TELUS International が仮想デスクトップで従業員の在宅勤務を実現した方法
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 4 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
先日 Google Cloud の CEO、Thomas Kurian は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の世界的なパンデミックの渦中において、世界中の従業員の健康と安全を確保しながら、生産性を維持して在宅勤務できるようにするため、Google が講じているさまざまな対処方法を披露しました。インターネット接続とともに、リモート デスクトップへのアクセスは、仕事上多くの場合不可欠なものです。しかし、すべてのアプリケーションがウェブベースであるとは限らず、また、誰もがローカル ワークステーションにアクセスして効果的に仕事を行えるというわけでもありません。
そこで、この問題に対処するための解決策の一つとして挙げられるのが、仮想デスクトップの使用です。仮想デスクトップは、あらゆる業種の従業員が、インターネット接続できるデバイスから必要なリソースに安全に接続できるようにします。顧客とつながるコールセンターのサポート エージェントから、メディアの編集や動画制作のためのリモート ワークステーション、そして病気の治療法を研究する科学者に至るまで、仮想デスクトップはさまざまな用途にわたって多くのメリットをもたらします。
在宅勤務者が効率的に作業できるように支援する
Google Cloud のお客様の中で仮想デスクトップを使用している企業の一つに、カナダの通信会社 TELUS のグローバル子会社で大手コールセンター プロバイダの TELUS International があります。同社では最近、COVID-19 の影響で世界各地のオフィスを一時的に閉鎖しなくてはなりませんでした。世界中の企業に連絡窓口を提供する TELUS International のエージェントは、通常時は Windows デスクトップにログインして専用ソフトウェアにアクセスし、音声とチャットの両方で顧客とつながります。TELUS の専用ソフトウェアとセキュリティで保護された企業ネットワークにアクセスできなければ、同社の 55,000 人のエージェントは仕事をすることができません。
この解決策は、Google Cloud で仮想デスクトップを実行するという形でもたらされました。Google Cloud Premier Partner である itopia(Google Cloud でホストされる仮想化された Windows デスクトップとアプリケーションの構成や管理を専門とする)と連携し、TELUS International は自社の 55,000 人の従業員のために、わずか数日で仮想デスクトップソリューションをデプロイしました。オンプレミスのデータベース、ソフトウェア、セキュリティ システム、Active Directory サービスへの安全な接続もそこに含まれます。
TELUS International の CTO である Jim Radzicki 氏は、次のように述べています。「需要が高まっていたため、エージェントの安全を確保しつつ、必要とされるコールセンター サポートをこれまで通り提供できる実現可能な方法を早急に見つけなければなりませんでした。Google Cloud と itopia との連携により、混乱と混迷を極める時期に平静さを失うことなく、安全でグローバルに、そして高い復元力でビジネスを再開することができました。」
TELUS International の多くの従業員は 1 週間足らずで仕事に復帰し、安全な在宅勤務を実現しています。まるでオフィスにいるかのように同じデスクトップ環境に引き続きアクセスできるため、顧客に慣れ親しんでいただいた高品質なサービスを提供できます。
Google Cloud で仮想デスクトップを実行する
Google Cloud を使った仮想デスクトップは、在宅勤務者を企業のデスクトップ リソースにアクセスできるようにするための、安全でスケーラブル、かつ費用効果の高い方法です。VPN に過負荷をかけず、エンタープライズ接続を必要としません。Google Cloud で仮想デスクトップを実行することで、ユーザーはインターネット接続を使用してどこからでも安全にクラウド デスクトップに接続したり、オンプレミスのリソースを使用したりできます。企業は、G Suite、IAP、独自の Microsoft Active Directory、Google Cloud のマネージド AD サービスを介したユーザー認証と認可によりリモート デスクトップにアクセスできます。最後に、暗号化されたデスクトップ ストリーミング ソフトウェアを追加すると、従業員は、どこにいても、完全なデスクトップまたはアプリケーションを使用できるようになります。
TELUS International のユースケースは、Google Cloud に仮想デスクトップをデプロイする方法の一例であり、具体的な仮想デスクトップ ソリューションは業界やビジネスのニーズによって異なります。Google Cloud では、高性能な仮想デスクトップ環境の構築に役立つ以下のようなサービスを提供しています。
仮想デスクトップ パートナーシップ: Google Cloud では、Citrix、itopia、Nutanix Frame、VMWare Horizon(間もなく開始)などの業界トップのベンダーと連携して、Google Cloud で実行する VDI ソリューションを提供しています。また、グラフィックスの可視化における主要企業である Autodesk、NVIDIA、Teradici とも連携しています。
Google Compute Engine: Google Cloud 仮想マシン(VM)は、事前構成されたさまざまなサイズで使用することも、必要とする正確な数量の CPU や RAM でカスタマイズすることもできます。
Google Kubernetes Engine: 柔軟な GKE クラスタを使用し、コンテナ化された VDI ワークロードを実行して、アプリケーションやデスクトップのストリーミングを迅速にデプロイします。
GPU: 1 つ以上の NVIDIA GPU を VM にアタッチして、強力なグラフィック ワークステーションをデプロイしたり、リアルタイムのレンダリングやシミュレーションなどの高速なワークロードをサポートしたりします。
ストレージ: 共有ストレージを VM またはコンテナに接続して、ユーザーとシステム間でアセットを共有します。Google Cloud では多数のストレージ ソリューションを提供しており、それらはグローバルに利用可能なオブジェクト ストレージから、企業全体に提供できる仮想ファイル システム、そしてその間のすべてにサービスを提供できる仮想ファイル システムまでさまざまです。
ネットワーク: Google のグローバルなネットワークは、世界各国の 200 以上のローカル拠点に接続し、在宅勤務を行っている従業員の自宅近くでラスト ワンマイルの配信を行います。これはつまり、Google のネットワーク バックボーンを介して接続された単一の VPC 内でお客様のグローバル組織全体を運用できるということです。
使ってみる
Google Cloud には、仮想デスクトップ環境を迅速に準備して実行するための能力とグローバル インフラストラクチャ、そしてパートナーがすべて揃っています。Google Cloud の仮想デスクトップについて詳しくは、こちらにお問い合わせください。
- By シニア Cloud ソリューション アーキテクト Adrian Graham、メディア、エンターテイメント、業種別ソリューション担当マネージング ディレクターAnil Jain