IT 業界に関する予測: トランザクション ワークロードと分析ワークロード間の障壁が消滅
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: この投稿は Google Cloud のエキスパートが IT 業界の今後を予測するシリーズの一部です。今後数年間の IT 業界の変化について予測した内容の一覧をご覧ください。
予測: トランザクション ワークロードと分析ワークロード間の障壁がほぼ消滅
従来、トランザクション ワークロードと分析ワークロードはデータ アーキテクチャによって分離されてきました。トランザクション データベースは高速な読み書きを実現するために最適化されているのに対し、分析データベースは大規模なデータセットを集約するために最適化されているからです。その結果、従来型のトランザクション データシステムと分析データシステムの大部分が互いに切り離され、多くの企業が、最新のインテリジェントなデータドリブン アプリケーションをサポートする複数のソリューションをつなぎ合わせる方法を見い出せずにいます。
統合データ プラットフォームでは、トランザクション ワークロードと分析ワークロードの双方を、パフォーマンスを低下させることなく同じデータセット上でサポートできます。こうした最新のデータ プラットフォームはスケーラビリティが高く、分散コンピューティング システムと分散ストレージ システムを備え、高性能なグローバル ネットワーク上に構築されていることで、緊密に統合されたスケーラブルかつ高性能なデータサービスを提供できます。
たとえば、銀行がリアルタイム投資ダッシュボードを顧客ごとにパーソナライズして提供するとします。このサービスを実現するには、アプリの核となるバンキング機能と市場データの統合が必要です。アプリのバックエンドがトランザクション ワークロードに最適化済みであれば、この場合の課題は、分析機能を追加することでアプリのパフォーマンスが低下しないようにすることになります。また、既存の全データを、企業のトランザクション データをリアルタイムに分析できるデータ アーキテクチャに移行する必要もあります。
では、どのような新しいテクノロジーを使えば、トランザクション ワークロードと分析ワークロード間の障壁を取り除き、既存データを簡単に移行できるようになるでしょうか?AlloyDB for PostgreSQL は、トランザクション データをリアルタイムで分析できる Google Cloud の新たなフルマネージド PostgreSQL 互換データベースです。また、Google のパフォーマンス テストによると、標準の PostgreSQL と比較してトランザクション ワークロードで 4 倍以上、分析クエリで最大 100 倍高速です。前述の例のようなハイブリッドなワークロード用のデータベースに理想的なパフォーマンスとなっています。
PostgreSQL から AlloyDB への移行は、Google Cloud の Database Migration Service を使用してデータソースと移行先を事前定義するだけでワンクリックで行えます。連続してレプリケーションを行うことで、ダウンタイムを最小限に抑えた移行が可能です。
また、Google Cloud は最近、複数の新機能を発表しました。たとえば、Google Cloud の変更データ キャプチャおよびレプリケーション サービスである Datastream for BigQuery を使用すると、AlloyDB、PostgreSQL、MySQL、Oracle などのトランザクション データベース ソースから直接 BigQuery にリアルタイムでデータ レプリケーションを行えます。さらに、BigQuery コンソールから Cloud Spanner、Cloud SQL、Cloud Bigtable とのクエリ連携を活用することで、トランザクション データベース内のデータを分析できます。トランザクション ワークロードと分析ワークロードの展望については、Google Cloud Next '22 での私の講演をご覧ください。
- Google Cloud、データベース エンジニアリング担当ゼネラル マネージャー兼バイス プレジデント Andi Gutmans