Cloud Storage オブジェクトのライフサイクル管理での新しい制御機能
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 10 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
昨今の変化するビジネス環境では、クラウド ストレージのコストを管理し、過剰な支出のリスクを軽減することが非常に重要です。今回 Google は、Google Cloud Storage 内のデータを保護し、総所有コスト(TCO)を削減することを目的とした、新しい 2 つのオブジェクトのライフサイクル管理(OLM)ルールの提供を開始します。バージョニングされたオブジェクトがいつ最新でなくなったか(期限切れ)、またはオブジェクトに設定したカスタム タイムスタンプに基づき、ストレージ クラス間でオブジェクトを移行したり、オブジェクトを完全に削除したりできるようになりました。これにより、きめ細かな管理が可能となり、TCO の削減と、ストレージ効率の改善が実現します。
アーカイブ時間に基づいてオブジェクトを削除する
OLM を活用している多くのお客様は、オブジェクトのバージョニングによって、誤って削除されないようにデータを保護しています。しかし、バージョニングされているオブジェクトをその経過時間に基づいて自動的に削除する機能がないと、古いバージョンのオブジェクトに関連するストレージ容量と月々の料金が急増する可能性があります。NoncurrentTime 条件を指定すると、アーカイブ時間に基づいたフィルタが可能です。また、この条件を使用して、ストレージ クラスの削除や変更など、すでにサポートされているすべてのライフサイクル アクションを適用できます。つまり、不要になったオブジェクトを削除するライフサイクル条件を設定して、全体的な TCO を削減できるようになりました。
30 日前より前にバージョニングされた最新でないオブジェクト バージョンをすべて削除するルールのサンプルを次に示します。
次に示すルールは、Coldline で 1980 年 1 月 31 日より前にバージョニングされた最新でないオブジェクト バージョンをすべて Archive にダウングレードします。
カスタム タイムスタンプを設定する
2 つ目の新しい Cloud Storage 機能は、メタデータ フィールドにカスタム タイムスタンプを設定して、ライフサイクル管理条件を OLM に割り当てる機能です。これまで OLM に使用できるタイムスタンプは、Cloud Storage バケットへの書き込み時にオブジェクトに付されるものだけでした。しかし、このオブジェクト作成タイムスタンプは、実際に最も適した日付ではない場合があります。たとえば、別の環境から Cloud Storage にデータを移行していて、移行前の元の作成日を保持する場合などです。ご自身やビジネスケースに適した日付に基づいてライフサイクル ルールを設定するために、特定の日時を設定し、ライフサイクル ルールをオブジェクトに適用できるようになりました。ストレージ クラスの削除や変更を含め、既存のアクションはすべてサポートされます。
バックアップや障害復旧のアプリケーション、コンテンツ配信、データレイクなどのアプリケーションを実行している場合、データを Cloud Storage に取り込むときにオブジェクトの元の作成日を保持するにあたり、この機能を活用できます。この機能により、きめ細かな OLM 制御が可能となり、アセット自体に独自のタイムスタンプを直接設定できるため、コストの削減と効率の改善が実現します。
次に示すルールは、指定のカスタム タイムスタンプから 2 年超経過したバケット内のオブジェクトをすべて削除します。
次に示すルールは、Coldline でタイムスタンプが 2019 年 5 月 27 日より前のオブジェクトをすべて Archive にダウングレードします。
Cloud Storage オブジェクトのライフサイクル管理で経過時間またはカスタムの日付を使用する機能の一般提供を開始しました。利用の開始や詳細については、Cloud Storage のライフサイクルに関するドキュメントのページをご覧になるか、Google Cloud Console に移動してください。
-Google Cloud Storage プロダクト管理担当 Devin Lehman