サポートが終了したバージョンの MySQL および PostgreSQL の利用を可能にする Cloud SQL 向け拡張サポート
Rahul Deshmukh
Senior Product Manager, Google Cloud
Sujatha Mandava
Director, Product Management
※この投稿は米国時間 2024 年 5 月 30 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
フルマネージド データベース サービスの Cloud SQL は、MySQL、PostgreSQL、SQL Server の複数のメジャー バージョンをサポートしており、各バージョンでは重要な機能、パフォーマンスの向上、セキュリティの強化などを導入できます。オープンソース ソフトウェア(OSS)の新しいメジャー バージョンがリリースされると、データベース エンジン コミュニティは、それより前のバージョンのサポートを終了し、組織に新しいバージョンへのアップグレードを促します。
Google Cloud での新しいメジャー バージョンへのアップグレードは、複雑かつ時間がかかる作業であることを Google は理解しています。お客様には、重要なアプリケーションのセキュリティや可用性に妥協せず、ご自身の条件に合わせて柔軟にアップグレードしていただきたいと考えております。このたび、コミュニティによるサポートが終了した日から、お客様が予定されているメジャー バージョンへのアップグレードまでの期間に利用できる新しいサービス、Cloud SQL 向け拡張サポートがリリースされたことをお知らせいたします。拡張サポートを使用すると、コミュニティでサポートされる新しいバージョンへのアップグレードを準備して実施する間、ビジネスの継続性および MySQL と PostgreSQL の各データベースのセキュリティを維持できます。
Cloud SQL で提供されるデータベースのメジャー バージョンはすべて、通常のサポートの対象となります。2025 年 2 月 1 日より、以下のデータベースのメジャー バージョンは拡張サポートの対象となります。
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MySQL: 5.6、5.7
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PostgreSQL: 9.6、10、11、12
拡張サポートを使用すると、コミュニティによるサポートが終了したメジャー バージョンであっても、Cloud SQL インスタンスを引き続きご利用いただけます。これにより、アップグレードの戦略的な実施を十分な時間をかけて計画できます。
2025 年 2 月 1 日より、サポート終了(EOL)になったメジャー バージョンを実行しているすべての Cloud SQL インスタンスは、自動的に拡張サポートの対象となります。拡張サポートは有料サービスです。拡張サポートの料金の詳細は、2024 年 8 月 15 日までに、Cloud SQL の料金ページと Cloud SQL リリースノートで通知されます。
拡張サポートの利用期間中、Cloud SQL インスタンスでは以下のサービスを受けられます。
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セキュリティに関する修正: 重要度の高いセキュリティ バグのパッチ
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バグの修正: Cloud SQL で維持されるコード内のバグ修正
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SLA の適用範囲: SLA に記載された特定要件を満たすインスタンスに適用されるエディション別 SLA
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新しいインスタンスの作成サポート: 拡張サポート対象のメジャー バージョンを使用した Cloud SQL インスタンスの作成
期間とオプトアウト
期間: メジャー バージョンに拡張サポートが提供される期間は、既存のメジャー バージョンがサポート終了になってから 3 年間です。サポートが終了したバージョンを実行しているすべての Cloud SQL インスタンスは、サポートされる新しいメジャー バージョンに自動的にアップグレードされます。新しいバージョンに安全にアップグレードできないインスタンスはサポート対象外になります。
オプトアウト: 通常のサポートの対象であるデータベース バージョンにアップグレードしたら、拡張サポートをいつでもオプトアウトできます。このようにアップグレード プロセスを完全に管理できるので、いつでも準備が整ったときに新しいバージョンに切り替えることができます。詳細については、データベースのバージョン ポリシーをご覧ください。
お客様のスケジュールに合わせて確実にアップグレード
拡張サポートを利用すれば安心感を得られますが、新しいデータベース バージョンへのアップグレードをできるだけ早く計画されることをおすすめします。新しいバージョンには、パフォーマンスの向上や最新のデータベース イノベーションへのアクセスなど、大きなメリットが含まれます。
Cloud SQL で新しいメジャー バージョンにアップグレードする方法はいくつかあります。たとえばメジャー バージョンのインプレース アップグレード(MySQL、PostgreSQL)や、Database Migration Service(DMS)またはエクスポートを使用した新しいバージョンへのデータ移行などです。
Cloud SQL インスタンスを MySQL 8.0 または PostgreSQL 13 以上にアップグレードしたら、Cloud SQL Enterprise Plus エディションへのインプレース アップグレードができます。Cloud SQL Enterprise Plus エディションの機能を使用すると、計画的なメンテナンスによる 1 秒未満のダウンタイム、99.99% の稼働時間 SLA、Cloud SQL Enterprise エディションと比較して 3 倍の読み取りスループットおよび 2 倍の書き込みレイテンシの向上を実現できます。
参考情報
Google は、お客様の進化するデータベース ニーズに対応し、アプリケーションの安全性、可用性、最適化を将来も引き続き確保できるよう支援してまいります。拡張サポートの詳細については、拡張サポートに関するドキュメントをご覧ください。Cloud SQL でメジャー バージョンのアップグレードを最小限のダウンタイムで実施する方法の詳細については、ブログ投稿の Cloud SQL のインプレース メジャー バージョン アップグレードでデータベースのアップグレードが簡単にをご覧になることをおすすめします。