クレジットカードは不要 : クエリを無料で試せる BigQuery サンドボックス
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2019 年 2 月 8 日に Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
BigQuery サンドボックスは BigQuery を無料で試せるオプションです。新規ユーザーや学生の方でも、クレジットカードの情報を入力する必要はありません。
企業によって収集されるデータが増加の一途をたどる中、BigQuery のようなサーバーレス データ ウェアハウスこそが、ニーズに合わせてスケーリングできる唯一のプラットフォームだと、多くの組織は考えるようになっています。BigQuery は、大規模な一般公開データセットに対して高度なクエリを実行するための柔軟なウェブ ベースのインターフェースも提供します。こうした BigQuery のメリットを、BigQuery サンドボックスによって、まったく費用をかけずに体験できるようになりました。
Google のサーバーレス クラウド データ ウェアハウスである BigQuery は非常にシンプルなため、標準 SQL クエリの知識と好奇心さえあれば、データから知見を得るための分析作業に着手できます。BigQuery についてもっと知りたい方は、こちらのドキュメントをご覧ください。
BigQuery サンドボックスのユーザーは、有料ユーザーの場合と同じコンピューティング リソースにアクセスでき、有料ユーザーと同様に、大規模および小規模のデータセットに対して SQL クエリを実行したり、BigQuery ML や BigQuery GIS のような新しい機能を利用したりすることが可能です。
BigQuery サンドボックスでは、クエリ データ処理を毎月 1 TB まで、ストレージを同 10 GB まで無料で利用できます。すべてのテーブルとパーティションには 60 日間の有効期限があります。なお、BigQuery の一部の機能(DML、ストリーミング、Data Transfer Service)は BigQuery サンドボックスに含まれていません。これらの機能を使いたい場合は、Cloud Console の「UPGRADE」をクリックし(下図右上)、案内に従って料金の支払情報を入力してください。
想定ユーザー
私たちは、支払情報を入力することなく BigQuery を無料で試したいユーザーに向けて、BigQuery サンドボックスを開発しました。- 学生の方は、料金を気にせずに講義やプロジェクトで BigQuery を利用できます。
- BigQuery の機能を調査したい政府機関や自治体の職員の方は、支出承認プロセスを経ずに、シンプルにログインしサインアップしてクエリを実行できます。
- BigQuery が自社のアーキテクチャにどれだけ適合するかを検証したい企業の開発者の方は、連携をテストできます。
- Firebase のような他の Google プロダクトのユーザーは、データを BigQuery に取り込み(Firebase には自動パイプラインが用意されています)、そのデータに対して高度なアドホック分析を実行できます。
- 科学者や学術研究者の方は、クラウド コンピューティングがどのようにデータ分析を変えるのかを理解できます。
BigQuery サンドボックスと GCP 無料トライアルの違い
Google Cloud Platform(GCP)には、BigQuery サンドボックスと GCP 無料トライアルの 2 つの試用オプションが用意されています。前者の BigQuery サンドボックスは、クレジットカード情報を入力することなく手軽に BigQuery にアクセスしていただける BigQuery 専用オプションです。今すぐ BigQuery を試用し、あとで他の GCP プロダクトを試したい方は、まず BigQuery サンドボックスをお使いになるとよいでしょう。下図左側の「TRY BIGQUERY FREE」ボタン(緑の楕円)をクリックしてください。後者の GCP 無料トライアルでは、あらゆる GCP プロダクトを 300 ドル分の無料クレジットでお試しいただけます。さまざまなプロダクトを試したい方は、下図右上の「Try free」ボタン(黒の破線の楕円)をクリックすれば GCP 無料トライアルを有効化できます(注 : GCP 無料トライアルを利用するにはクレジットカードが必要です)。
BigQuery サンドボックスをご活用ください
まず、こちらから BigQuery のウェブページにアクセスします。そして「TRY BIGQUERY FREE」ボタンをクリックしてください。案内に従って 4 つのステップを踏むと、60 秒以内に BigQuery のウェブ インターフェースが開き、最初のクエリを作成できるようになります。最初にどのようなクエリを実行するかはあなた次第です。BigQuery は、Google Cloud の一般公開データセット プログラムの一環として数十の興味深いデータセットをホストしており、これらは素晴らしい出発点になるでしょう。私たちのお客様に人気のあるクエリと、それらに対応するデータセットをいくつかご紹介します。
地図製作者や地図愛好家 :
- ハリケーンはどのような進路をたどったのか。このリンク先のチュートリアルでは、NOAA(米国海洋大気局)の気象データに対して、ハリケーンの進路をプロットするクエリを実行し、BigQuery Geo Viz でその結果を進路マップとして可視化します。
暗号通貨やブロックチェーンの熱心なユーザー :
- Ethereum の取引数で最も人気のある上位 10 のコレクティブルは何か。このクエリは、Ethereum ブロックチェーンで取引数が最も多い上位 10 のコレクティブルを特定します。詳しくは、BigQuery 一般公開データセットの Ethereum Blockchain マーケットプレイス ページをご覧ください。
ソフトウェア エンジニア :
- Hacker News の記事はどこから発信されたのか。このクエリは、URL からホストを解析することで、Hacker News の記事の発信元を明らかにします。詳しくは、BigQuery 一般公開データセットの Hacker News マーケットプレイス ページをご覧ください。BigQuery でのクエリの実行や、BigQuery サンドボックスへのデータのロードについてもっと知りたいソフトウェア エンジニアの方には、Felipe Hoffa による実践的なステップ バイ ステップ ガイドがお役に立ちます。
スポーツ ファン :
- NCAA(全米大学体育協会)の主催によるバスケットボール試合の終盤において、3 ポイント シュートの精度はどう変わるのか。このクエリは、NCAA 主催の男女バスケットボールの試合開始から 35 分間と最後の 5 分間で、3 ポイント シュートの精度を比較します。詳しくは、BigQuery 一般公開データセットの NCAA Basketball マーケットプレイス ページをご覧ください。
クエリの実行後にこちらのボタン(下図の緑の楕円)をクリックすると、Google の無料のデータ可視化プロダクトである Data Studio でクエリ結果を表示できます。
パートナーと Google 社員のコメント
BigQuery サンドボックスが目指すのは、皆さんがすばやく簡単に BigQuery を試し、一般公開データセットや自社のデータを探索していただけるようにすることです。私たちのパートナーと Google 社員のコメントをご紹介します。Google は、NOAA のデータを GCP の BigQuery などのツールと統合することで、科学データ フォーマットの理解や分析データの準備に関連する多くの障害を効果的に解消し、一般のユーザーによる NOAA データの利用拡大に貢献しています。Google サービスを一定の制限付きで手軽に、そして無料で利用できるサブスクリプションの導入も、データ分析の敷居を下げています。
NOAA の最高データ責任者、Ed Kearns 氏
BigQuery サンドボックスのおかげで、数千の Firebase プロジェクトでアプリケーションの使用状況の把握や、クラッシュが発生したコンテキストの分析、リリース候補の評価が的確にできるようになっています。こうしたことが有意義な判断につながっています。
Firebase のテクニカル リード マネージャー、Eugene Girard
BigQuery チームからのお願い
BigQuery チームは、皆さんが最初に実行するクエリに注目しています。#bqsandbox のハッシュタグを付けて、ぜひ最初のクエリをコピーしてツイートしてください。- By Felipe Hoffa, Developer Advocate, Google Cloud Platform and Chad W. Jennings, BigQuery Product Manager