コンテンツに移動
顧客事例

オプティマインド: 天文学研究出身のテックリードが語る GKE の魅力とエンジニアが認定資格を取得する意義

2022年12月23日
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Leaders-Story_optimind.max-2200x2200.jpg
Google Cloud Japan Team

編集者注: Google Cloud を利用する企業のリーダーの皆様にお話を伺い、想いを語っていただく Google Cloud Leader’s Story。連載 5 回目となる本記事では株式会社オプティマインドのテックリードである郭 岩松  (Guo Yansong) 氏に話を伺いました。


「世界のラストワンマイルを最適化する」というビジョンのもと、ラストワンマイルに特化したルート最適化サービス「Loogia (ルージア)」を提供する株式会社オプティマインド (以下、オプティマインド)。今回は、Loogia の核である多点間経路探索エンジンの開発チームのテックリードの郭 岩松氏に、オプティマインドに参画した経緯やGoogle Cloudの魅力、資格取得の効果などについて話を伺いました。

利用しているサービス:Kubernetes Engine, Anthos Service Mesh, App Engine, Cloud Functions, Cloud Run, Cloud SQL, Cloud Logging, Cloud Monitoring, Cloud Storage, Cloud Composer, BigQuery,

利用しているソリューション:

サーバレス, オープンソース データベース

ブラックホールの研究から物流最適化の世界へ

「大学院の博士課程での研究時代、大規模ソースコードのアーキテクチャやアルゴリズムについて勉強するために、流体計算に関する数万から数十万行からなるコードベースを複数読み込んでいました。」

と語るのは、製品の核である多点間経路探索エンジンのチームを率いる郭氏。多点間経路探索とは、複数の地点のすべてのペアに対して最適な経路を算出するためのアルゴリズムであり、オプティマインドのプロダクト「Loogia」では時間帯や交通規制などの日本の複雑な道路事情を考慮して計算を行うことができる。研究時代のテーマとは異なる物流の業界への参画を決めた理由について、郭氏は次のように話す。

「当時はブラックホールについて研究していたのですが、大学院生時代に創業者の松下氏と出会い、”アカデミックの世界で取り扱っている最先端の技術を、実社会に活かしていきたい” という思いが強くなりました。そこから、物流の最適化を目指すオプティマインドに参画することを決めました。」

郭氏は、創業時から、アルゴリズムの改良や、Google Kubernetes Engine ( GKE )  を使ったインフラ設計などに携っており、現在は他分野に渡る技術指導や、マネジメントなどの業務も行っている。郭氏のチームは、チームの約半数が海外にルーツを持つグローバルなチームであり、その経緯については次のように話す。

「数年前から 200 人以上のエンジニアと 1on1 を行い、採用活動をしてきました。物流現場の社会課題をアルゴリズムで解決するというビジョンや、エキサイティングな技術スタックに共感してくれた人たちを巻き込んできました。自分は海外出身ですが、特に国籍などのルーツを意識して採用活動を行ってきたわけではありません。ただ、当時主に海外で進んでいた開発者チームファーストの価値観を基に DevOps の開発体制を作ってきたこともあり、開発文化の合うチームメンバーを探していたら、今のような多様性のあるチーム構成になりました。」

GKE は柔軟性や、他サービスとの連携の高さが魅力

オプティマインドの技術選定の方針として、信頼性・保守性・コストなどの要素に加え、”メンバーがキャッチアップしたいと思うエキサイティングさ”があるという。郭氏は、コア機能の一つである、経路探索エンジンのインフラとして GKE を利用している理由について次のように語る。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/PXL_20221208_083819905.MP.max-2200x2200.jpg

「 GKE の利用に行き着くまでに、様々なプロダクトを試してきましたが、主には可用性の高さを理由に GKE を選定し、移行してきました。GKE は高い安定性があり、ランニングコストが低いことに加え、Kubernetes としての柔軟性が高い点も技術的な面白さの一つです。また、Google Cloud のその他のプロダクトとの連携が良いのも魅力です。具体的には、Anthos Service Mesh, Workload Identity などとの連携性の良さには助かっています。」

GKE 上で動かしている Istio については、運用性を理由に、OSS から Anthos Service Mesh への移行を進めている。OSS との互換性の高さも、移行をスムーズに行うための重要な要素だったという。

さらに、GKE のセキュリティについては次のように語る。「GKE は (セキュリティ関連の) アップデートが多いのも助かっています。これは、GKE に頼ればセキュリティが担保されるという意味でもあると思うので、マネージド サービスを使うことの大きなメリットだと思っています。」

エンジニアの共通言語として資格取得を推奨したい

Google Cloud Japan が提供するトレーニング プログラムの受講をきっかけに、Professional Cloud Architect と Professional Cloud Developer の Google Cloud 認定資格を、受講開始後わずか1ヶ月で取得した郭氏。資格取得の有効性について、次のように話す。

「Google Cloud でのプロダクト開発をしてきましたが、普段の業務での関わりのないサービスもありました。資格取得によってサービスを包括的に把握できたので、自分の理解の幅を広げるいいきっかけになりました。オプティマインドは、今まさに会社の規模が拡大している段階にあり、今後プロダクトの新規機能開発などが発生する可能性もあるため、その方針を考えていくためにも、資格取得は非常にいい機会になったと思います。今回幅広く知識をインプットしておいたからこそ、例えば ”既存のサービスの安全性をさらに高めるために Binary Authorization を使ってみようかな” などの考えを持つことができました。」

また既に活用しているプロダクトについても次のように話す。「普段使っているプロダクトでも、知らなかった機能を知る良いきっかけになりました。例えば Compute Engine で シリアルコンソールからデバッグができるという点も、資格を勉強するまで知りませんでした。また、ログの活用についても、監査対応のためのベストプラクティスなどを体系的に学べたのも良かったです。」

郭氏は、資格取得について、”エンジニア同士の共通言語”となると考えており、今後も社内での取得を推奨していきたいと語った。


https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/PXL_20221208_084332549.max-2200x2200.jpg

株式会社オプティマインド

設立:2015年6月
資本金:1億円
事業内容:ラストワンマイル配送におけるルート最適化サービスの開発と提供
Loogia:https://loogia.jp/

インタビュイー

株式会社オプティマインド テックリード 郭 岩松 (Guo Yansong) 氏 

投稿先