ウォンテッドリーが掲げる「シゴトでココロオドル」社会への挑戦:データドリブンな組織と Google Cloud が支える未来
Google Cloud Japan Team
編集者注: Google Cloud を利用する企業のリーダーの皆様にお話を伺い、想いを語っていただく Google Cloud Leader’s Story。連載 15 回目となる本記事では、ビジネス SNS「Wantedly」を運営する ウォンテッドリー株式会社にお話しを伺いました。
利用しているサービス:BigQuery, Looker, Compute Engine, Firestore, など
「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションを掲げ、ビジネス SNS「Wantedly」を運営する ウォンテッドリー株式会社。 企業とユーザーの出会いの場を提供するだけでなく、入社後の活躍まで見据えたサービス展開で、多くの企業とユーザーから支持を集めています。今回は、同社の執行役員 VP of Engineering である要 徳幸 氏に、Wantedly のサービス開発の裏側や Google Cloud 活用について、そして未来への展望について伺いました。
「共感」を軸としたマッチングで、Wantedly と出会う
Wantedly は、「共感」を軸としたマッチングを重視したサービスです。「企業が求める条件に合致する人材を探す」のではなく、「企業理念や事業内容に共感し、共鳴し合える仲間を見つける」という新しい価値観を提示しています。
要氏は、前職の事業会社や SIer でエンジニアとして経験を積んだ後、ウォンテッドリーの技術力と、人の可能性を引き出す企業文化に共感し、2019 年にエンジニアとして入社。持ち前のリーダーシップを発揮し、Wantedly Visit のプロダクト開発リーダーを経て現職に就任しています。
「元々 Wantedly を使う 1 ユーザーとして転職活動をする中で声を掛けて頂いていたのですが、当初は優秀なエンジニアが多く在籍する、キラキラした当社のカルチャーと合わないのではと感じておりました。しかし会話を重ねていく中で、優秀なエンジニア達にこそマネジメントが必要だと思うようになり、ジョインを決めました。」
現在は、事業計画に基づいた開発組織の構築、新規事業と既存事業のバランス調整、老朽化システムへの対応、分業制による専門性の高いチーム作りなど、多岐にわたる課題に日々向き合っており、エンジニアとしての視点と、組織を率いる立場としてのバランス感覚を武器に、Wantedly のさらなる成長を牽引しています。
ウォンテッドリーでは、企業側には「どのようなビジョンを掲げ、どのような事業を展開し、どのような人材を求めているのか」といった情報を詳細に掲載してもらうことで、ユーザーが共感できる企業と出会えるように工夫しています。
また、社内カルチャーにおいても「User Obsession」を最も重要な価値観として掲げ、ユーザーの課題解決に真摯に向き合う姿勢を大切にしています。毎週金曜日に開催される全社ミーティング「Demo Day」では、各チームが成果や進捗を共有し、フィードバックを交換し合うことで、ユーザーにとってより良いサービスを追求しています。
データは語る、だから Google Cloud を選んだ
データドリブンな組織文化を築いている ウォンテッドリーでは、データに基づいた意思決定を重視しています。膨大なデータを高速かつ効率的に処理できる Google Cloud のプロダクトは、同社のサービス開発を支える強力なパートナーとなっています。
「Google Cloud を採用した決め手は、データ分析基盤としての性能の高さでした。弊社では 2016 年より BigQuery を利用しておりますが、膨大なデータの集計処理が圧倒的に速いと感じております。導入を決定した当時のメンバーも、従来のツールでは長時間かかっていた処理がわずか 1 分で完了したのには驚いておりました。」と要氏は当時を振り返ります。
現在では、BigQuery をデータ ウェアハウスの中核に据えており、サービスの成長に伴いデータ量も更に増加してきていますが、BigQuery のスケーラビリティによって柔軟に対応できています。
「弊社には、ツールを使い倒す、という文化があり、BigQuery は業務に無くてはならないものとなっております。データ量の増加に伴うコストの増加には注意が必要ですが、最適化を図りながら、今後も使い倒していくつもりです。」
ウォンテッドリーでは BigQuery のみならず、BI ツールとして Looker が導入されております。データ定義の一元管理ができる Looker を活用することで、セールスやマーケティングなど様々な部署でデータ分析が進められています。データに基づいた意思決定を全社的に推進することで、より質の高いサービス提供を目指しています。
また、昨今トレンドになっている生成 AI については、
「生成 AI は、ユーザーとの対話に新しい価値を生み出せる可能性を秘めていると感じています。ただ、ユーザーに寄り添い、不快な思いをさせない形にすることが重要です」と語ります。要氏は、生成 AI が切り開く未来に期待感を示しつつ、その可能性と課題を冷静に見つめています。
「社内業務の効率化など、まずは私たち自身の働き方改革に積極的に活用していきたい」と語った上で、Google Cloud は生成 AI をはじめとする先進技術をいち早く、そして安全に活用できる環境を提供してくれると確信している、と力強く語ってくれました。
ウォンテッドリーが描く未来、それは働く人のインフラになること
ウォンテッドリーは、採用マーケティングの分野において、企業とユーザーの「出会い」を提供してきました。しかし、要氏は「現在のサービスは、まだ道半ば」だと語ります。
「今後は、Wantedly Visit を通じて生まれた『出会い』を、より良い『つながり』へと発展させ、入社後の活躍や成長までを支援する『働く人のインフラ』を目指したいと考えています。」
そのために、ウォンテッドリーは既存サービスの機能拡充だけでなく、新たなサービス開発にも積極的に取り組んでいます。例えば、プロフィール情報以外を活用したマッチングや、AI を活用したレコメンド機能の強化など、技術力を駆使して「究極の適材適所」の実現を目指しています。
「ウォンテッドリーが提供する価値は、単なる募集情報の提供にとどまりません。私たちは、働くすべての人が、自分の才能を活かせる場所を見つけ、仕事に没頭し、成長できる社会の実現を目指しています。そして、Google Cloud は、その未来を実現するために必要不可欠なパートナーです。」と要氏は締めくくりました。
ウォンテッドリーは、Google Cloud を活用することで、データドリブンなサービス開発を加速させ、ユーザーに最適な出会いを提供しています。そして、その先にある「働く人のインフラ」という大きな目標に向かって、挑戦を続けています。
ウォンテッドリー株式会社
“究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす”ウォンテッドリーは、究極の適材適所を通じて、あらゆる人がシゴトに没頭し成果を上げ、その結果成長を実感できるような「はたらくすべての人のインフラ」を構築しています。
インタビュイー
ウォンテッドリー株式会社
執行役員 VP of Engineering 要 徳幸 様