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ソリューション ガイド : Cloud IoT Core でコネクテッドカー アプリを構築

IoT(モノのインターネット)により、クルマは、輸送だけを目的とした自己完結的なコモディティから、インターネットに接続され双方向通信も可能なエンドポイントへと生まれ変わろうとしています。最新のコネクテッドカーが作り出す新しいデータ ストリームは、利用状況に応じた自動車保険などの革新的なビジネス モデルを生み出すとともに、新しい車内体験を実現し、自動運転や V2V(vehicle-to-vehicle)コミュニケーションといった先進的な技術の基礎を築きます。

このような世界を現実のものとするためのお手伝いができることを、私たち Google Cloud はうれしく思います。Google Cloud Platform(GCP)サービスはそうした世界のどの領域に位置づけられるのか、それを説明したソリューション ガイドを先ごろ公開しました。

データの氾濫

クルマは 1 日に 1 台で 560 GB ものデータを生成します。データ量がこれだけ多いということは、とてつもない可能性を秘めていることを意味しますが、それは同時に、車両データの接続や管理を行うプラットフォームが次のような難題を抱えるということでもあります。

  • デバイス管理 : あらゆるプラットフォームにデバイスを接続できるようにするには、認証、権限付与、更新ソフトウェアのプッシュ、構成、モニタリングが必要です。これらのサービスは、数百万のデバイスにスケーリングできなければなりませんし、いつも利用できる状態にしておく必要があります。
  • データ インジェスト : メッセージを確実に受信し、処理して保存しなければなりません。
  • データ分析 : 事象、許容誤差、傾向、発生し得る障害に関する知見を得るため、デバイスが生成する時系列データの複雑な分析が必要になります。
  • アプリケーション : ビジネス レベルのアプリケーション ロジックを開発し、既存のサードパーティのデータ ソースやオンプレミス データセンターのデータ ソースに統合しなければなりません。
  • 予測モデル : ビジネス レベルの結果を予測するためには、現在のデータおよび履歴データに基づく予測モデルを開発する必要があります。

最近リリースされた Cloud IoT Core を含む GCP サービスは、Google のエンドツーエンドのセキュリティ モデルを活用した堅牢なコンピューティング プラットフォームを提供します。Google Cloud サービスを使ってコネクテッドカー プラットフォームを実装する方法を見てみましょう。

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デバイス管理 : セキュアなデバイス管理と通信という部分では、グローバルに分散されたデバイスと GCP をセキュアに接続して一元管理する作業を Cloud IoT Core が単純化してくれます。IoT Core Device Manager が認証と権限付与を提供し、IoT Core Protocol Bridge がクルマとプラットフォームの間のメッセージングを可能にします。

データ インジェスト : Cloud Pub/Sub が提供するスケーラブルなデータ インジェスト ポイントは、クルマから送信された膨大な量のデータ(GPS 位置情報、エンジンの回転数、イメージなど)の処理に対応できます。また、時系列データの格納と分析には、Cloud Bigtable のスケーラブルなストレージ サービスが最適です。

データ分析 : Cloud Dataflow は、クルマのデバイス データと企業の車両および顧客データを結合するデータ パイプラインを処理し、結合後のデータを BigQuery に格納します。BigQuery は、強力な分析エンジン サービスとともに、Tableau、Looker、Qlik などのビジュアライゼーション ツールとの統合を提供します。

アプリケーション : Compute Engine と Container Engine、および App Engine は、いずれもコネクテッドカー プラットフォーム向けの計算コンポーネントを提供します。Compute Engine は、さまざまなマシン タイプを提供するので、サードパーティの統合コンポーネントにとって理想的なサービスです。Container Engine は、マイクロサービス アーキテクチャのおかげで、柔軟性とスケーラビリティがきわめて高いコンテナを実行し、管理します。App Engine はスケーラブルなサーバーレス プラットフォームであり、コンシューマー向けのモバイルおよびウェブ アプリケーションのフロントエンド サービスにうってつけです。

予測モデル : TensorFlow と Cloud Machine Learning Engine が、洗練されたモデリング フレームワークとスケーラブルな実行環境を提供します。TensorFlow は、カスタムのディープ ニューラル ネットワーク モデルを開発するためのフレームワークを提供し、IoT で生成されるデータを活用するときに重要となる性能、柔軟性、スケーラビリティに合わせて最適化されています。Cloud Machine Learning Engine は、Google がコンピューティング インフラストラクチャとして開発した GPU や TPU などの専用ハードウェアを使って TensorFlow モデルを訓練できるスケーラブルな環境を提供します。

まとめ

クルマは、サードパーティの高度なサービスを提供できるモバイル テクノロジー プラットフォームが組み込まれた、洗練された IoT デバイスとなりつつあります。それに対して GCP は、高度なヘッド ユニットから低消費電力のシンプルなセンサーまで広く IoT デバイスの接続に対応する、セキュアかつ堅牢でスケーラブルなプラットフォームを提供しています。

GCP を活用した次世代コネクテッドカーの詳細は、ソリューション ガイド『Designing a Connected Vehicle Platform on Cloud IoT Core』(Cloud IoT Core によるコネクテッドカー プラットフォームの設計)を参照してください。

* この投稿は米国時間 6 月 30 日、Solutions Architect である Charles Baer によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。

- By Charles Baer, Solutions Architect