Cloud SQL でオンライン ショッピングが向上
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 12 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 2020 年に起こった出来事によってオンライン ショッピングへの大きなシフトが促されたなかで、マーテック プロバイダの Bluecore は理想的な立場にありました。Google Cloud Tech Partners for the Year in Retail の一社である同社は、400 を超える小売ブランドにマーケティング プラットフォームを提供し、データと予測インテリジェンスを組み合わせてターゲットを絞り込んだキャンペーンを実施しています。今回は、Google Cloud SQL のマネージド サービスが Bluecore の貴重な時間やエネルギーを解放し、イノベーションを継続できるようにした方法について説明します。
Bluecore は、大規模小売ブランドが買い物客を生涯の顧客に変えられるようにお手伝いします。当社はマルチチャネルのパーソナライズされた完全自動マーケティング プラットフォームを開発しました。このプラットフォームは機械学習と人工知能を活用して予測データモデルによってキャンペーンを配信します。自社プロダクト スイートにはメール、サイト、広告チャネル ソリューションが含まれています。データはすべての業務の中心であり、小売業者が顧客にパーソナライズされたエクスペリエンスを提供するのに役立ちます。
小売マーケティングのお客様がダウンタイムやパフォーマンス低下なしに、UI でリアルタイムにデータにアクセスして適用しなければならなかったため、新しいデータベース ソリューションが必要でした。エンジニアリング チームは独自のリレーショナル データベースの作成と管理に貴重な時間が取られていました。つまり、マーケティング プロダクトの構築に費やす時間が少なくなっていました。当社は本来の業務に集中できるように、既存のアーキテクチャに適合するフルマネージド サービスが必要であることに気づきました。そのソリューションこそが Google Cloud SQL でした。
顧客のニーズに合わせたショッピング エクスペリエンス
小売マーケティングのお客様は Bluecore アプリ内に精度の高いキャンペーンを作成できます。そのために参照元、ページ滞在時間、スクロールの深さ、閲覧された商品、ショッピング カートのステータスなどのトリガーに基づいて、マーケティングとキャンペーンのメッセージをターゲット顧客に適用します。こうしたルールに基づいて当社のプロダクトは、どの情報をどの顧客に表示するかをインテリジェントに決定します。高度にパーソナライズされたキャンペーンは、キャンペーン固有の画像やメール キャプチャなどのドラッグ&ドロップ機能とウィジェットを使用して簡単に作成できます。
データベースに対する当社の要件は、キャンペーンのタイプ(ポップアップ、ページ全体など)、期間限定キャンペーン(クリスマス、ブラック フライデーなど)、ターゲット顧客セグメントなどのメタデータを使用する完全なキャンペーン作成機能でした。このキャンペーン メタデータは、小売ブランドのウェブサイトが遅延せずに、UI 自体の中でリアルタイムに接続され、利用できる必要があります。ですから、たとえば割引に対する親和性が強いマーケティング担当者の顧客には、商品の閲覧時に割引率が高い商品を表示できます。
キャンペーンが表示されると、キャンペーンに参加したユーザー、閲覧された商品、購入の有無を測定できます。これらの分析を e コマースのマーケティング担当者と独自のデータ サイエンス チームが利用できるため、最も効果的なキャンペーンを測定できます。その後さらに、その情報を基にして機能と小売ブランドの今後のキャンペーンを最適化できます。
基盤となる同じデータセットとフィードを使用して、メール機能をサイト機能に関連付けられます。たとえば、特定の時間メールを開かず、ウェブサイトにアクセスした顧客にキャンペーンを表示できます。または、ブランドのメールを閲覧した顧客には別の特典を表示することもできます。マーケティング担当者の設定に応じて、メールチャネルとサイトチャネルを個別に使用することも、併用することも可能です。
リアルタイム ソリューションが必要
Cloud SQL の最初のユースケースは、キャンペーン情報の保存に関するものでした。当社はマルチテナント アーキテクチャを使用しています。ユーザー アクティビティ(クリック、ビュー)などの元データは BigQuery の生のテーブルに保存されます。当初、簡単にスケールできる Datastore にキャンペーン情報を保存していましたが、リレーショナル モデルの方がはるかに自社データに適合していることがすぐにわかり、Cloud SQL を使い始めました。
マーケティング担当者が 1 つのキャンペーンに変更を加えると、他の多くのキャンペーンに影響する可能性があるため、パフォーマンスの低下やダウンタイムの必要がなく、そのデータを取得してすぐに適用できるソリューションを求めていました。これは Bluecore にとってミッション クリティカルな機能だったのです。
Cloud SQL を選ぶ
リレーショナル データベースの評価時にオプションをいくつか検討し、まず Google Kubernetes Engine(GKE)を使用して独自の MySQL を設定しようとしました。しかし、既存のパートナーである Google に頼れば、必要な成果を上げながらエンジニアの時間を解放できることがすぐにわかりました。Google Cloud SQL はフルマネージド データベース機能を備えており、高可用性を提供しながらバックアップ、メンテナンス、レプリカなどの時間のかかる一般的なタスクを処理します。Google が信頼性の高い安全でスケーラブルなデータベースを確保してくれるので、エンジニアは本来の業務に集中し、マーケティング プラットフォームの機能とパフォーマンスを向上させることができます。
一例を挙げると、当社が開発したある機能では、小売ブランドのクライアントがカスタム メッセージをリアルタイムで送信できるようになります。たとえば、ウェブページを 5 つ閲覧したもののカートに何も追加していない顧客にパーソナライズされたメッセージを送信し、顧客のメール登録と引き換えにクーポンコードを提供できます。
Cloud SQL は Google Cloud のスイート サービスとうまく連携
Bluecore は BigQuery や Cloud SQL のサービスに加え、インフラストラクチャ全体で Google のさまざまな関連マネージド サービスに依存しています。イベントはウェブページから Google App Engine に送信され、そこから Pub/Sub のキューに格納されて、Kubernetes や GKE によって処理されます。UI は App Engine でもホストされています。App Engine と GKE のどちらからでも Cloud SQL との通信はとても簡単です。Google は当社と引き続き協力して、使用されるサービスの全機能を実現し、成長計画を最も加速させるサービスを特定してくれます。
マーケティング テクノロジー プラットフォームの詳細については、Bluecore のウェブサイトにアクセスしてください。フルマネージドのリレーショナル データベース ソリューションの利用を開始する準備ができたら、すぐに Cloud SQL をご確認ください。
-Bluecore プロダクト管理ディレクター Arjun Maheshwari