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Google Cloud と米国政府の連携についての最新情報

2021年11月19日
Google Cloud Japan Team

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※この投稿は米国時間 2021 年 11 月 12 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

米国国防総省は、クラウド調達フレームワーク「JEDI」の後継となる新フレームワーク「JWCC」を発表する予定です。最近、JWCC への Google の参加意向や、Google のさまざまなクラウド プロダクトやサービスが最近取得した米国政府認証など、Google Cloud チームが政府と取り組んできた他のワークストリームに関して憶測や混乱が生じています。  

まず、明確にしておきたいことは、Google は創業当初から米国政府とのパートナーシップを大切にしてきたという点です。たとえば、米国海洋大気庁による気象予測の支援や、特許商標局がより多くの特許を発見できるようにする支援など、さまざまな非軍事機関にサービスを提供しています。また、癌の早期発見海軍艦艇の錆び腐食の発見空軍の航空機整備の改善などにおいて、米軍にも貢献しています。その際に、Google は重点的に取り組む分野や明確に打ち出した方針に沿って活動できるように設置したプロセスに従っています。

JWCC(およびそれ以前の JEDI)は、国防総省を構成する 28 の主要機関、複数の構成組織、下位機関のための調達フレームワークとして設計されています。国防総省は、現役の軍人や文官、予備役、州兵を含む約 300 万人の従業員を抱える世界最大の雇用主です。  

JWCC の目的は単純です。それは、国防総省のさまざまな部門が使っている時代遅れのテクノロジーのせいで無駄な支出が増え、各機関との効率的なコミュニケーションが制限され、国防総省とその構成機関がサイバー脅威に直面しているため、その構成員と国家全体が危険にさらされているという現状に対処することです。世界中の多くの組織と同様に、国防総省も IT インフラストラクチャをクラウドに移行してモダナイズしたいと考えています。また、将来の業務シナリオに高度なテクノロジーを導入することも希望しています。  

国防総省は JWCC を使って、人事記録の保存、採用の分析、医療記録の保管、ストレージや基本的な分析を超えた高度なクラウド ソリューションの導入などを行うものと思われます。JWCC は、コスト削減、イノベーションの推進、生産性の向上、サイバーセキュリティの強化など、国防総省と政府の成功に不可欠です。

JWCC 調達フレームワークでは、国防総省の機関が「機関内」と「機関間」の両方のプロジェクトで協力できる、事前に承認されたベンダーのリストが作成される予定です。国防総省では、同省の要件を満たせるベンダーとして、マイクロソフトとアマゾンの 2 社を特定しています。この 2 社は、国防総省にとって唯一のクラウド プロバイダになることを目指してきました。国防総省は Google Cloud を含む多数のベンダーに支援を求めるべきであり、JWCC では選択肢を温存し、コストを削減して、同省に広く多様な革新的ベンダーのグループを提供するマルチクラウド環境を目指すべきだと Google は考えています。

国防総省は最近、市場調査の段階が終了したことを発表しました。そしてこれから、まもなく公表される提案依頼書(RFP)への回答を複数のベンダーに求める予定です。この RFP は、各ベンダーの技術力とセキュリティ能力を全般的に評価するものになると思われます。  

RFP はまだ公表されておらず、Google はまだ入札に招待されていないため、RFP の具体的な内容についてはほとんどわかっていません。Google が把握している情報のほとんどは、JEDI の提案について知っていることと、JWCC の市場調査プロセスの一環として知ったことに基づいています。  

しかし、JWCC の契約に招待された場合は、Google は絶対に入札する意向です。そして、遵守しているベンダーの一社として選ばれた場合、Google は誇りを持って国防総省と協力して業務のモダナイゼーションを支援します。その際には、Google の AI 原則に基づいて開発したプロセスを含め、Google のお客様にサービスを提供するために用意してあるプロセスに従います。

Google は、AI 原則を適用して、どのような AI プロダクトを提供するか、またどのようなカスタム AI プロジェクトを推進するか否かについての指針と監視を提供するガバナンス プロセスを開発しました。Google は、Google の原則に沿った特定のプロジェクトにおいて、軍を含む米国政府とのパートナーシップを継続していきます。

JEDI の RFP が公表されたとき、Google Cloud は入札できる立場にはありませんでした。第一に、Google Cloud のテクノロジーは、競争に必要なさまざまな機密レベルやその他の技術的要件を満たす準備ができていませんでした。また、この契約は一社のみと結ばれる形式であり、国防総省が進めるプロジェクトの中には、Google の AI 原則とは相容れないものがあった可能性もあります。

それ以降、状況は次のように変化しました。

  • JWCC は複数ベンダー契約として構成されています。つまり、このフレームワークの下で検討されているさまざまなプロジェクトのすべてを単一のベンダーが行うことはないということです。これは、国防総省の業務の規模や幅広さを考えると、賢明なアプローチです。Google のプロダクト機能やエンジニアリングの専門知識が、AI 原則に沿って発揮される分野は数多くあるでしょう。

  • また、Google は政府の多くの機密レベルに対応するためにサービスを成熟させてきました。その作業は、政府との直接的な関わりだけでなく、Google Cloud のお客様のニーズによっても推進されています。米国政府と情報を共有したり、仕事をしたりするすべての企業は、その情報システムが技術とセキュリティの特定の要件を満たしていることを保証する必要があります。Google がこれらの要件を満たしているからこそ、多くのお客様は別のプラットフォームに乗り換えずにいます。

このことから、Google Cloud がどのように米国政府と連携・提携するかがおわかりいただけるかと思います。特に、Google が入札で選ばれた場合に、JWCC フレームワークの一部として国防総省とどのように連携するかを明らかにしました。すべての Google 社員がこの決定に同意するわけではないことは理解していますが、Google Cloud にその能力があり、その作業が Google の AI 原則と企業価値に合致する場合には、政府へのサービス提供を目指すべきだと考えています。JWCC フレームワークは、軍務に就いているすべての人の成功と安全を支援する多くの機会を Google にもたらすでしょう。Google が長年行ってきたように、これからも支援できることを期待しています。


- Google Cloud CEO Thomas Kurian
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