Gojek: Google Maps Platform を活用し、ドライバーがピックアップ地点に到着するまでの時間を最大 20% 短縮
Google Cloud Japan Gaming Team
※この投稿は米国時間 2020 年 11 月 12 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 本日の投稿では、Gojek のモビリティ マーケットプレイス担当リードである Andrew Brinson 氏に、Google Maps Platform でのオンデマンド配車や配達ソリューションの使用方法に関するさまざまな質問に答えていただきました。オンデマンド配車および配達ソリューションは、企業の業務を改善するとともに、予約から到着または配達までのドライバーと顧客の行程を変革します。Gojek が提供する幅広いサービスに、Google Maps Platform がどのように活用されているか、最新の動画でご覧ください。
Brinson さんの役割について少しご説明いただけますか?
私は Gojek のモビリティ マーケットプレイスを担当するチームを率いています。モビリティ マーケットプレイスとは、需要と供給を当社のプラットフォーム上でマッチングして成立させる仕組みです。当社のサービスでは、配達ドライバーと受取人を日に何百万回とマッチングします。ドライバーが配達場所に確実に到着することが優先ですが、価格を最適化することも考慮します。
Gojek の生い立ちとミッションについてお聞かせください。また、どのように成長を遂げてきたのか、現在特に力をいれているサービスについてもお話しいただけますか?
Gojek は 2010 年、インドネシアでオジェックと呼ばれるバイクタクシー サービスの効率化を目指し、コールセンターとして設立されました。オジェックは現在でも、インドネシアのインフォーマル経済において重要な存在です。創業当時、バイクタクシーはたった 20 台でしたが、ドライバーには単に人を運ぶ以上のことが可能なはずだという信念がありました。
Gojek は創業以来拡大を続けており、20 以上のサービスを提供するワンストップ プラットフォーム(「スーパーアプリ」)となりました。展開している地域で、1.9 億人ものユーザーを 200 万人のドライバー パートナーや 50 万もの登録店舗と繋げています。
当社のミッションは、消費者と最も適した商品やサービスを提供する業者を結ぶことで、日常のわずらわしさを取り去ることです。その中心となるのが、モビリティ マーケットプレイスと需給マッチングです。多くの市場では、人々は移動、代金の支払い、買った品物を配達してもらうといった、昔ながらの面倒な作業をこなさなければなりません。当社のサービスはすべて、市場にあるこうしたギャップを埋め、ユーザーが抱える問題を解決して生活を改善することを目指して構築されています。
例えば、当社の主力サービスに GoPay という決済プラットフォームがあります。これは銀行口座が持てないドライバーを、正規の金融セクターと結ぶために立ち上げたサービスです。現在、当社はインドネシア最大手の消費者向けデジタル決済プラットフォームとして、何百万人ものあらゆる職業や立場のユーザーに便利なキャッシュレス取引の利用を可能にしています。
オンデマンド配車と配達ソリューション、Google Maps Platform に関して過去に抱えていた課題についてお話しいただけますか?
当社は以前 3 つの課題を抱えていました。
まず 1 つ目ですが、Google Maps Platform チームが持つ知識を活用して、アプリ内に優れたドライバー向けナビゲーション システムを組み込みたいと考えていました。ドライバーが目的地に向かうルートを決める際に、仲間内の知識に頼るのではなく、アプリ内のマップを使って高度なデータとナビゲーションを活用してもらいたかったのです。当社がサービスを展開している都市では、道やインフラが常に変わってしまうため、これは非常に重要です。
2 つ目は、アプリ内でドライバーの位置やルート、到着予定時刻をリアルタイムで見られるようにすることでした。ドライバーがピックアップ場所に向かっていることを知らせ、待ち合わせをスムーズにするためです。
3 つ目は、当社ではドライバーの場所をリアルタイムで把握して乗客と効率的にマッチングするために、車両管理システムを探していました。
現在、インドネシアとシンガポールでは、二輪車と四輪車の全ドライバーが、アプリ内ナビゲーションを利用できます。効果は非常に大きく、ナビゲーションをオンにしているドライバーは、オフにしているドライバーに比べて、到着時間が 20% 正確だというデータが得られています。
Google Maps Platform との関係で、特に良かったこと、印象的だったことはありますか?
両社が地域市場に関する知識と技術的な専門知識を持ち寄ることで、ユーザー向けとドライバー パートナー向けアプリの両方で操作性を大きく改善できた点です。当社だけではかなり達成が難しいと思われましたが、2 社の力を合わせることで実現できました。Gojek と Google Maps Platform チームの連携、集中力、努力の賜物です。
お客様に適切なドライバーをマッチングする方法について少しお話しいただけますか?また、Google Maps Platform を利用する利点についてもお聞かせください。
お客様が「近くのドライバー」機能を使用すると、Gojek のドライバーの中から最も近い位置にいるドライバーにマッチングが最適化されます。適切なドライバーが選択されるよう改善されたことで、ピックアップ時間が短くなり、全体としてのエクスペリエンスが改善しました。
また、Google Maps Platform が、独自のオンデマンド配車および配達ソリューションの提供を開始したため、シグナルの質が低かったり道路の網羅率が悪かったりする場所でも、マップ上に存在しない道路に気付けるようになりました。また、以前よりも正確にドライバーの位置を特定できるようになりました。その結果、配車の質の改善と、経路選択の問題の解決につながりました。Google Maps Platform は、インドネシアの絶えず変化する道路状況に合わせてマップの質の向上を続けていますが、今後もさらなる長期的な改善を期待しています。
Gojek の今後の計画についてお聞かせください。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、デジタルサービスへの世界的な移行が加速するなかで、当社のプラットフォームとミッションの重要性がこれまでになく高まっています。一方、このダイナミックな変化の時代に、解決しなければならない新しい問題も浮上してきました。
今後もオンライン コマースへの移行と保健衛生への関心の高まりは続き、それに伴ってデジタル決済の重要性も高まると予想しています。現在当社は、自らのミッションを果たすと同時に、消費者のニーズの変化に合うようサービスに調整を図ることに特に注力しています。
Google Maps Platform オンデマンド配車および配達ソリューションの詳細については、こちらのブログまたはウェブサイトをご覧ください。
Google Maps Platform の詳細、ニュースレターの購読は、ウェブサイトをご覧ください。
-Gojek モビリティ マーケットプレイス担当リード Andrew Brinson