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ストレージとデータ転送

ローカル SSD と仮想マシンで実現するテラバイト規模の可能性

2020年4月13日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 3 月 13 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

 データ ストレージは、さまざまな企業とそのワークロードを支える基盤です。Google Cloud 標準のオブジェクト ストレージ、ブロック ストレージ、ファイル ストレージのプロダクトは、ほとんどの領域においてその用途に十分対応できるパフォーマンスを提供します。しかしながら、e コマース ウェブサイトの分析やゲーム、視覚効果のレンダリングなど、コンピューティング負荷の高いワークロードを扱う企業の場合、コンピューティングの性能が収益を大きく左右するといっても過言ではありません。ウェブサイトの速度が遅かったり、処理に長時間かかることが原因で、肝心の締切日を逃してしまうことがあったりしてはならないのです。ワークロードに必要なパフォーマンスとレイテンシを確保するにあたって、最初に着目しなくてはならないのがストレージです。そして、現在利用可能な最速ストレージは、ローカルなソリッド ステート ドライブ(ローカル SSD)です。 

ここで、Google Cloud では Compute Engine 仮想マシンに 6 TB および 9 TB のローカル SSD を接続できるようになったことをお知らせいたします。既存の 3 TB のサービスと比較して、この新しいローカル SSD は最大 3.5 倍のスループットと IOPS(VM あたり)を実現します。これは、パフォーマンス目標を達成するために必要なインスタンス数が少なくて済むことを意味し、多くの場合においてコスト削減につながります。すでにローカル SSD を使用している場合は、現在使用しているのと同じ API でより大規模な新しいローカル SSD を利用できます。 

ローカル SSD の仕組み

ローカル SSD は、VM インスタンスをホストするサーバーに物理的に接続される高性能なデバイスです。この物理的な結合により、VM で最小のレイテンシと最大のスループットを実現します。これらのローカル ディスクは、常に暗号化される一方でレプリケーションはされず、一時的なブロック ストレージとして使用されます。ローカル SSD は通常、高性能なスクラッチ ディスク、キャッシュ、分散データストアや分析スタックにおける高 I/O のホット階層として使用されます。 

ローカル SSD の一般的なユースケースとして、フラッシュに最適化されたデータベースが挙げられます。この場合、分散化とレプリケーション機能はストレージより上位の層に組み込まれています。リアルタイムの不正行為検出や Ad Exchange などのアプリケーションに必要とされる、ミリ秒未満のレイテンシと非常に高い IOPS 値を実現できるのはローカル SSD しかありません。

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ローカル SSD のもう一つの一般的な用途には、パフォーマンスを重視する分析スタックにおける階層型ストレージの一部としてのホット ストレージ階層(通常はキャッシュ保存やインデックス登録用)があります。たとえば、Google Cloud のお客様である Mixpanel では、Compute Engine のローカル SDD に数百 TB 規模のデータをキャッシュして、データ分析プラットフォームでミリ秒未満のクエリ速度を維持しています。

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より大規模で高速なローカル SSD を使用する目的は、パフォーマンスです。今回発表した新しい SSD は、向上したパフォーマンスと独自の柔軟な接続性を兼ね備えており、ローカル接続ストレージとして IOPS あたり、スループットあたりで極めて魅力的な料金設定となっています。 

これらの新しい SSD は新機能を提供するだけでなく、分散ワークロードに対する総所有コスト(TCO)の削減にも役立ちます。たとえば、フラッシュに最適化されたデータベース クラスタでリアルタイム分析を行う SaaS プロバイダ様では、優れたパフォーマンスと TCO の削減を実現できます。また、分析やメディア レンダリングといった、トランザクションが大量でパフォーマンスを重視するワークロードでは、さまざまな VM で数百万の IOPS を処理できるようになります。

Compute Engine インスタンスに 9 TB のローカル SSD を接続する方法は次のようになります。

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ユーザー様からは、ローカル SSD の柔軟性、たとえばローカル SSD を(SSD サイズごとの特定の VM 構成に縛られずに)幅広いカスタム VM 構成に接続できることに満足しているという声が寄せられており、新しい 6 TB と 9 TB のローカル SSD でもその点に変わりはありません。 

6 TB と 9 TB の両インスタンスには、現行の GB あたりの料金が引き続き適用されます。お客様のリージョンにおける具体的な料金については料金ページをご覧ください。6 TB と 9 TB のローカル SSD は、N1 VM(ベータ版)に接続できます。また、まもなく N2 VM でも利用可能になります。詳細については、ローカル SSD に関するドキュメントをご覧ください。ご質問やフィードバックをお持ちの場合は、サポートの利用ページをご確認ください。

- By シニア ソフトウェア エンジニア Todd Rafacz、プロダクト マネージャー Rahul Venkatraj

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