Cloud Logging と Cloud Monitoring で Gemini for Google Cloud の使用状況を把握する
Calvin Cheng
Product Manager
Martin Varela
Staff Software Engineer
※この投稿は米国時間 2024 年 12 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
開発者がより優れたコードをより迅速に作成できるよう支援する Code Assist や、クラウド運用担当者が使用状況をより効率的に管理できるよう支援する Cloud Assist など、さまざまな機能を備える Gemini for Google Cloud は、AI を搭載したパーソナル アシスタントです。
これまで、社内ユーザーが Gemini をどのように活用しているかを正確に把握することは困難でしたが、これからは違います。
このたび、Cloud Logging と Cloud Monitoring が Gemini for Google Cloud に対応しました。現段階では公開プレビュー版ですが、Gemini for Google Cloud と個々のユーザーの間でやり取りされたリクエストと回答が Cloud Logging で記録され、Gemini for Google Cloud のアクティブ ユーザーと回答の合計数(1 日分、7 日分、28 日分)が Cloud Monitoring で報告されるようになりました。
Cloud Logging
Gemini が及ぼす影響をお客様が全般的に把握できるようになるだけでなく、次のような状況でもログが役立ちます。
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AI 生成コンテンツの来歴を追跡する
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Gemini for Google Cloud の使用状況を記録し、確認する
Cloud Logging を利用するには、この機能を有効にする必要があります。有効にした場合、ユーザーの Gemini for Google Cloud アクティビティが Cloud Logging に記録されるようになります(Cloud Logging の料金が適用されます)。
有効にすると、Gemini for Google Cloud へのリクエストと Gemini for Google Cloud からの回答ごとにログエントリが作成されます。典型的なリクエスト エントリは、ログ エクスプローラによって提供される次の例のようなエントリです。
このエントリに関して、注目すべき点がいくつかあります。
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jsonPayload
内のコンテンツには、リクエストに関する情報が含まれています。このリクエストは、「def fibonacci
を入力とする Python コードを完成させてほしい」というものでした。 -
ラベルから、メソッド(
CompleteCode
)、プロダクト(code_assist
)、リクエストを開始したユーザー(cal@google.com
)がわかります。 -
リソースのラベルから、リクエストが行われたインスタンス、ロケーション、リソース コンテナ(通常はプロジェクト)がわかります。
典型的な回答エントリは、次のようなものです。
この例のリクエストと回答を比較すると、ラベル内の request_id
が同一であるため、これらがペアであることを確認できます。
ログ エクスプローラに加えて、ログ分析もログデータを分析し、「Code Assist に対するユーザー XYZ からのリクエストの数は?」といった質問に回答する際に役立つクエリに対応しています。
詳しくは、Gemini for Google Cloud Logging のドキュメントをご覧ください。
Cloud Monitoring
Gemini for Google Cloud Monitoring の指標を利用して、次のような質問に回答できます。
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過去 1 日または 7 日の間に Gemini for Google Cloud プロダクトを使用したユニーク アクティブ ユーザーは何人ですか?
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過去 6 時間で、ユーザーが Gemini for Google Cloud プロダクトから受け取った回答の総数はいくつですか?
Gemini for Google Cloud 向け Cloud Monitoring は、Gemini for Google Cloud プロダクトのユーザーであればどなたでも利用できるソリューションであり、回答数とアクティブ ユーザー数を Cloud Monitoring の指標として記録します。また、この情報を使用して、ダッシュボートとアラートを構成できます。
これらの指標は Cloud Monitoring のものであるため、Cloud Monitoring のダッシュボードの一部として使用することもできます。Gemini for Google Cloud の使用が検出されると、GCP のダッシュボードに「Gemini for Google Cloud」ダッシュボードが自動的にインストールされます。
Metrics Explorer を使用することで、指標を検証し、フィルタを適用して使用状況をさらに詳しく表示することもできます。このためには、次のように Metrics Explorer の「Cloud AI Companion Instance」というアクティブ リソースを選択します。
上の例の response_count
は Gemini for Google Cloud が返した回答の数を示しています。Gemini Code Assist や Gemini for Google Cloud メソッド(コード補完 / 生成)用のフィルタを適用できます。
詳しくは、Gemini for Google Cloud Monitoring のドキュメントをご覧ください。
次のステップ
Google は、継続的に新機能を追加するよう努めており、特に Code Assist のロギングと指標の機能強化に力を入れています。こうした機能強化により、Gemini Code Assist の使用状況と効果をより詳細に把握し、観測することができます。Gemini Code Assist の導入について、または Gemini Cloud Assist(および Cloud Logging と Cloud Monitoring の Gemini Cloud Assist に関するオブザーバビリティ データ)について詳しくは、次のリンクをご覧ください。
スタッフ ソフトウェア エンジニア Martin Varela