MySQL および PostgreSQL のメジャー バージョンと Enterprise Plus 向けの新しい Cloud SQL アップグレード ツール

※この投稿は米国時間 2024 年 7 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

データベースの新しいメジャー バージョンへのアップグレードは複雑で時間がかかり、エラーが発生しがちです。Google Cloud では、セキュリティやアプリケーションの可用性を損なうことなく、データベースのアップグレードがスムーズに行われるようにしたいと考えています。また、アップグレードに伴うリスクや中断を最小限に抑えて、ユーザーの時間とリソースを節約することも目指しています。

フルマネージド データベース サービスである Cloud SQL は、MySQL と PostgreSQL の複数のメジャーバージョンをサポートしており、それぞれのバージョンでパフォーマンスの向上、セキュリティの強化、機能セットの拡張が導入されています。このたび、メジャー バージョンと Enterprise Plus 向けの自動化された Cloud SQL アップグレード ツールを発表いたします。これは MySQL 5.7 から 8.0.31 まで、および PostgreSQL 9.6、10、11 から PostgreSQL 14 および 15 でご利用いただけます。このツールは、自動アップグレード評価、問題解決のためのスクリプト、インプレース メジャー バージョン アップグレード、および Enterprise Plus エディションのアップグレードを一体化して提供します。

サポートが終了したバージョンの MySQL および PostgreSQL 対応の Cloud SQL 向け拡張サポートに関連する拡張サポート料金を支払いたくない組織や、Enterprise Plus エディションのパフォーマンスと可用性機能を活用したい組織にとって、このツールは特に便利です。

主な機能

Cloud SQL アップグレード ツールの機能は以下のとおりです。

• 自動化されたアップグレード前の評価。この評価では、MySQL および PostgreSQL のアップグレードに適用される推奨事項、および実際のカスタマー エクスペリエンスからの分析情報に基づいて厳選されたチェックが行われます。

• 詳細な評価レポート。

• 問題を解決するための自動スクリプト。

• Cloud SQL のインプレース メジャー バージョン アップグレード機能を利用した、メジャー バージョンと Enterprise Plus のインプレース アップグレード。

以下の図は、これらの要素がどのように連携しているかを示したものです。

Cloud SQL アップグレード ツールの使用

Cloud SQL アップグレード ツールを使用したインスタンスのアップグレードは、以下のように簡単なプロセスです。

1. ターゲットとなる Cloud SQL インスタンスに接続している VM 上でバイナリ ファイルを実行します。アップグレード評価が実行され、レポートと特定された問題を修正するための自動スクリプトが生成され、Cloud SQL インスタンスのクローンが作成されます。

2. 評価レポートを確認し、作成されたインスタンスのクローンに手動の修正が必要であれば、それを適用します。

3. バイナリを再度実行して、未解決の問題がないことを確認します。

4. 検証が完了したら、メジャー バージョンまたは Enterprise Plus のインプレース アップグレードを続行することに同意することを確認します。

5. アップグレードしたインスタンスでテストを実行し、アプリケーションが正しく機能することを確認します。

6. テストが正常に完了したら、本番環境インスタンスで自動修正スクリプトを実行し、手動での修正が必要であればそれを行い、評価を実行してレポートを確認し、最後にインプレース メジャー バージョン アップグレードを開始します。

次のステップに進みましょう。セールスチームまたはカスタマー エンジニアにお問い合わせいただければ、貴社におけるアップグレード プロセス用にカスタマイズされたガイダンスを提供いたします。

-オートメーション マネージャー Swati Aggarwal
-データ分析担当アーキテクト Rani Singh