Filestore Enterprise: SAP のお客様向けに最適化されたファイル共有

※この投稿は米国時間 2022 年 2 月 9 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

SAP アプリケーションの生産性とパフォーマンスのレベルを引き上げる Google Cloud の機能は、SAP 環境を運用する企業のお客様にとって価値創造の重要な源となります。Google Cloud が着目する SAP による新たな成功事例をご紹介します。Google Cloud Filestore Enterprise を SAP のデプロイのためのファイル共有ソリューションとして活用した事例です。

Filestore Enterprise は、SAP のお客様に数々の重要な機能を提供しています。たとえば、SLA が 99.99% の高可用性によるリージョン内でのファイル共有サービス、現在のニーズに基づいて簡単に拡大や縮小ができるスケーラブルな容量、ビジネス上の重要な SAP アプリケーションのデータを保護して保守する業界最高水準のセキュリティ制御などの機能があります。

本日は、Filestore Enterprise が SAP のお客様にとって、そんなにも固有で重要な新サービスである理由や SAP ストレージ サービスの全体像にどう適合するか詳しく見ていきます。

SAP 向け Filestore Enterprise: 見た目以上の価値                    

SAP のお客様の多くが、Network Files System（NFS）ソリューションはチェックボックスをオンにするような一般的な機能であると見なしていることはわかっています。しかし、ファイル共有のソリューションが SAP のクラウド テクノロジー環境の大局的な評価にどう適合するか考えてみる理由が十分にあります。NFS の構造は見た目よりは複雑なので、詳しく見てみることが重要です。それにより、ビジネスに不可欠な SAP アプリケーションのファイル共有の信頼性とパフォーマンスを最大限に引き出せているか確認できます。

SAP のお客様が Filestore Enterprise について最初に知っていただきたいことは、アプリケーション データのセキュリティと可用性を保ち、最高のパフォーマンスで動作できるようにゼロから設計されているということです。具体的には次のような内容です。

• SAP のお客様に、99.99% の SLA の高可用性でリージョン内のファイル共有サービスを提供します。

• ゾーンで障害が発生した場合、シームレスで中断のないファイル アクセスを提供します。

• お客様のリアルタイムでの SAP ワークロードの要件に基づいて、簡単かつ即座に拡張または縮小できる非常にスケーラブルな容量です。

• 影響を最小限に抑えて、SAP のお客様が立ち上げと保守を行えるようになるフルマネージド ソリューションであるため、社内のチームはより重要な取り組みに集中できます。

• ルート スカッシュを使用した VPC-SC や IP ベースのアクセス制御などの高度な制御が可能なため、最高水準のデータのセキュリティと整合性を実現します。

自由をもたらすフルマネージド NFS ソリューション

SAP のお客様の多くが、現在、自社またはサードパーティの NFS ソリューションを利用しています。また、SAP クラウドの移行を計画している場合は、このようなタイプのソリューションを検討しています。どちらのアプローチも時がたつにつれて、その価値が証明され、企業への効果が期待できます。しかし、社内での開発や管理の帯域幅の点で、コストがかかり、複数のベンダー、管理ツールセット、ストレージ アーキテクチャに対処する必要が多々あります。

Filestore Enterprise は、SAP のお客様に説得力のある代替手段を提供します。それは、Google Cloud のデプロイと管理のツールセットと完全に統合した、安定性、拡張性および安全性の高い NFS ソリューションです。Filestore Enterprise は、大規模でかなり複雑な SAP のデプロイでさえも NFS ソリューションの要件を満たすことができます。特注の NFS ソリューションを構築、またはサードパーティのストレージ プロバイダと取引する時間や手間が要らないフルマネージド型のすぐに利用可能なサービスです。

NFS の可用性の絶対的基準

Filestore Enterprise は、SAP のお客様向けの高可用性 NFS ストレージにおける新たな基準を設定しています。マウスで数回クリックするだけで、または Google Cloud API の呼び出しを数回行うだけで、リージョン内の 3 つのゾーン間でシームレスに複製や同期を行う NFS 共有をプロビジョニングできます。リージョン内の 1 つのゾーンがダウンした場合でも、Filestore Enterprise は継続的に実行されます。お客様による操作はいっさい不要で、停止状態であることにお客様が気づくこともなく Filestore Enterprise はデータを処理し、最大限のパフォーマンスで稼働し続けます。

さらに、Filestore Enterprise を使用すると、定期的にファイル システムのスナップショットが作成され、必要数の復元ポイントが保持されます。復元操作が必要な場合、単一のファイル、またはファイル システム全体でも、システムのスナップショットから数分足らずで、障害のあるデータを復元できます。

SAP 向けのファイル ストレージの全体像

考慮すべき重要な要件がもう一つあります。NFS ソリューションを包括的な SAP ストレージ戦略にどう適合させるかということです。Filestore Enterprise と Google Filestore Basic を連携させることで、SAP のお客様に柔軟で安全なフルマネージド ファイル ストレージ ソリューションが提供されます。このソリューションにより、幅広いユースケースとパフォーマンス要件に対応できるようになります。

SAP のお客様固有の機能

Filestore Enterprise は SAP のお客様に、安全性、信頼性、可用性に優れ、デプロイが簡単なフルマネージド ファイル共有ストレージ ソリューションを提供します。Filestore Basic と連携させることで、ご利用の SAP アプリケーション環境に適したストレージ機能を自由に選べるようになります。また、マルチゾーンのアーキテクチャにより、Filestore Enterprise は、ハイパースケール クラウド間で固有の信頼性の高いパフォーマンスをもたらします。

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