コンテンツに移動
顧客事例

Sansan 株式会社 Bill One 事業チーフアーキテクトが語る技術選定のポイントとは

2022年12月12日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Leaders-Story_sansan.max-2200x2200.jpg
Google Cloud Japan Team

編集者注: Google Cloud を利用する企業のリーダーの皆様にお話を伺い、想いを語っていただく Google Cloud Leader’s Story。連載 4 回目となる本記事では、Sansan株式会社 (以下、Sansan)  の新規事業の チーフアーキテクトである、加藤耕太氏に話を伺いました。


「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションのもと、「ビジネスインフラになる」ことを目指す Sansan。主なサービスとして、営業 DX サービス「Sansan」やキャリアプロフィール「Eight」、インボイス管理サービス「Bill One」、契約DXサービス「Contract One」を国内外で提供。今回は、Sansan の主要事業の一つで、サービス提供開始 2 年で ARR 10 億円を超えるなど、急成長中のインボイス管理サービス「Bill One」のチーフアーキテクトである加藤耕太氏に、技術選定やチーム作りの考え方と Google Cloud の魅力について話を伺いました。

利用しているサービス:Cloud Run, App Engine, Cloud Functions Cloud SQL, Cloud Logging, Cloud Monitoring, Cloud Storage, Cloud Tasks, Cloud Load Balancing

利用しているソリューション:

サーバレス, オープンソース データベース

技術選定で重要なのは、解決したい課題を見失わないこと

「技術選定を行う上では、技術の背景をしっかり理解することが重要です。大抵の技術は、何かの課題を解決するために作られているので、それに合わないものを使うとトラブルになってしまいます。単に新しいからではなく、自分たちの課題を解決するかを考えるようにしています。」そう語るのは、Sansan株式会社 技術本部 Bill One Engineering Unit 加藤耕太氏。

加藤氏は、 2018 年に Sansan に入社。 Bill One の立ち上げ時から Bill One のエンジニアリングに携わっており、現在はチーフアーキテクトとして、Bill One の技術方針の策定や、技術的な難易度の高い領域の開発を行っている。更に、技術選定の別の観点として、技術の持続性にも言及する。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Jue_Ding__A7_04197.max-2000x2000.JPG

「プロダクトを何年も続けていくことを考慮して、その技術が長く使えるものかどうかを意識することも重要と考えます。」

Bill One で扱う請求書については、法律で 最低 7 年は保管する義務が定められている。今後も IT 技術が変化していく中で、その時々の技術に合わせて継続的に開発を行っていくためには、日々の情報収集などから、技術の流れを理解しておくことが重要と話す。

日々の情報収集では、Twitter や技術ブログ、技術書、Podcast などを活用しつつ、チームとしても勉強会や読書会も行っている。「(アーキテクチャ周りなどは) どこかに答えがある問題ばかりではないので、チームで話したり、手を動かして検証したりすることが重要です。自分が何か技術を導入したい時は、熱い思いがあるはずなので、それをチームにプレゼンします。妥当性があれば、検討に進んでいきます。」

誰でもリーダーシップを発揮できるチーム作り

Bill One のチームでは、チームで意思決定できる幅を広げ、開発スピードを加速させるための取り組みとして、” 3L ” と呼ばれる仕組みを導入している。

4-5 人のチームの中で、1. 自己組織化されたアジャイルチームを確立するアジャイルチームリード、2. どういうプロダクトを作るかの要件整理を行うプロダクトリード、3. 技術面のリードを行うテクニカルリードを立て、それぞれを違う人が担当することになっている。

加藤氏は、このチーム構成を Bill One のエンジニアリングチームの特徴的なポイントとしてあげた上で、次のように語る。「誰でもリードすることができる文化なので、フットワークが軽い人が多い印象。自分で”こうしたい” と主張をして、周りの意見を聞きながら進めていくことが多いです。」

また、チーフアーキテクトとして現場とマネジメントの間にいる立場で働く中で、心がけていることして、次のように話す。「ビジネスサイドとマネジメントサイド双方に近いポジションに位置しているため、会社の状況やビジネスの方向性は理解しています。そのため、技術的にベストな選択肢ばかりを採れるわけではありません。とはいえそのままだと技術的な負債が溜まって将来開発しづらくなることが想定されるため、それを自分たちで見える化して解決できるような仕組みを作ることを意識しています。」

具体的には、技術バックログという仕組みを導入。プロダクト改善とは別に、技術的に解決していきたいことを一覧化して整理し、取り組んでいける体制を整えている。

急激に成長するサービスを支える Cloud Run

Bill One は全面的に Google Cloud を利用し、サービスを構成している。利用している Cloud Run について、加藤氏は次のように話す。「Cloud Run はとても重宝していますね。好みの言語やフレームワークで開発した Web アプリをフルマネージドなコンテナ環境で実行でき、立ち上げ期のコストパフォーマンスと拡大期のスケーラビリティを両立できます。運用面では、Logging や Monitoring の仕組みなど、最低限必要なものは予め揃っているので、あえて外部の監視ツールなどを入れなくても回る状態になっています。新規事業でエンジニアが少ない中やっていくには、すごく使いやすいプロダクトです。」

また、Bill One のサービスが急激に成長する中、スケーラビリティや可用性の観点でも、Cloud Run を重宝しているという。

「可用性の面では、特にすごく助けられています。Bill One をリリースしてから、2-3 年経ちますが、Cloud Runに起因する大きなトラブルは記憶にありません。夜中に呼び出されたような経験もなく、本当に助かっています」

最後に、今後の Google Cloud について、次のようにコメントし、インタビューを締めくくった。「Google Cloud では、日々新しいサービスが出ていて、進化していると感じているので、今後も継続的に良くなっていくことに期待しています。」

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/A7_04234.max-2000x2000.JPG

Sansan株式会社

「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションとして掲げ、働き方を変えるDXサービスを提供しています。主なサービスとして、営業DXサービス「Sansan」やキャリアプロフィール「Eight」、インボイス管理サービス「Bill One」、契約DXサービス「Contract One」を国内外で提供しています。

設立:2007年6月11日
資本金:64億50百万円(2022年8月31日時点)
事業内容:働き方を変えるDXサービスの企画・開発・販売
Sansan https://s.sansan.com
Eight https://8card.net
Bill One https://bill-one.com
Contract One https://contract-one.com

インタビュイー

Sansan株式会社 技術本部 Bill One Engineering Unit チーフアーキテクト 加藤耕太氏

投稿先