Google Cloud Platform

Fringe81株式会社の導入事例: フルマネージドな Google App Engine を駆使し少数のアプリケーションエンジニアで新規サービスを素早く立ち上げる

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大きな成果を上げた同僚や、お世話になった先輩や後輩従業員へ、感謝の言葉を添えて「ポイント」を送り、それを給与に還元することができるピアボーナス型の成果給システム「Unipos(ユニポス)」が今、話題になっています。この仕組みが、日本人の働き方にどのような改革をもたらすか、そこで Google Cloud Platform がどのように利用されているのかを、同サービスを提供する Fringe81 に聞いてきました。

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■写真左から
代表取締役社長 田中 弦氏
技術開発本部 システムアーキテクト 豊島 正規氏
技術開発本部 システムアーキテクト 千田 清勝氏

■ 利用している Google Cloud Platform サービス
Google App EngineCloud Pub/SubGoogle StackdriverBigQueryCloud Datastore など

Fringe81株式会社
Fringe81株式会社は、新しい市場を切り拓く事業開発会社です。広告主の成長をお約束する広告代理事業・新興メディアの広告事業立ち上げ支援を行うメディアグロース事業・新しい成果給のカタチを実現する「Unipos」など、"Fringe(限界を超えた、前衛的)" な事業を展開しています。2005 年創業、従業員数 131 名(2017 年 3 月末時点)

Unipos は社員同士を有機的に繋げるサービス

Fringe81 は、広告テクノロジーと HR テック領域において、先進的なウェブサービスを提供する……というくくりでは語りきれないユニークな会社です。Fringe( Fringe =こだわり・とんがり・最先端という意味に捉えている)という社名に象徴されるような、今、注目を集めているホットな分野において、世の中にない最先端のテクノロジー、サービスを提供していくことを社是としており、毎年、独創的な新規事業を精力的に立ち上げています。同社が今年 6 月にサービスの提供を開始した「Unipos」は、その代表例の 1 つと言えるでしょう。
「2005 年に Fringe81 を創業した後、他の会社と同様に、30 人の壁、50 人の壁に行き当たりました。人数が増えてくると、自分が直接見ていない部署が何をやっているのか分からなくなってくるんですね。そうすると、目立たないんだけど日々活躍している “サイレントヒーロー” の存在を見落としてしまいます。そこで、数年前に社内制度として、社員同士でお互いを褒めあう仕組みを作りました。Unipos は、そこに報酬を発生させる形へと発展させ、本格的にシステム化したものです。」(田中さん)

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会社やチームに貢献してくれた “サイレントヒーロー” に感謝のポイントを付与することで、その活躍ぶりを可視化し、さらに集めたポイントが毎月の給与に反映されるというのが Unipos のキモ。こうした「ピアボーナス」の仕組みは、すでに海外でも始まっていますが、ポイントの付与をリアルタイムに社内全体に公開できるようにしていることが Unipos の先進的なところだと田中さんは胸を張ります。
「リアルタイムであること、社内全体に公開されていることが、実はとても大事なんです。助けてくれた仲間に報酬を与えるという行為を通じて、社員同士が繋がり、それが伝播していくという効果もあるのです。具体例を挙げると、千田が非エンジニア社員向けに SQL 道場という取り組みを行っているのですが、受講者がそれに対してお礼のポイントを付けているのを見て、ほかの社員が SQL 道場に興味を持ち、活動が拡大・活発化していくということがありました。」(田中さん)

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Unipos

Google App Engine は Fringe81 の “勝ちパターン” と相性抜群

これまで Fringe81 では、他社のクラウドプラットフォームを利用したプロダクト開発が行われていたそうですが、Unipos は同社として初めて GCP を活用することに。その理由について、同社でプロトタイプ設計を担当する技術開発本部 システムアーキテクトの千田 清勝さんが説明してくれました。
「田中の指示を受け、昨年夏頃に Unipos α 版の開発がスタートしたのですが、チームが私と UX デザイナーの 2 人だけだったということもあり、インフラを整備する工数を捻出することができませんでした。そこで、さまざまな選択肢を検討した結果、インフラ周りの構築・管理も含めてフルマネージドな Google App Engine(GAE) を使ってみようと決断。GAE は、昨年あたりから私の周りでも評価が高まっていたため、導入を決定しました。」(千田さん)
そして α 版で得た知見を踏まえ、昨年末から β 版の開発をスタート。改めて実際の運用計画を踏まえた再設計を行う事になりました。その当時を、Unipos の β 版以降の開発を担当した技術開発本部システムアーキテクト 豊島 正規さんが次のようにふり返ります。
「α 版は GAE/Go で開発を進めていたのですが、弊社の他のプロダクトが Scala を中心に開発されていたということもあり、また、将来的な機能拡張のことも考え、β 版では GAE/J 環境に移行したいと考えていました。そこで、まずは CQRS のコマンド系(ライト系)を GAE/J の Flexible Environment で、クエリ系を GAE/Go の Standard Environment で動かす、ハイブリッド構成を選択。開発中に GAE/J でも Scala が使えるようになったので、今後は、サービスの大企業対応などに合わせ、徐々にこちらに一本化していこうと考えています。」(豊島さん)

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Unipos システム構成図

また、通常の開発では試験時に、主に手間とコストの面から本番環境を用意することができず、結果、サービス開始後に想定していなかったトラブルが発生してしまうというリスクがありました。しかし、GAE なら本番環境と同じ試験環境をコストをかけずに再現可能。そうした点も大きなメリットだったそうです。
さらに、GAE 以外の Google プロダクトでは、β 版のタイミングで Firebase や Cloud Pub/Sub なども導入。α 版では同期型アプリケーションだった Unipos を、よりモダンな非同期型アプリケーションへと生まれ変わらせています。
「そのほかでは、Stackdriver もかなり使い倒していますね。Stackdriver Error Reporting という機能を使って、エラーの発生時に、エンジニアにすぐに通知が行くようにしています。また、Datastore のデータを BigQuery にクローンし、それを CS(カスタマーサクセス) チームが自分たちだけで解析できるようにもしました。」(千田さん)
「これまでの仕組みでは、データベースの構造を理解してクエリを書かなければ、サーバーに過剰な負荷をかけたり、莫大な費用を発生させてしまうため、何か問い合わせがあるたびに CS チームからの依頼を受けて、エンジニアが SQL を叩いて……のようなやりとりをしていました。BigQuery を使ったこの仕組みなら、これまでデータベースを触ったことのない非エンジニアでもわずかな学習で、適切な結果を得ることができるため CS チームが自分たちだけでそうした作業を完結できるようになりました。Google Data Studio と連携させればグラフィカルなレポートも簡単に作れるので、スプレッドシート感覚で使いこなすスタッフも現れました。これによって僕らが開発に集中できるようになったことも GCP を導入した大きなメリットの一つと言えますね。」(豊島さん)
今回の “成功” を受け、Fringe81 では、水面下で始まっている新プロジェクトでも積極的に GCP を採用しているそうです。
「アプリケーションエンジニアだけでサービスを立ち上げられる GAE は、実験的なサービスを小規模に立ち上げて世に問うていく Fringe81 の “勝ちパターン” と好相性。インフラエンジニアが必要ないため、極めてローコストに新サービスを立ち上げることができます。実際、Unipos も、当初の 50% 程度の工数で開発することができました。」(豊島さん)
「安いだけでなく、先進的な機能が多数用意されているのも GCP の美点。Unipos 関連では、今後、Cloud Machine Learning などを利用して、その人が興味を持ちそうな投稿を通知してくれるハイライト的な機能を実装できないかといった機能強化についても前向きに検討しています。」(千田さん)

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