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顧客事例

フリークアウト・ホールディングス グループ CTO 西口 次郎氏が語る、Google Cloud の魅力と未来へのビジョン

2024年11月8日
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Google Cloud Japan Team

テクノロジーの力で広告業界に革新を起こす、フリークアウト・ホールディングス。フリークアウト・ホールディングスは、2011 年に日本初の DSP (デマンドサイドプラットフォーム)を提供開始して以来、動画広告、デジタルサイネージ、インフルエンサーマーケティングなど、多岐にわたる広告事業を展開し、世界 10 カ国以上で事業を展開するグローバル企業へと成長を遂げました。西口 次郎氏は、その成長を技術面から支えるグループ CTO として、日々進化を続ける広告業界の最前線に立ち続けています。フリークアウト・ホールディングスの技術戦略を担う西口 次郎氏に、同社の強みや CTO としての役割、そして Google Cloud の魅力について伺いました。

利用しているサービス:
Google Kubernetes Engine, Cloud SQL, Memorystore for Redis, BigQuery, Cloud Composer


独立系の強み:スピード感とグローバル展開

フリークアウト・ホールディングスは、独立系企業であることが大きな強みとなっています。フラットな組織構造と少数精鋭主義により、意思決定のスピードが圧倒的に速い。2012 年の創業間もない時期から海外展開を始め、現在では 10 カ国以上で事業を展開しています。このスピード感とグローバル展開力は、他社には真似できない大きなアドバンテージとなっています。

M&A でグループ傘下に入った企業に対しても、既存組織を尊重した運営を基本とすることで、カルチャーの衝突を最小限に抑えています。また、自社組織の拡大だけではなく、 GO とのジョイントベンチャーでタクシーサイネージ事業を始めるなど、既存事業との高いシナジーが見込める新しいビジネスも積極的に展開しています。

西口氏自身も、エンジニアとして入社し 3 年後には CTO に就任。これは西口氏が、エンジニアの視点から理想の組織像を思い描き、実現したいという強い思いがあったからこそ。変化の激しい広告業界において、少数精鋭のチーム体制で責任とスピード感を持って事業を推進していくことが重要だと考えているのです。

CTO としての役割

西口氏は、フリークアウト・ホールディングス全体のグループ CTO と、中核企業である株式会社フリークアウトの取締役 CTO を兼任しています。グループ CTO としては、各グループ会社 CTO の相談役となり、技術戦略の共有や課題解決のサポートを行う一方、フリークアウトでは、経営マネジメントを担いつつ、複数の部署のマネージャーも兼任し、現場の技術課題にも対応しています。

グループ会社に対しては決してトップダウンで意思決定をするのではなく、あくまでグループ会社の CTO の相談役に徹する理由について、「トップダウンの体制を敷くことで、私一人に権限と意思決定が集中してしまい、当社の強みであるスピード感が損なわれてしまうと考えています」と西口氏は語ります。

また、フリークアウトでは現場部門のマネージャーも兼任し、グループ CTO となった今でもコードを書いたり、時にはトラブルシュートを行うこともあるとのこと。ご自身も根っからのエンジニアであり、今でも最新の技術を追いかけることを心がけているといいます。

オープンソースへの徹底したこだわり

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また、フリークアウト・ホールディングスの技術選定の大きな軸の一つに OSS があります。この理由について西口氏は、「恒常的に高いトラフィックを処理する SSP や DSP では、時にカーネルのバグにヒットすることもあります。そんな時、OSS であれば自分たちが最終的にシステムに責任を持つことができます。その気になれば、隅々の挙動まで自分たちで追うことができるでしょう。」と語ります。

同社では、社員による OSS への貢献を”オープンソースコミッター手当”で報いるというユニークな制度を導入しています。「自分たちのプロダクトが OSS で構築されているならば、その OSS に対して貢献することで社会に還元することが重要」という考えがこの制度の根底にあるそうです。

Google Cloud は広告事業の進化を支える最適なプラットフォーム

フリークアウト・ホールディングスが手掛ける広告配信システムにおいては膨大な量のデータ処理が求められます。大量の同時リクエストを受ける高負荷な環境においても安定したサービス提供を実現するため、 Google Cloud を採用しています。

まだ Container Engine という名前だった頃から、 広告配信システムの基盤として Google Kubernetes Engine を採用し、大量のトラフィックをストレス無く処理しています。その後も新しいサービスを積極的に活用し、当初から利用している GKE の新しいモードである Autopilot や、データベースとして Cloud SQL Enterprise Plus などを次々と採用しています。

西口氏は、Google Cloud の魅力として、「ベストプラクティスが明確に示されている」点を挙げます。Cloud Console にアクセスして Google の推奨どおりにシステムを立ち上げるだけで、ベストプラクティスに準拠したシステムを構築できることは、開発のスピードを上げて、同時に運用負荷を下げることに大きく寄与しているそうです。

前述の通り、フリークアウト・ホールディングスのシステムは、ほとんどが OSS で構築されています。Google も OSS コミュニティにも積極的に貢献している企業であり、OSS ベースのマネージドサービスも豊富に提供しています。両者を使いこなせるエンジニアにとって、Google Cloud はこれ以上ない最適なプラットフォームと言えるでしょう。西口氏も、OSS を使うことで、ソースコードレベルでの深い理解と責任あるシステム開発が可能になると考えています。

広告業界では、3rd Party Cookie 規制に伴い、広告単価の下落やメディアの収益減少といった課題に直面しています。西口氏は、こうした変化に対応するために、データに依存しない事業モデルの構築を推進。Google Cloud の 最新技術やベストプラクティスを積極的に活用することで、変化の激しい広告業界の未来を切り拓いていきたいと考えています。

同社では、常に新しい技術に挑戦できる環境と文化を醸成。変化を楽しむことのできるエンジニア、自ら率先して新しい技術を取り入れ、発信できるエンジニアを求めています。西口 CTO は、こうした人材育成を通じて、テクノロジー主導で広告事業の進化を牽引していくという強いビジョンを示しています。


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株式会社フリークアウト・ホールディングス
2010 年設立。デジタル広告事業を中核とする Freakout Holdings は、国内初のDSP(Demand-Side Platform)を開発し、アドテクノロジー業界を牽引。近年では、AI 技術を活用したチャットシステムや、インフルエンサーマーケティング事業など、幅広いサービスを展開。コーポレートミッション「人に人らしい仕事を。」を掲げ、高度なテクノロジーにより、人らしい仕事に価値をもたらすサービスの創出を推進してきました。現在はグローバルに事業を拡大し、アメリカ、アジアを中心に世界 10 カ国以上で顧客企業の成長を支援しています。

インタビュイー
株式会社フリークアウト・ホールディングス 執行役員 グループ Tech 担当 西口 次郎 氏

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