Google Cloud を活用してイノベーションを加速する Equifax のデータ ファブリック
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 5 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: テクノロジーを活用した改革の基盤ツールとして、Google Cloud の Bigtable を利用した Equifax の事例を紹介します。
信用調査のリクエストを処理する際に、盗難 ID かどうかを確認し、クレジット スコアを評価し、職業と収入を検証するには、膨大な量のデータが必要です。そのうえ、最も堅固なデータアセットを持つだけでは十分ではなく、それらのデータを厳密に責任を持って保護、管理する必要もあります。世界最大級のフィンテックとして、高度に規制された業界でビジネスを運営する Equifax では、お客様がよりスマートな意思決定を行えるよう、データから独自のインサイトを抽出してリアルタイムで提供することを主軸に取り組みを続けています。
2018 年、当社のリーダーチームは、クラウドでビジネスを再構築することを決断しました。長年にわたり、当社は従来の信用調査機関の枠を超えた事業を展開してきましたが、それでも、次世代のデータ、分析、テクノロジー企業になるためにテクノロジー インフラストラクチャを再編成する必要があることを認識していました。「プロジェクト」マインドセットに代わり、データの統合を高速化し、自動化によってリーチを拡大し、従業員の能力を高めて、新しいプロダクト導入につなげるための新しい方法を生み出したいと考えました。
この変革の結果が Equifax Cloud™ です。これは、Equifax だけが提供できる業界トップレベルのセキュリティ、他にはないデータアセット、AI 分析と、パブリック クラウド インフラストラクチャを独自に組み合わせたテクノロジーです。最初のステップとして、これまでのデータ エコシステムを Google Cloud に移行して、データ ファブリックを構築しました。57 か所のグローバル データセンターを閉鎖して、すべてをデータ ファブリックに移行し、コラボレーションとインサイトを強化しました。Google Cloud チームからのサポートを得ることで、速やかに軌道に乗ることができました。
Cloud Bigtable でデータ ファブリックを構築する
データ プロダクトとインサイト プロダクトのイノベーションに集中できるように、単一のフルマネージド プラットフォームが必要なことは最初からわかっていました。インフラストラクチャ、スケーリング、暗号化に関する専門知識は、自分たちで積み上げる必要はなく、Google Cloud からすぐに使える機能を提供してもらえるため、顧客への価値の提供を促進することに集中できています。
データ ファブリックの設計では、Google Cloud の NoSQL データベースである Bigtable をデータ アーキテクチャの主要コンポーネントとして使用しました。Bigtable はフルマネージド サービスであるため、イノベーションの速度と規模を向上させることができます。サプライヤーからのデータを迅速に取り込み、データをキャプチャおよび整理して、ユーザーが新しいプロダクトを構築できるようにデータを提供することで、Bigtable は Equifax Cloud のデータ ファブリックを支えてくれています。Equifax-in-a-Box としてパッケージ化された当社独自のデータ ファブリックには、新しい地域での新しい Equifax ビジネスに必要な基盤の 80~90 パーセントを提供する統合プラットフォームおよびツールが含まれています。このパッケージを使用することで、当社のチームは、新しい地域で、その地域の規制を遵守しながら、ビジネスを迅速に展開できます。
Bigtable は、データ ファブリックの財務ジャーナルをホストしています。財務ジャーナルは、消費者の信用、職業、公共料金支払いといったデータ領域にわたる調査の詳細な履歴であり、当社のほぼすべてのソリューションに関与しています。最大規模のジャーナルの一つは、米国の信用データをホストしたもので、約 30 億件の信用調査とその他の種類の調査のデータが含まれます。当社が所有する Keying and Linking サービスを実行して、これらのデータセットが属している個人の身元を判別する際に、Bigtable がリポジトリのキーイングとリンクを処理するので、スケールアップが素早く行えるだけでなく、目的の回答もすぐに得られます。
Equifax Cloud によるイノベーション
日々のアクティビティから新しい革新的なサービスまで、Equifax はデータ ファブリックを活用して業界の変革を続けています。Bigtable は、必要な機能を実現するためのプラットフォームの基盤となっています。たとえば、消費者が店舗を訪れ、携帯電話を購入する際、当社はその店にクレジット ファイルを提供します。そのためには、検索、ファーミング、ファイルのビルド、パッケージ化、返却を迅速に行わなければなりません。Google Cloud と Bigtable への移行により、これらすべての処理を 100 ミリ秒未満でできるようになりました。
同様に、当社は現在、データ ファブリックを使用して不正行為防止プロダクト用のグローバル プラットフォームを構築しています。これまでのスタックでは、望むような形で迅速にデータを取り出して整形することは困難でした。しかし Bigtable のようなマネージド サービスを使用することで、不正行為防止のためのプラットフォーム向けにデータの 7 種類のビューを 4 週間未満で作成して提供できました。データ ファブリックがなければ、おそらく数か月かかった処理です。
Google Cloud で効果を上げる
当社は、クラウドネイティブな次世代のデータ、分析、テクノロジー企業へと変貌し、大きな進歩を遂げました。グローバル マルチリージョン アーキテクチャを持つ当社のデータ ファブリックは、現在 7 か所の Google Cloud リージョンで稼働しており、最終的には Equifax が事業を行う 25 か国すべてに対応する予定です。Google Cloud 提供の主要機能を活用する Equifax Cloud を開発したことで、速度、セキュリティ、柔軟性が強化され、将来に向けて強力なデータ プロダクトを構築することに集中できるようになりました。
Equifax の詳細についてはこちら、Cloud Bigtable の詳細についてはこちらをご覧ください。グラフィックスで疑問にお答えしている次の最新ブログもご確認ください: 「Cloud Bigtable の規模」
- Equifax、データ ファブリックおよび意思決定科学テクノロジー担当シニア バイス プレジデント Kumar Menon 氏
- Equifax、データ ファブリック プラットフォームおよび意思決定科学テクノロジー担当チーフ アーキテクト Yuvaraj Sankaran 氏