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Asia Pacific Internet Development Trust と Google、太平洋地域における研究と教育ネットワーク強化に関する契約を締結

2025年11月12日
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Google Cloud Japan Team

太平洋全域の研究と教育機関向けコネクティビティの到達性、信頼性、可用性向上に向けた新たな合意

写真左から:村井純博士(APIDT ディレクター)、ブライアン クイグリー(Google Cloud グローバル インフラストラクチャ バイス プレジデント)

Asia Pacific Internet Development Trust(APIDT)と Google は本日、Arterial Research and Education Network in Asia Pacific(ARENA-PAC)を通じ、太平洋地域の研究および教育(R&E)コミュニティに変革をもたらす機会を創出する、新たな長期契約を締結したことを発表しました。

本戦略的合意は、太平洋接続構想と合わせて、太平洋全域の R&E 機関におけるオープンな協働を支援し、信頼性、可用性に優れた高速コネクティビティを推進する上で、重要な節目となります。このイニシアチブは、国際的な研究協力への参加、大規模データセットの共有、オープンサイエンスの推進、そして太平洋諸島の人々の学習機会の拡大を可能にし、同地域の基盤を大幅に強化します。

APIDT が 太平洋接続構想 によって拡張された通信ケーブルのキャパシティを得ることで、ARENA-PAC ネットワークは、国内外の R&E 活動を支える高速かつ低遅延のコネクティビティを確保します。この新たなキャパシティは、ネットワークに以下のような主要なメリットをもたらします。

  • データ集約型研究の加速: 研究機関や学術機関が、複雑かつ即時性の高いデータ処理のために膨大なデータセットを迅速に共有、転送できるようになります。これにより、科学、ヘルスケア、研究成果の進展に貢献します。
  • リアルタイムでのグローバル連携強化とデジタル学習およびリソースアクセスの拡大: 研究者や教育者がシームレスなリアルタイム連携を行うことが可能になります。これにより、以下のような可能性が生まれます。
    • より質の高いオンライン教育や文化コンテンツの配信
    • 遠隔地の専門家とのリアルタイムな健康および医療相談
    • 太平洋全域における大規模なオープン教育リソースの共同制作

慶應義塾大学サイバー文明研究センター(CCRC)、WIDE プロジェクト創設者であり、APIDT のディレクターである村井純教授は次のように述べています。
「Google との連携を通じて、太平洋地域のネットワークに新たなキャパシティを追加することで、地域の R&E コミュニティに恩恵をもたらす、包括的かつレジリエントな高性能なコネクティビティを実現できます。この提携は、地域における R&E ネットワークの利用しやすさ、手頃な価格、アクセス性を促進するという私たちの使命と完全に一致するものです。」

Google Cloud グローバル インフラストラクチャ バイス プレジデントであるブライアン クイグリーは次のように述べています。
「APIDTと契約を締結し、太平洋接続構想 によって拡張された通信ケーブルのキャパシティを提供することは、『世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること』という Google の使命を前進させる重要な一歩です。この独自のイニシアチブは、我々の共同の取り組みが、アジア太平洋全域の研究と教育機関に、より広い到達範囲、より低い遅延、そしてより信頼性の高いインターネットをいかに提供できるかを示す重要な事例となります。」

太平洋接続構想 は、Google をはじめ、多くの地元や地域の参加者を含む、太平洋を横断する新たな海底ケーブルインフラを構築するためのマルチステークホルダー イニシアチブです。このイニシアティブは、インターネットインフラの到達範囲を拡大し、島嶼国間に存在する歴史的なデジタル接続格差を埋めるための新たな接続を促進します。また、太平洋地域の通信のレジリエンスを強化し、海底ケーブルインフラの信頼性を確保することを目指しています。

2024 年 4 月、Google は 太平洋接続構想の拡張を通じた日本へのデジタルコネクティビティへの投資を発表しました。これには、Humboldt、TPU、Bulikula、Halaihai、Honomoana、Tabua、Proa、Taihei といった海底ケーブルが含まれます。米国と日本の間に新たな光ファイバールートを確立することで、Google のデジタル未来構想​をサポートするとともに、米国、日本、そして複数の太平洋島嶼国と地域間のデジタルコネクティビティの信頼性とレジリエンスを向上させます。

本契約締結は、アジア太平洋全域のインターネット発展を推進するという APIDT の使命を強化するものであり、また、世界中のコミュニティにおいて到達範囲を拡大し、デジタル格差を縮小するインフラを推進するという Google のコミットメントとも一致しています。

Asia Pacific Internet Development Trust(APIDT)について

Asia Pacific Internet Development Trust(APIDT)は、WIDE プロジェクトと APNIC が共同で設立したイニシアチブであり、キャパシティビルディング(能力構築)やインターネットインフラの発展を含む、アジア太平洋地域のインターネット開発イニシアチブに資金を提供するために設立されました。APIDTは、Arterial Research and Educational Network in the Asia Pacific (ARENA-PAC)を通じて、R&E を目的としたバックボーン ネットワークへの投資を行ってきました。ARENA-PAC は、グアム、東京、インドネシア、フィリピン、シンガポール、マレーシア間を結ぶ 100Gbps リンクで構成されています。ARENA-PAC の運用は、WIDE プロジェクトが担当し、様々なキャパシティビルディング プログラムは、ARENA-PAC と連携するアジア太平洋地域の大学間 R&E コミュニティである SOI Asia が主導しています。ARENA-PAC と SOI Asia の事務局は、ともに慶應義塾大学サイバー文明研究センター(CCRC)内に設置されています。

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