が商品アイテムを説明する方法は、ラベル付けの方法とは異なる場合があるため、そのギャップを埋めるためにスマート検索テクノロジーを組み込むことがさらに重要となります。検索語句の入力方法も、音声検索や写真検索など、よりハンズフリーな手段へと進化しています。ベクトルベースの検索テクノロジーにより、特定の商品アイテムの代替商品や、その商品を補完して献立を完成させる商品を提案するメカニズムが提供されます。買い物客の検索目的に関連した差別化要因(特化分野、自社ブランド、ユニークな商品など)を見てもらうためにレコメンデーションとマーチャンダイジング アルゴリズムを活用する必要があります。

検索を活用したショッピング ツールで利便性を高めると、ショップをアグリゲータと差別化する助けになります。地元のショップや以前訪れたショップを選ぶ傾向に加えて、調査5によると、商品アイテムの再購入率は、食料品では他の e コマース業種よりもはるかに高いことが示されています。過去の注文結果を基にした「再購入」の機能など、過去の注文の特性を結果に影響させることを買い物客は求めています。食料品リストのアップロードやレシピからの商品のスマート抽出などの便利なツールは、新規の買い物客と既存の買い物客の両方にメリットをもたらします。買い物客が来店することを決めた場合、検索を使用して店内の商品アイテムを物理的に探し出せるようにすることで、時間のない買い物客の獲得が支援されます。

見つけやすさ

The Food Industry Association6によると、買い物客の 40% が、対面よりもオンラインの方が新商品を見つけやすいと答えています。買い物客は、自分が必要としている商品アイテム、ショップで扱っているすべての商品、商品名(使用するキーワードなど)がよくわからない場合、ナビゲーションやブラウジングに頼る傾向があります。これは、買い物客が店内の陳列棚をつぶさに見て歩く行動とよく似ています。検索を使用して動的にカスタマイズされたナビゲーションとブラウジングを通すことで、店舗でのエクスペリエンスを凌駕するデジタル エクスペリエンスを提供できます。これにより、買い物客の食生活や食材の嗜好に基づいて陳列を変更するなど、買い物客の意向に耳を傾けて調整する、より共感的なエクスペリエンスが促進されます。ブラウジングでレコメンデーションと chatbot を導入すると、買い物客が他の買い物客や店舗のフロアスタッフと頻繁にやり取りしておすすめ情報を得るような、店内でのエクスペリエンスをシミュレーションできます。これには、個々の買い物客の意向シグナルや他の類似した買い物客の意向シグナルを反映させることが可能です。また、買い物客が外部の検索エンジンで商品を見つけることも求められています。たとえば、スマート エンリッチメントを使用して、特定の商品アイテムやカテゴリのナビゲーション ページや参照ページの情報を充実させることができます。ベクトル検索とレコメンデーションは、買い物客の閲覧パターンに関連する自社ブランドやノーブランドの代替品など、ショップ固有のターゲットを基におすすめを提示するためにも使用できます。これは、コストが上昇し、コスト意識の高い消費者が増加している時代において特に有益です。

情報に富んでいる

買い物客が決断するのに役立つ豊富な情報を提供します。これには、メーカーの情報だけでなく、ユーザーのコミュニティからの情報も含まれる場合があります。これは、買い物客に役立つだけではありません。買い物客が検索エンジンのオーガニック検索結果であなたの商品を見つける助けとなります。機械学習モデルは、買い物客のシグナルと、提供された基本情報(材料やレシピなど)を結び付けて、レコメンデーションやカスタマイズなどのモデルで活用し、分析情報を生成できます。このようなシグナルは、買い物客が共有を許可している場合、ダイエットや健康 / フィットネス アプリなどのサードパーティのソースから届くことがあります。

以下は、アプリでフォローされている一般的なデータポイント(カロリー数、炭水化物と脂質の摂取量、ダイエットの目標など)の例です。

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注釈 7

ML ベースのエンティティ検出とトピック抽出を使用して、データポイントを栄養成分表示ラベルとレシピラベルから抽出することもできます。これにより、主に商品の属性と詳細がまばらな場合に従来行われるデータの操作と拡充が不要になります。レビュー、投稿、動画などのユーザーが作成するコンテンツも、商品にまつわる知識を補う貴重な情報源となり得ます。

シグナルをエンティティ検出および利用可能な商品の属性と組み合わせることで、買い物客の意向を引き出せます。この情報は、材料とのアフィニティに基づいて商品を並べ替えるなど、個々の買い物客との関連性をリアルタイムで強化するために使用できます。

 買い物客の見たもの       基礎となる商品属性      ML が割り出した買い物客の意図

Product

Barilla, Corn Flour, Rice Flower

Gluten Free, Brand = Barilla

Ingredients

Oregano, Olive Oil, Garlic

Mediterranean Diet

Dietary Facts

No Cholesterol, 0 Sat Fat

Heart Healthy

Wild Caught Shrimp

Organic, Sustainable

Green Consumer

照射範囲

検索エンジンは、食品ナレッジグラフなどのナレッジグラフを使用して事前にトレーニングできるため、特定の市場のエンティティとトピックとの関係をすでに認識しています。また、これを使用して、追加のラベル付けとタグ付けを行い、商品を拡充できます。ケト、DASH(高血圧を防ぐ食事方法)、地中海、ビーガンなどの食事法のプランは、このようなグラフで管理して、買い物の全過程で利用できます。これは、買い物客が考慮していない、または認識していない商品アイテムを表示して、コンバージョンと収益の両方を促進するのにも役立ちます。コンピュータ ビジョンなどのディープ ラーニング テクノロジーを料理の写真など、ユーザーが作成した画像に適用して、傾向を抽出し、検索を拡充できます。


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注釈 8

ベクトル検索は、トピックの相違に基づいた商品の表示に適用できます。食料品店において、これは検索語句に基づき在庫切れの商品の代替品を見つけること、または、料理やレシピの検出などの検索語句に対し、補完的な商品を見つけることを意味します。ベクトル検索は主にキーワード入力によって動作しますが、レコメンデーションは通常、ランディング ページ、商品詳細ページ、カートの中身のような買い物客の状態などの基本的な結果に基づいています。

カスタマイズ

検索は、買い物客の現在の行動と、特定の嗜好があるかどうかの両方に基づいて合わせる必要があります。「情報に富んでいる」のセクションで説明したように、買い物客のシグナルを、材料、栄養成分、商品の詳細などの基礎となるデータポイントと結び付けることで、嗜好とアフィニティが提供され、結果の表示方法に組み込めます。食生活データと、協力している買い物客のそれに呼応する行動を含むナレッジグラフを使用した推論モデルを使用して、買い物客が実践している特定の食事法のプランを検出できます。また、アレルギーや食事制限など、プロフィールを通じて共有される個人の嗜好を使用して、関係のない商品は表示されないよう結果をフィルタできます。カスタマイズは、検索の全過程に適用された場合、プラスの影響が顕著であることが示されています。以下の図は、食料品店でカスタマイズを採用する一般的な方法をいくつか示しています。

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結びつき

店舗とデジタル タッチポイント(アプリ、メール、ウェブストア、キャンペーンなど)間の結びついたエクスペリエンスが不可欠です。調査9によると、買い物客の 61% が、関連性が高く、カスタマイズされたエクスペリエンスや、利便性を高めるエクスペリエンスのために、カスタマイズを共有することに好意的です。健康および栄養管理アプリ、e コマース プラットフォーム、顧客 / マーケティング プラットフォームなどのタッチポイントの大半が、相互に、または中央の顧客リポジトリ(顧客データ プラットフォームなど)を介してデータを交換する機能を備えています。買い物客の 91% が、自分の声を聞いてもらえたと感じた場合に繰り返し購入する傾向がある10ため、これは買い物客に大きな価値をもたらす可能性があります。このようなソース、特にアプリを統合し、新規顧客を開拓し、既存の顧客のエンゲージメントをさらに深めるゲートウェイとすることをご検討ください。サプライ チェーンや在庫などのバック オフィス システムとの統合は、トラフィックの増長に重要です。特に、衝動的な購入者あるいは時間のない購入者がアグリゲータを利用するのを阻止するのに有効です。エクスペリエンスがどこで開始または終了しても、セッションやタッチポイント全体で継続的な会話を維持することが必要です。

すべてはプレゼンテーションにある

料理であろうとエクスペリエンスであろうと、プレゼンテーションは同じように重要です。買い物客に表示される基本的な結果に焦点が当てられてきましたが、結果のプレゼンテーションに焦点を当てることも重要です。たとえば、結果で買い物客の意思決定に重要な材料をハイライト表示すると、意思決定の劇的な助けとなります。買い物客が検索で特定の材料の名前を挙げた場合、その材料がハイライト表示されると、ユーザビリティが大幅に改善されます。商品の具体的な特性に対する購入者の嗜好や推定されたアフィニティを利用する場合は、それらもハイライト表示する必要があります。アプリとページのスペースは限られているため、ユーザーにとっての有用性に基づいた結果の並び替えやナビゲーションがより重要になります。


1. Bridging the grocery digital divide(食料品のデジタル格差を埋める)- Deloitte Research

2. 買い物がオンライン化する中で、オムニチャネルの食料品店がどう勝ち残るか - Think With Google

3. Four reasons why site search is vital for online retailers(オンライン小売業者にとって、サイト内検索が不可欠である 4 つの理由)

4. What Is Time On Site? Everything You Need to Know(サイト滞在時間とは?知っておくべきすべてのこと)- KISSMetrics

5. Grocery and Food Delivery Site UX(食料品とフード デリバリー サイトの UX)- Baymard

6. Has online grocery shopping hit its sales ceiling?(食料品のオンラインショッピングは、その売上の上限に達したか?)- Retail Wire

7. 画像の出典: LiveStrong MyPlate App

8. 画像の提供: Science Direct

9. Most are concerned about data privacy, but few are willing to change habits(ほとんどの人がデータ プライバシーを懸念しているが、習慣を変えようとする人は少ない)- Helpnet Security

10. Data Privacy Versus Personalization: How Do Consumers Really Feel?(データプライバシーとカスタマイズ: 消費者は実際にどう感じているか?)- AdTaxi


- Lucidworks 産業担当責任者 Sanjay Mehta 氏

- Google Cloud 戦略的パートナーシップ担当グローバル責任者 Matt Sullivan