現在プレビュー中の Database Migration Service を使用して SQL Server のワークロードを Cloud SQL に移行する
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 4 月 12 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Cloud SQL for SQL Server は、SQL Server のネイティブな機能と Google Cloud のいくつかのイノベーションを提供する、フルマネージドのリレーショナル データベースです。これにより、既存のバージョンを維持したり、新しいバージョンにアップグレードしたりしながら、データベースを移行できます。しかし、SQL Server データベースからクラウドへの移行は、困難な場合があります。ダウンタイムや複雑度、セキュリティ リスクに関する懸念により、マネージド クラウド データベースへの移行が妨げられる可能性があります。
今週の Google Cloud Next で、最小限のダウンタイムでデータベースの移行を実施するフルマネージドのサーバーレス クラウド サービスである Database Migration Service での、SQL Server から Cloud SQL for SQL Server への移行サポートのプレビュー版の提供を発表しました。
Database Migration Service は、データベースの最初のスナップショットを読み込んだ後、利用者の妨げにならない形で増分読み込みを行うことで、移行の複雑さを減らし、運用ダウンタイムを減少させます。Database Migration Service の仕組みと利用方法をご紹介します。
SQL Server 移行サポートの導入
Database Migration Service は、組み込みのバックアップと復元の機能を利用して、忠実度が高くダウンタイムの低い SQL Server 移行を支援します。Database Migration Service の他の同種移行パスと同じく、SQL Server から Cloud SQL for SQL Server への移行は安全性と信頼性が高いうえに、追加料金なしで利用できます。
Database Migration Service は以下のサポートを提供します。
-
最小限のダウンタイムとシステム オーバーヘッド: Database Migration Service のネイティブな継続的バックアップと復元のテクノロジーにより、移行の進行中も SQL Server のソース データベースの動作を継続することができ、ダウンタイムが低減されます。Database Migration Service は SQL Server のバックアップを利用して移行を実施するので、本番環境のオペレーティング システムに追加のオーバーヘッドが発生することはありません。
-
サーバーレスによる容易さ: Database Migration Service はマネージド サービスであるため、ユーザーが専用のインフラストラクチャを管理する必要がありません。そのため、IT チームは移行のための複雑な設定でなく、戦略的なイニシアチブに注力できます。
-
最前線のセキュリティ: Database Migration Service は、移行全体を通して堅牢な保護を提供するために、暗号化された SQL Server バックアップをサポートします。
Google Cloud は、SQL Server ワークロードの移行を検討するお客様と緊密に連携してきました。その内の 1 社が、遠隔医療のプラットフォームを運営する米国の医療企業、GoodRx Holdings, Inc. です。
「GoodRx は、SQL Server から Cloud SQL for SQL Server への移行に Database Migration Service が利用できるようになったことを嬉しく思います。Google Cloud のソリューションは、インテリジェントで革新的、かつ費用対効果の高い方法で当社の運用効率を高めてくれます。」- GoodRx CTO、Nitin Shingate 氏
Database Migration Service を使用した SQL Server データベースの移行
Database Migration Service を使用して、SQL Server ワークロードの移行を今すぐ開始する方法を以下に紹介します。
-
Google Cloud コンソールの [データベースの移行] セクションに移動し、[データベース] で SQL Server バックアップ ファイルのアップロード先となる Cloud Storage バケットを参照する接続プロファイルを作成します。
-
同様に、任意の Cloud SQL for SQL Server インスタンスを参照する別の接続プロファイルを作成します。
-
両方の接続プロファイルを接続する移行ジョブを作成し、移行するデータベースを選択します。
-
移行ジョブをテストし、以下のようにテストが成功したことを確認します。その後、準備ができ次第、移行を開始します。
5. フル バックアップをアップロードし、Cloud Storage バケットに各データベースのトランザクション ログのバックアップを任意の頻度で継続的にアップロードします。
6. フル バックアップが復元されると、移行フェーズが「初期読み込み」から「増分読み込み」に変わります。Database Migration Service は新しいトランザクション ログのバックアップ ファイルを探し続け、それらを継続的に復元します。
7. 組み込みの指標とログを使用して移行ジョブの進行状況をモニタリングし、移行を完了する適切な時期を評価します。
8. 移行を完了する準備ができたら、Database Migration Service の [プロモート] をクリックしてデータベースを復元し、利用可能な状態にして、移行を完了します。
これで、Cloud SQL for SQL Server への移行は完了です。
今すぐ使用を開始する
移行の準備はできましたか。さっそく Database Migration Serviceを使用して SQL Server から Google Cloud への移行を開始しましょう。
ー Database Migration Service シニア プロダクト マネージャー Erez Alsheich