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データベース

Google Cloud データベースの最新のイノベーションを活用し、生成 AI を導入する

2024年10月17日
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Andi Gutmans

GM & VP of Engineering, Databases

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※この投稿は米国時間 2024 年 10 月 3 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

生成 AI を導入することで、ユーザーの生活は AI を活用した快適なものになります。この取り組みの中で、データベースは、企業の実態に立脚した正確で関連性の高いエンタープライズ生成 AI アプリを構築するための基盤になります。Google Cloud は、主に次の 3 つの形でお客様をサポートすることに力を入れています。

1 つ目として、デベロッパーが運用データを活用してインテリジェントなアプリを構築できるようにします。2 つ目として、生成 AI、具体的には Google Gemini モデルを活用して、移行、フリート管理、トラブルシューティング、パフォーマンス最適化など、データベースに関する取り組みのあらゆる段階を簡素化できるようにします。3 つ目として、データベースをモダナイズして、お客様が生成 AI を活用できるようにします。これら 3 つがどのように実現されるかを見てみましょう。

運用データを活用したエンタープライズ向け生成 AI アプリの構築

企業における生成 AI の成功に関しては、開発者が重要な役割を担っています。労働統計局によれば、ソフトウェア開発者の数はデータ サイエンティストの 10 倍であり、これは、AI でイノベーションを起こすことができる技術人材の数が 1 桁多いことを意味します。それにより、過去 1 年間で Google が開発者にもたらしたイノベーション、具体的にはベクトル検索、LangChain 統合、基盤モデルに、Google のあらゆるデータベースが対応するようになっています。また、強力な新機能のすべてを単一のデータベース、Spanner(常時稼働でグローバルな整合性を有し、規模の制限が事実上存在しないデータベース)に追加しました。その新機能としては、グラフ処理、高度な全文検索、ベクトル検索などがあります。そのため、相互接続されたデータやセマンティック検索を活用する、スマートでコンテキストとの関連性が高い新しいクラスのアプリケーションを構築できるようになります。

また、Google の最大限の強みと PostgreSQL との 100% の互換性が組み合わさっているデータベースである AlloyDB の生成 AI 機能も強化されています。さらに、AlloyDB ScaNN ベクトル インデックスの一般提供を開始したことをお知らせします。これは、Google 検索や YouTube など、Google で特に人気のあるサービスで活用されているものと同じテクノロジーです。12 年間の研究と革新の取り組みの成果が AlloyDB に投入されています。ScaNN インデックスは初めての PostgreSQL 対応インデックスです。最先端のクエリ パフォーマンスを維持しながら 10 億を超えるベクトルに対応したスケーリングが可能であり、あらゆる企業で高パフォーマンスのワークロードを実現できます。

Google は、さまざまな環境でアプリケーションをデプロイ、実行できる柔軟性を多くの組織が求めていることを理解しています。そのため Google は昨年、オンプレミスやその他のクラウドなど、あらゆる場所で実行できる AlloyDB のダウンロード可能なエディション、AlloyDB Omni をリリースしました。ただ、お客様からは、あらゆる主要なクラウドで実行できるマネージド データベース サービスも求められています。

このたび Google は、あらゆるクラウドでの AlloyDB Omni のデプロイと管理をサポートする目的で、Aiven と戦略的パートナーシップを結びました。Aiven for AlloyDB Omni は、Google CloudAWSAzure における AlloyDB Omni のデプロイ、管理、スケーリングをシンプルかつ安全な手法で行い、マルチクラウドの運用を改善できる、マネージド クラウド データベース サービスです。単一のプラットフォーム上で、トランザクション ワークロード、分析ワークロード、ベクトル ワークロードを複数のクラウドにまたがって実行することが可能で、生成 AI アプリケーションの構築をどのクラウド上でも簡単に開始できるようになります。これは、AlloyDB Omni に管理レイヤを追加する初めての提携関係です。Aiven for AlloyDB Omni の詳細をご覧ください。

多くの生成 AI アプリケーションは、高スループットでレイテンシの少ないインメモリ データベースを活用しています。そして、コントリビューターのコミュニティは、Redis の完全にオープンソースな代替となる Linux Foundation プロジェクトとして、Valkey と呼ばれる Redis フォークへの取り組みを開始しました。Google は先月、Memorystore for Valkey 7.2 を発表しました。Google Cloud は、マネージド サービスとしてこれをサポートする初めての大手クラウド プロバイダになりました。また Google は、フルマネージドの Memorystore for Redis Cluster サービスと Memorystore for Valkey 7.2 サービスにおけるベクトル検索など、Memorystore への継続的な投資を行っています。

単一の Memorystore for Valkey インスタンスまたは Memorystore for Redis Cluster インスタンスで、10 億を超えるベクトルに対してベクトル検索を 1 桁ミリ秒単位のレイテンシで実行でき、その再現率は 99% を超えます。また、Memorystore for Valkey 8.0 の公開プレビュー版が利用可能になりました。Valkey 8.0 は、パフォーマンスと信頼性に関する大幅な向上、新しいレプリケーション スキーム、ネットワーキング強化、パフォーマンスとリソース使用状況の詳細な可視性などを特徴としています。Memorystore for Valkey 8.0 であれば、Memorystore for Redis Cluster との比較で最大 2 倍の秒間クエリ数を、マイクロ秒単位のレイテンシで実現できます。

ところで、数多くの開発者が Google Firebase プラットフォームを使用して、最新のアプリケーションをビルド、実行しています。Firebase の開発者からは、AI が活用され、ユーザーに好まれるアプリの動作を構築するための拡張機能が求められてきました。今回、Firebase 初のリレーショナル データベース ソリューション、Firebase Data Connect の公開プレビュー版が今月後半に利用可能になることをお知らせいたします。

Firebase Data Connect は、Cloud SQL を活用するフルマネージドの PostgreSQL データベースと統合される、新しい Backend as a Service です。豊富なクエリ、複雑な条件、セマンティック ベクトル検索を使用してアプリをスピーディに構築し、セキュアな生成 AI フローを実現できるようになりました。Data Connect Firebase Authentication と統合される GraphQL テクノロジーを使用して、セキュアなスキーマ、クエリ、ミューテーションの管理をサポートします。また、Data Connect は、AndroidiOS、ウェブのアプリケーションや Flutter アプリケーション用のデータベース スキーマ、セキュアな API サーバー、タイプセーフで生成される SDK を自動的に生成します。

Gemini でデータベースに関する取り組みのあらゆる段階を簡素化する

現状では、データベース フリートの管理について、まとまりのないツールやスクリプトに依存することが多く、また、エラーが起きやすいばらばらのワークフローに依存することもあります。このようなまとまりのない手法では、維持費がかかるだけでなく、非効率になることや能力に制限がかかることにつながります。さらにやっかいなことに、開発者やデータベース管理者には、データベース フリートを最新の状態に維持することや、絶えず進化する SQL および NoSQL のデータベース テクノロジーに関して学習し続けることが求められます。

そこで Google は、Gemini モデルでデータベース管理のあらゆる段階を簡素化することを目指しました。そして今回、フリート管理をシンプルにすることを目的とし、リスクを低減してリソース使用率を改善するために、データベース フリートを大規模にモニタリングおよび運用する一括表示ツール、Database Center を発表します。Database Center では、単一のインターフェースを介して、プロジェクトとリージョン全体を対象に Google Cloud データベースをモニタリングします。それにより、アプリケーションのパフォーマンスやデータベースの信頼性に潜在的な問題の影響が及ぶ前に、その潜在的な問題を特定できます。

今月の後半には、Spanner Cloud SQL AlloyDB に加わえて Database Center にも対応するデータベースになり、以降もデータベースが追加されていく予定です。また Google は、Database Center の完全なデータベース モニタリング機能とデータベース運用機能を誰もが利用できるようにする取り組みを進めています。インテリジェント チャット、費用最適化、セキュリティに関する高度な推奨事項など、Database Center AI を活用した高度な機能を、Gemini を有効にするだけで利用できるようになります。

AI に向けたデータベース資産の移行とモダナイズを実現

通常、従来のデータベースで生成 AI に対応することは難しいため、データベースをモダナイズして、AI の新しい機能を活用できるようにする必要があります。そこで Google Oracle と連携して、Oracle ワークロードの Google Cloud への移行と強化をサポートできるようにしました。先月、Google は、4 つの Google Cloud リージョン、US East(アッシュバーン)、US West(ソルトレイクシティ)、UK South(ロンドン)、Germany Central(フランクフルト)で Oracle Database@Google Cloud の一般提供が開始されたことをお知らせしました。本日 Google は、South America East(サンパウロ)リージョンが追加され、今後数か月以内に利用可能になることをお知らせいたします。また 2025 年には、利用可能なリージョンの数を、現在運用しているリージョン数の倍以上にする予定です。

Dun & Bradstreet は、ビジネス上の意思決定データと分析のグローバル リーダーです。比類ない品質の D&B データを使用して、Oracle Database のパフォーマンス、信頼性、スケーラビリティを、Google Cloud の強力な分析ツールと AI ツールにシームレスに統合できるようになりました。この相乗効果により、膨大な量のデータセットをこれまでにないスピードと効率で処理、分析し、より深い分析情報を引き出して、お客様により多くの価値を提供しています。」 - Dun & Bradstreet、エンタープライズ エンジニアリング担当バイス プレジデント Adam Fayne

新しい時代の到来

お客様に Google が伝えたいことはシンプルです。AI の未来がここにあること、またあらゆる開発者と企業がこれを活用できるということです。Google は、堅牢なインフラストラクチャ、革新的なデータベース ソリューション、AI を活用したアシストによって、インテリジェントなアプリケーションの新時代を築いていきます。Google Cloud データベース Google のデータクラウドの詳細をご覧ください。

-エンジニアリング、データベース担当ゼネラルマネージャー兼バイス プレジデント Andi Gutmans 
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